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昨日の衆議院予算委員会15分の質疑のテープ起こしが出来た。正式な議事録は後日、衆議院のホームページにアップされるが、総力をあげて追及してきた「深刻な事態にある旧台帳問題の重要性」を舛添厚生労働大臣・福田総理が認めたことで、一気に「年金記録問題」の政府の解決すべきメニューに登録されたと考えていいだろう。ちょっと長いがパネルを提示しながらやりとりをした予算委員会の様子を是非読んでいただきたい。

○保坂:社民党の保坂展人です。今、「つなぎ法案」というふうに言われていますけれども、議論の入り口というより、玄関の手前で強引、力ずくというのはやめていただきたい。同じつなぐのなら、「年金記録をつなぐ」ということに総力を挙げていただきたいということで、年金の話をします。



福田総理、ちょっと基本認識を伺います。こちらをごらんいただけますか。安倍内閣、そして福田内閣も、5,000万件のオンライン上の記録の問題、そしてオンラインに入っていない1,430万件の記録の問題、総理、ごらんになってください。簡単に言えば、こちらを何とかしますということで今やっておられる。

我々ずっと指摘してきたのは、この旧台帳でオンラインに入っていると言われている1,365万件、これは当時年金に入っていた人の記録ですから大変大事ですよ。ですから、これをしっかり保管しているのかどうかということについてずっと調査要求してきましたが、この記録は大事だという認識はありますか。総理、一言だけ、認識をお願いします。

○舛添厚生労働大臣:この旧台帳でオンラインに未入力という、1,430万件のことをおっしゃいましたですね。1,36……(保坂)「いえいえ、これが重要かと聞いているんです」と呼ぶ)これはオンライン化しているところでございまして、それで、例えば入力ミスというようなことがあれば、それが今回の一つの問題につながっているわけですから、極めて大事だと思います。

○保坂:最初に、重要かどうかということぐらいは、答弁書、見なくても、これは総理、内閣を挙げてやると言っているわけですから答えてほしいですよ。舛添大臣に続けてお聞きをしていきます。

我々、質問主意書を出したり、いろいろヒアリングをして、ついに12月に、民間の倉庫ですね、セキュリティー倉庫に行きました。大臣も1月に行かれたようですね。



そこで見たのは、資料にもつけてありますが、こういった大変不思議な、1番目の箱は1から3,983まで、2番目の箱は9番から10,823番まで、3番目の箱は170から55,905までという、つまり、例えば500番という台帳を捜すためには3箱確認しなきゃいけない、こういう状態なわけですね。これは、もう一枚資料をめくっていただくと、資料として大体こういうぐあいの保管リストがあると。一見すると乱数表のような保管リストですね。舛添大臣、これをごらんになって、率直にどう感じましたか。我々は、こんな状態だったのかと驚きましたよ、これ。

○舛添厚生労働大臣:私も、1月16日でしたか、見てまいりました。これは、基本的に都道府県別に整理をしてあるということで、私も今委員がおっしゃったようなのはチェックしてまいりました。しかし、今委員御指摘のように、大体順番どおりに、番号順には並んでいるにしても、欠落しているのがあったり、特に問題なのは、ぱっと引き出してみて、もとのところに戻さないで別の箱に入れちゃうというようなことがありましたので、これは早急に、配列の仕方を含めて見直すように検討してきたところでございます。

○保坂委員:これは、野党で6月にこの倉庫まで行ったんですね。ところが、当時の社保庁長官、村瀬さんですかの指示で、野党だけではだめだ、この倉庫は見せられないといって追い返されたという非常に不愉快な経験をしました。しかし、この中を見て、今大臣も言われたように、番号が欠けている、そして順列どおりになっていないということですね。



とすると、実は、11月に、この年金倉庫に、平成18年から19年にかけて、約2,700件、ありますか、この年金台帳ありますかという照会をかけたら、半分しかなかったと。ちょうど50%しかありませんでしたというデータが社会保険庁から出てきて、厚生労働委員会で大臣とも議論しましたが、これはひょっとすると、なかったんではなくて、あったけれども捜し出せなかった、そういう可能性はないですか。

