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「『共謀罪』の成立、今国会見送りへ」との新聞報道があり、昨日の自民・公明の幹事長・政調会長・国対委員長会談で、重点法案から「共謀罪」が外れたことが明らかになった。まだ、会期も十分にあるし、安倍総理には小泉前総理のような「共謀罪への抵抗感」がない。加えて、来年は参議院選挙である。与党側からすれば、ここで先送りにすると、来年の臨時国会まで1年を費やさなければならなくなる。私も、疑い深い人間になった。何度もヌカ喜びをさせられて、騙し打ちを食らった経験があるからだ。 まずは、教育基本法や防衛省昇格法案、国民投票法などの重要法案を通しておいて、最後に勝負をかけてくると見ていて、そう間違いはないだろう。油断大敵である。

6月の通常国会以降、ずいぶん条約起草課程の議論から、各国の批准状況まで多くのことが分かった。日本のように刑法体系を全面的に変更するような600種類の共謀罪を創設して、国会で激しい論議になった国は他にない。他の国では、『国連立法ガイド』が示すように、国内法の原則を尊重しながら条約批准にあたっているようだ。当初はまっとうで穏健な主張をしてきた日本政府は、どこかの時点で方針転換をした。その肝心の部分は、外務省によって黒塗りで伏せられているのである。
日本政府としては、「国際組織犯罪条約」の早期批准を望んでいるという立場だが、この際は共謀罪を廃案とし条約批准をニュートラルな状況から考えるべきではないか。

岩波ブックレット『共謀罪とは何か』が発売された。当初、予告していた「とてもわかりやすい一冊」となったかどうか、やや自信がないがタイムリーな時期の刊行となったと思う。ぜひ、書店などでご注文いただきたい。またブログ右側にも表示しているので、ネット注文も可能。また、講演会や勉強会で何冊かまとめて販売したいという場合地元事務所でも受け付ける。また、10月13日のネイキッド・ロフトでは海渡さんと最新情報を出し合って、このブックレット執筆以後の今日の状況について分析を加えたい。

10日の夕方、予算委員会で質問に立つことになった。聞きたいことはたくさんあるが、20分でどこまで迫れるか。ご意見があれば、メールでいただきたい。

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