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「定額給付金2兆円」のバラマキを急ぐ与党と、参議院でこれを分離する修正案を可決した野党との間で綱引きが続いている。麻生内閣が定額給付金を公式に発表してから早3か月、何ともモタモタしているうちに国内の経済・雇用状況は悪化の一途をたどった。先週から「かんぽの宿」問題を取りあげて書いているが、この問題は、小泉・竹中改革なるものが何を生み出したのかを検証するのにもってこいの事例である。「入札で高値を示した企業が買うのは当たり前ではないか」とのことでもっともらしいが、はたして公正な入札だったかどうかが問われるところである。

この入札の経過をたどってみよう。1月13日の衆議院総務委員会理事会に提出された日本郵政作成の資料から時系列で追ってみたい。

2008年4月1日~15日 譲渡候補先の応募についてホームページで告知(募集要項を配付)

2008年5月15日 入札参加表明応募を締め切り。27社が応募。
(※)27社の内訳 大手不動産会社5社 国内投資ファンド3社 ホテル運営会社5社 その他 レストラン運営等4社 海外投資ファンド10社

2008年5月中旬~6月20日 応募者(27社)について、その信用力、ホテル運営実績等の予備審査を行い、第1次提案参加者を決定(22社)。22社にはかんぽの宿等事業に関する資料を配付。

2008年8月15日 第1次提案を締め切り、7社が応募(15社は辞退)

2008年8月中旬~8月27日 7社の提案について、取得後の事業戦略、取得価格、従事する社員の取扱い等の審査を行い、3社によるデューディリジェンス実施。

2008年10月31日 第2次提案を締め切り。2社が応募(1社は辞退)

2008年11月上旬~12月9日 2社の提案について、事業の継続・発展性、譲渡対価、社員の雇用確保等の内容を慎重に審査し、オリックス不動産株式会社を最終審査通過者に決定。

2008年12月中旬~12月下旬 その後、同社と契約の詳細について交渉。

2008年12月26日 権利義務の包括承継等円滑な譲渡遂行の観点から会社分割(新設分割スキームに採用したため、総務大臣認可を条件として12月26日の取締役会決議を経て、オリックス不動産株式会社と株式譲渡契約を締結。

[引用終わり]

こうした経緯をたどって会社分割という仕組みを使って、オリックスへの一括譲渡が決定している。ゴソゴソと相談している時間がえらく長いなという印象を持つ。鳩山大臣は「出来レース」という言葉を使ったが、20項目に及ぶ質問書を日本郵政に出して、今週前半には回答を得る予定だという。社民党と国民新党で、この問題についての合同勉強会を開催することも決まった。この際、水面下で起きていたことを徹底して明らかにするべきだとあらためて感じている。




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