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世田谷区のhpに掲載されている7月5日に実施した「記者会見」の概要を転載しておきます。2週間に1度の記者会見もだんだん定着してきました。「節電と電力使用量の開示」についてふれています。

〔引用開始〕

7月5日(火)、保坂展人(ほさかのぶと)区長が記者会見を行いました。発言の要旨は以下のとおりです。

 皆さんこんにちは。それでは、定例の記者会見を始めます。

 今日、待っていた放射線モニターの機器が到着しました。京都にある機器の製造元から出てきてもらい、放射線測定を担当する世田谷区役所の職員約20人を対象に、機器の扱い方の講習会をしていただきました。私も実際に触って、機器の使用方法について講習を受けたので、明日、区役所の駐車場を実際に計測してみようと思っています。なお、明日は世田谷区内のあらかじめ決めてある学校、幼稚園、保育園等12ヵ所を計測して、その後、2台ある機器の1台を教育委員会に、もう1台を子ども部に渡し、学校と保育園のそれぞれ希望があるところにまわしていくということになっています。結果として、相当数の学校や保育園での計測が実施されるものと思います。なお、東京都から貸与を受けた簡易な機器で計測している数値も、今週からホームページに載せています。この放射線測定については、機器がなかなか入らなかったということで少し遅れてしまいましたが、明日から実施します。

 世田谷区としても節電ということで、区役所の照明を消したり、エレベーターを止めたりして、15%という目標値を達成すべく取り組んでおります。また、6月25日からは緑のカーテンを第1庁舎の東側に設置しました。ゴーヤは南相馬市から購入したもので、そのほかに朝顔やフウセンカズラなどを植えています。また、保育園やまちづくりセンターなど56ヵ所にゴーヤの苗を配りました。

 ここで、皆さんにも関心を持っていただいた「節電に対する情報開示」の件についてご報告をしたいと思います。私が東京電力渋谷支社に1度行き、東京電力から区役所に2度来てもらい、そしてまた先週私が東京電力に出向いて、最終的に今、世田谷区のホームページに昨日の23区内の電力使用量の実績値が公表されています。世田谷区のホームページになぜ東京23区の電力使用量実績値なのか?ということですが、本来は世田谷区内、あるいはそれに準じたもっと小さい単位での電力需給のデータを区民に開示して、節電に主体的に参加していただくということを目標にやりとりをしてきました。しかし、東京電力の回答は今のところ、前の日の分の実際に使った数値をお届けするのが最大限度ですというものでした。23区のエリアならば、東京電力管内の全エリアよりはいくらか絞られているので、これについて掲示しましょうということで、昨日からホームページに載せているわけです。なお、本来であれば、今この瞬間の電力の需要を23区という区切りであっても把握することが望ましいのです。実は、23区の今この瞬間の電力使用量というのは簡単に表示されています。表示されていますが、それをパソコンに打ち込んで外に出す人手がないということで難しいというお返事でした。大変残念ですが、節電の夏で、電力の制限がある中でのスタートですので、このことについては、これからも東京電力とやりとりをしていきたいと思います。

 先日、23区の区長会で、独立行政法人の科学技術振興機構の中にある低炭素社会戦略センターの講演がありました。講演の内容は、「電力需要が逼迫してきた時に、こちらのセンターから自治体に警報を出すので、その警報を受けたら区民に周知をしていただく仕組みに参加してください」というプレゼンテーションでした。そして、このセンターと2度ほど連絡を取ったところ、このセンターもいろいろ苦慮して電力の予想をたてて警報を出すシステムを組んできたわけですが、世田谷区が公表している23区の昨日の電力消費の実績値はシミュレーションではなく現実のものなので、これもぜひ活用していきたいということでした。もう一つ、リアルタイムのデータが簡単に把握できるのであれば、それも使いたいということでした。私としては、低炭素社会戦略センターのこの節電に関するメールを区民に送達するということも、今後情報交換しながらぜひ協力してやっていきますというお話をしています。このシステムを組んだ方もやはり、世田谷エリアに限った情報も出るはずではないかとおっしゃっていました。これは水掛け論になってしまうので今日は触れませんが、いずれにしても、電力需給が逼迫したこの夏をどう乗り越えるのかということに関して、この情報開示は大変重要だと思います。