○坂野社会保険庁長官:索出が不能であったというもののケースは、確かにいろいろなケースがあり得ると思いますが、その具体的な内容については、私ども、少しサンプルでも調べてみたいというふうに思って、今準備を進めておるわけですが、確かに、台帳がなかったというものが全くないかというと、それは私は、可能性としては否定できない、そのように思っております。また、仮にあったとして、その捜しに行った箱の中になかったというケースも、全くないかといえば、それも可能性としては否定できないと私は思っております。

○保坂委員:これから今補正予算ですが、予算審議も、本格的に始まっていく。福田総理、聞いてくださいよ。これは重大なんですよ、本当に。あったはずの台帳が未整理なために引き出せなかったとすれば、その人の記録はつながらないんですよ。まさにつなげないんですよ。年金をもらえるはずなのにもらえない、そういう人がいる可能性があるんですね。ですから、舛添大臣、これは政府が責任を持って、状態をきちっと精査して、一体どうなっているのか、あるのかないのか、すぐわかるように整理するべきじゃないですか。

○舛添厚生労働大臣:今、長官もお答えしましたように、突き合わせの要求があって、例えば福岡県と見てみた、しかし、そこにない、だけれども、私がさっき申し上げたように、引っこ抜いてそのまま置いていたところにあるかもしれません。したがって、一番最初にやらないといけないのは、都道府県別にきっちり順番順に並べかえる、この作業でありますので、先ほど申し上げましたように、その作業を早急にして、いやしくも、問い合わせが来る、来たときに、その箱をあけてみて、それがぴっしり順番どおりになっていれば、もうそこになければないわけですから、そのことは確定できますので、これは早急にやらせるように、今、指示を既に出したところであります。

○保坂(展)委員:福田総理、今厚生労働大臣が答えたのは、国民に対する、国会に対する公約と受けとめていいですか。約束ですか。これをしっかり言ってくださいよ。これは厚生労働大臣がただ言っただけで、福田内閣としては知らないよと言われたら困るんですよ。総理、言ってください。

○福田内閣総理大臣:私は、厚生労働大臣と連帯責任を負っておりますから、厚生労働大臣の言ったとおりでございます。記録が行方不明になるとかいったようなことも、これも否定はできないと思います。年金記録というのは、長い間保存されているものですから、件数も膨大でございまして、保存状態また内容もさまざまなことがあると思っております。そして、紙による記録の中には、紙質の劣化ということもあります。それから、戦災などで毀損したということもありますし、また紛失といったようなこと、この可能性もないわけではないんです。

ですから、こういう場合には、その他のいろいろな資料を調べることによって、粘り強く調べてまいるということになります。また仮に、記録確認を行う中で、社会保険庁側に記録がないということが判明した場合でも、年金記録確認第三者委員会において、国民の立場に立って申し立てを十分に酌み取って、そして、さまざまな関連資料を検討するということによりまして、記録訂正に関して公正な判断を行うというように今やっておるところでございまして、国民の皆様に不利益が生じないように対応したいと思っております。

○保坂:最初に聞いた、総理、こちらの方、1,365万件についても、これは厚生労働大臣が言ったように、ちゃんとやりますということで受けとめました。

社保庁長官に伺いたいんですけれども、こちらの1,430万件の方は紙台帳を捨てたというふうに言っているんですね、そうでしょう。よろしいですか、長官、聞こえますか。捨てたのは平成11年度なんですよ。1999年度ですね。ところが、この倉庫と契約したのは平成9年なんです。おわかりですか。そうすると、3,119万枚の膨大な量の紙台帳をこの倉庫に運んだ。運んで、この中から、皆さん、これを抜き出せますか、1,754万件を。これは、一回その民間倉庫に運んで、社会保険業務センターの職員が立ち会ったにしても、本当にそこで捨てたんですか。これは事実を確認できますか。これは予告してありますからね、きのう。はっきり答えてください。大変なことですよ、これ。3,200近く運んで、半分近く、こんな未整理な状態から、どうやって捨てるんですか。

