TOP PAGE BLOG ENGLISH CONTACT




 台風が近づいてきているために、断続的に強い雨が降っている。大雨の影響で、東北の被災地がさらなる被害を受けないことを祈りながら、こうして書いている。就任して1カ月の間に、被災地・被災者支援の強化にもささやかな努力をした。来月には、被災地から世田谷区が提供した住宅にお住まいの皆さんに会い、お話しを聞く機会をつくると共に、臨時の区政相談の場を設ける。受け入れ住宅の戸数を第2次分として増加させる。また、区民の皆さんには貸家・貸アパートの無償か低廉な賃料での提供を呼びかける。区職員の中長期派遣に向けた準備を始め、被災地支援の物産展なども企画する。起きている大きく広範囲な被害に対して、やれることは限りがある。区の行政には限りがあっても、すでに被災地に何度も入っているボランティア団体やグループとも幅広く連携して、息長い動きにしていきたい。

 原発事故の影響等にともなう節電対策について、世田谷区でも15%の削減のために、すでに「電力不足に対する御協力をお願いします」とHPで示している。この数週間、この夏の時期に、スマートメーター等の実証実験が出来ないかと下調べをしていた。各家庭や事業所に、リアルタイムの電力使用量をパソコン等の端末で表示し、電力使用の調整をしてもらうというものだ。

 目に見えない電力消費量について、真夏の消費量が上昇する時に漠然とした「心がけ」で対応するのではなくて、何らかの数値上の根拠を持って判断をするような仕組みを導入し、広報が出来たらいいのではないかと考えたからだ。「政府や東京電力が要請するから協力しましょう」という受け身ではなく、この夏の節電対策に繰り組む中で、中長期的な電力需要の抑制にむけた試みを広げたいと思っている。

 東京電力のHPを見ると、「電力の使用状況グラフ」が表示されている。これは、「当社サービスエリア内」とあるので東京電力管内のものなのだろう。このグラフを見ていて、エリア内の「総使用状況」ではなくて、リアルタイムに世田谷区内の電力使用情報が公開されれば、その数値をHP等で公開し、区民と共有しながらコントロール出来るのではないかと考えた。心配される真夏の電力需要のピーク時に、「供給量の限界」に向かう電力使用状況を把握出来れば、区民への節電を呼びかけるメール配信やその他の方法で実態に応じた節電要請をすることも出来るようになる。

 現在は、東京電力のサービスエリア内の時間ごとの使用量が公開されているものの、細かいエリア別の情報はどこにもない。東京電力の「節電要請」に積極的に応じるためにも、よりきめ細かい情報を提供してもらうことで効果的に電力需要をコントロール出来るのではないか。一方、計画停電時には、細やかな区分けが発表された。東京電力の配電網が行政区と一致していないことは判るが、例えば隣接他区も含む世田谷区全体の電力消費量を開示する方法でもいい。

 早速、明日の午前中に東京電力の支社を訪ねて、「区内消費電力の情報開示」を求めることにした。「世田谷区」及び「世田谷区各地区」の電力消費量のリアルタイムの開示、またセクター別、契約別の消費電力のリアルタイムの開示を要望したい。さらに、過去分でも、年間を通してどのような消費電力の変動があったのか、世田谷区内の電力供給の配電網等システムについても、開示を求めたい。こうした開示情報をふまえて、スマートメーターなど省エネに向けた先端技術の取り入れを促す施策の導入について検討を始めたい。そのためには、各家庭、事業所の電気メーターを所有する東京電力の積極的な協力が不可欠だと思う。

 本当にいつ、どこで、どのくらい節電する必要があるのかを開示してもらわないと、世田谷区や区内の住民や事業者に協力をもとめることは出来ない。区内の正確な電力消費量が開示されれば、事業者・区民の協力によって消費量を賢くコントロールすることが出来るはずだ。電力消費量の全体像が見えないのに、とにかく「節電」というシグナルだけを出し続けることで、猛暑日の熱中症等の被害が出てくることも心配だ。本来なら容易に超えられるハードルも、情報が乏しければ混乱も起きやすい。ピーク時間帯に、区で涼しい環境を保てる場所を表示して、コミュニティ再生につなげることも出来る。もちろん、世田谷で可能なら他の自治体に拡げてもらったら、より効果的だろう。

 原発事故の情報も、公開とはほど遠い状況で2カ月が過ぎた。東京電力には、せめて節電のための情報公開に前向きな回答を期待している。



 



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 初登庁から1... 世田谷区の「... »