 

 今日の区からの発表のテーマは4つに分けています。一つは熱中症対策です。熱中症対策についていろいろ考えてきましたが、皆さんご案内のとおり、今年の夏の節電というのは、オイルショックの時のいわば「総使用量を全部削れ」という類のものではなく、一番ピークのところを削ることが求められているのですよ、ということを区のおしらせなどで区民にも周知しています。つまり、逆に言えば、夜から朝にかけては余裕があるということです。東京電力でも、各町会に「夜は大丈夫です」ということをアナウンスしていると聞いています。そういう情報も積極的に出していくということと、区役所や区の施設、まちづくりセンター、高齢者施設、区民センターなどに「ひとときお休み処」という名前でわかりやすく掲示して、節電による影響を受けやすいと思われる高齢の方や小さいお子さんをお持ちの方に、そこでひとときを過ごしていただき、給水器で水などを提供する、あるいは少し具合が悪い方に保冷剤の提供するような取り組みを開始します。

 続いて、世田谷区放射能問題庁内連絡会議というものをつくったことについてご報告します。先ほど放射線のモニターの話から入りましたので一部重複してしまいますが、これまで区では、プールの水や学校給食の牛乳の放射性物質の測定などに取り組んできました。明日からの一斉の測定なども始めていきます。これは学校の問題でもあり、保育所の問題でもあり、保健所の問題でもあるので、全庁的に総合的に取り組む体制が必要だということで、6月27日に私自身が座長になって発足しました。

 3番目にふるさと区民まつりです。今年第34回を迎えました。今回は被災直後なので、例年より少し時間を縮めた形(午後8時終了)で実施することにしました。被災地支援の物産展を核にしていくということと、8月6日土曜日の夕方のアリーナステージで、世田谷区の支援金のテーマでもある「心ひとつにして」をテーマに、日野皓正さんが指導する区内の中学生で結成するドリームジャズバンドの演奏、そして茨城県の鹿嶋市、福島県郡山市、同じく南相馬市の子どもたちのそれぞれによる合唱が行われます。当日は、ボーカルグループ「サーカス」のメンバーである原順子さんと叶央介さんで結成する「J&O」も参加して、世田谷の子どもたち、そして地震や津波の被害をこうむった被災地の子どもたちと一緒にステージをつくっていきたいと考えています。翌日7日は、サンプラザ中野くんが復興支援ライブを行う予定です。これが、6月から始めた被災地支援活動の一つのヤマかなと思っています。

 今年、たまがわ花火大会を警備の事情や電車の増発などの輸送手段の確保が難しいという事情でやむなく中止としましたが、花火大会を予定していた日に「東日本大震災復興支援 世田谷の集い」という催しを行います。「『心ひとつにして』~がんばろう東北・北関東 とどけよう世田谷の熱い想い!~」というテーマで行います。8月20日の夕方、二子玉川の緑地運動場で世田谷の子どもたちが被災地に向けて書いたメッセージや詩を朗読したりして、そしてそこにアーティストの方にも参加していただきながら静かに盛り上げていきたいと考えています。俳優で歌手の中村雅俊さんに出演していただきます。中村さんは宮城県女川町の出身で、世田谷在住ということです。そしてまた女川の被災直後に、同町の復興連絡協議会のメンバーにもなられているということで、世田谷と被災地をつなぐ橋渡しの役割をしていただきたいと思っています。花火とはまったく違いますが、暗くなってきたらキャンドルを点灯し、今年は歌で東北の被災に対して祈りを捧げ、同時に復興へのエネルギーを呼び起こすという催しを行う予定です。

 もう一つお知らせです。7月29日に、本年で6回目となる世田谷区教育フォーラムを開催します。これは全国へ世田谷の教育の取り組みを発信するために行っています。これまで教育委員会で取り組んできた「世田谷9年教育」の取り組みを踏まえ、今回の東日本の震災でクローズアップされた地域の防災や絆の大切さなども訴えていきます。今回は7月29日の朝の9時からお昼までということで、基調講演は国立天文台情報センターの渡辺潤一さんにお願いする予定です。今日の発表は以上です。

 次回の記者会見は7月29日(金)の午後3時からを予定しています。

〔引用終了〕 



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