○坂野社会保険庁長官:私どもが持っております記録によりますれば、マイクロフィルム化をした1,754万件、これはマイクロフィルム化をしたことに伴い廃棄をしておる、そのように私どもは承知を……(保坂「どこで廃棄したんですか」と呼ぶ)社会保険庁が廃棄をいたしておるわけでございます。(保坂「だから、どこで」と呼ぶ)場所でございますか。(保坂「そうですよ、それが質問ですよ」と呼ぶ)私どもとしては、マイクロフィルム化をするために台帳を持ち出し、マイクロフィルム化をして、その作業が終わったものは廃棄をしていったというふうに承知をしております。

○保坂:舛添大臣、もう長官の言うとおりにやっていたらだめですから、これ。11年に廃棄したということは社保庁から聞いているんです。きのうも確かめているんですよ。つまり、11年なんです、つい最近なんです、廃棄したのは。マイクロフィルムに撮った台帳、最近なんですよ。

その2年前にワンビシアーカイブズに運んでいるわけですよ。そしたら、そこでどうやってより分けたのかなというのが非常に不思議。捨てていけないものを捨ててしまって、捨てるはずのものをとっていたなんということもあるかもしれないんですよ。これはちゃんと調査させてください。

○舛添厚生労働大臣:9年前の話ですから、ちょっとこの経過がどういうふうになっているか、今、9年と11年と2つの年をおっしゃいましたので、事実関係について調べてみたいと思います。

○保坂:舛添大臣、続けてなんですが、この旧台帳と言われる今70歳以上の人たちの記録は、一応、念のためとっておくという位置づけだったかもしれないんです、当初は。ただ、5,000万件の問題が出てきた。そして、この旧台帳の人たちのオンラインのデータは、ここが重要なんですね、事業所名が全部入っていないんですよ。事業所名は、当時、整理番号がなかったので、事業所名はないんですね。したがって、これから残っている5,000万件の続きをやる、それからいろいろな作業をやるに当たって、極めて重要なんですね。これは、舛添大臣、本当にオンラインに入っていますか。何回もヒアリングして、はっきりした答えが出ない。では、100でも200でも300でも引き取ってみて、サンプリングで当ててみようと言うと、いや、それはできないと言うんですね。これは最優先して、オンラインに入っているのかどうか、どういう状態か、舛添大臣がしっかり調査するという答弁が欲しいですね。

○坂野社会保険庁長官:今御指摘のように、旧台帳の記録を電子データ化した際に、昭和37年ごろからやっておるわけですが、当時の技術的な事情から、事業所名、当時は台帳には漢字で書いてありますが、そのままそれを入れる方法がなかったがために、事業所の番号、そういうものを入れていない記録が一部ある、これはそういう事実が判明をしておるわけでございます。ただ、これも、最終的には旧台帳に当たれば事業所の登録がわかるわけでございまして、そういうものはきちんとそういう手段で事業所名等を追求していくことは可能だと考えております。また、これも繰り返し答弁を申し上げておりますが、1,365万件については、基本的にはオンラインに収録されているものと私どもは考えているわけでございます。

○逢沢委員長:時間が来ておりますので、まとめの発言に入ってください。

○保坂:一問だけ。舛添大臣、この倉庫は問題ないから任せておいてくださいと言って今まで我々を追い払ってきたんですよ、社保庁は。だから、今の長官の言葉をそのまま信じないで、ちゃんとあなたのリーダーシップで調べてくださいよ。それだけ、しっかり答えて。

○舛添国務大臣:先ほど申し上げましたように、1月16日に私がみずから視察しました。問題があります。したがって、直ちに是正せよ、そういう命令を下しました。これは大臣の決定ですから、庁を挙げて今それに取り組んでいるところであります。

(この質疑は保坂展人事務所作成のものです。正式な議事録は、後日、衆議院hpで)


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