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すでに、共謀罪創設の根拠となっている国際組織犯罪条約を昨年11月に批准したアメリカ合衆国が、留保をしていることが判明している。ところで、なぜアメリカは留保をしたのか。外務省人道人権課組織犯罪対策室に、以前から依頼していた「アメリカの条約留保」の事情についてヒアリングを行った。約1時間にわたって説明を受けたが、話を聞けば聞くほど、わからなくなる。

私は約1カ月前に、この問題に対して組織犯罪対策室に文書で回答を求めている。
9月6日の資料要求に対して、1週間後の9月14日付で手元に届いた回答文は次の通りである。

「9月6日付けの資料要求について」

平成18年9月14日
外務省総合外交政策局国際組織犯罪室

平成18年9月6日付けで受領しました保坂議員からの「米国が2005年に、国際組織犯罪防止条約を批准する際に第5条を保留にしている理由」についての資料要求に対する回答は、下記のとおりです。

1.米国は国際組織犯罪防止条約の締結に際して以下の3点について留保を付したと承知しており、お尋ねのように同条約の第5条を特定した留保を付したわけではないと承知している。

2.なお、米国は(1)連邦制度という自国の基本原則に合致するような方法で国際組織犯罪防止条約上の義務を負う権利を留保し、(2)船舶内又は航空機内で行われる犯罪についての裁判権の設定について定めた国際組織犯罪防止条約第15条1(b)に、(3)紛争の解決について定めた国際犯罪防止条約第35条2の規定に拘束されない旨を宣言していると承知している。

このそっけない返答をもらって、「アメリカの留保は、おたずねのように条約5条を留保したのではないものと認識している」と9月23日のこのブログに書いた。対策室の説明を聞いて、この部分を訂正しておく。上記の回答文は「同条約の第5条を特定した留保を付したわけではないと承知している」とある。どこが違うのか?
「5条を特定した留保」という言葉にひっかかった。

まず、条約の留保は事実である。また、アメリカが留保の際に「5条を特定していない」というのも事実だ。だから「5条を留保していない」ということにはならないのであって、条約のどの部分を留保したのかをきちんと書いていないということにすぎない。だが、その内容は「条約の趣旨」に関わるもので、私たちが「5条を留保した」と判断するのは間違いではない。外務省は、「5条を特定していない」という部分を持ち出してきたにすぎない。つまり、枝葉の議論である。

アメリカは連邦法に共謀罪があり、国際通商的な犯罪や、州と州をまたぐ犯罪については、また連邦の利益に関わる行為は犯罪となる。また、多くの州では共謀罪が州法にもきちんとの存在するが、いくつかの州においては条約が犯罪と定める行為のすべてを犯罪としていない州も存在する。(きわめて限定的な共謀罪しかない州が存在する)「高度に局地的な行為に関する限定された類型」については、犯罪とならない場合がある。条約を批准すれば、州政府が州法改正の義務を負うが、これは「連邦国家」としての根幹に触れるものである。この点に限って、アメリカは条約を留保するが、条約に基づいた国際協力には何らの影響がないことである。

これが、アメリカの留保理由だ、というところまでは外務省と認識が一致した。そこで、私は聞いた。「ところで、その限定された共謀罪しかない州ってどこなのか」当然の疑問だが、返答は「それが分からないんですよ」という拍子抜けするような内容だった。どの州が該当するのかは、一切不明だという。「純粋に州内的・局地的な犯罪化されない行為って、どんなものなのか」と聞いても、同席した法務省刑事局刑事法制管理官室の説明によれば、「一切、アメリカから具体的な情報がありません。我々も、『具体的な行為』の事例を知りたいのですが」ということ。
外務省は「ほとんど例外なくアメリカには共謀罪があるんですよ。だから、この留保で例外とされるものは、想定できない。ほとんどないはずなのですが」と言うが、「それなら留保しなければいいじゃないの」と言いたくなる。

「いちおう、そんな州があるかもしれないな。具体的には、いちいち州法をひもといてはみないけど、連邦国家だから原則保留でいこうということなのか」と聞くと、「調査中です」とのことだった。変な話じゃありませんか。国際組織犯罪対策条約をリードしたアメリカが、批准の際に留保した理由が「よくわからない」のに、「日本は絶対に条約を留保できません」と言い続けたのはなぜなのか。

ちなみに外務省も法務省も「アメリカが留保」は知っていたそうだ。直接的な質問がなかったので、国会では答弁しなかったそうだ。共謀罪には謎が多い。丹念に謎解きを続けていきたい。

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