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 脱線大破した車両には、ふたりの運転士が乗客とともに乗っていた。にもかかわらず、上司に連絡すると「職場へ直行しろ」ということだったので、救助活動はせずに現場を去った。専門の運転士が救助活動の現場にいれば、まったく電車や車両の構造を知らない警察や消防が救助活動する際に、何らかのアドバイスが出来ていたのではないかと予想する。

 天王寺車掌区では社員互助会主催のボウリング大会が、事故当日の午後から「予定通り」開かれた。JR西日本の社員たちは、どんな異変があっても「予定通り」の定時運行に縛られる。時刻表を絶対の神とすることで、日々の職務が成立している。

 しかし、こういうJRの体質を昨日まで褒めちぎっていたのは誰だっただろうか。「民営化されてストもなくなり、サービスも向上した」と。国労組合員に対する人格破壊攻撃は、多数の自殺者を生んで、会社に従属しない人間は、現場から外して草むしりさせる。その暴力性が運転士に対する「日勤教育」のペナルティとして生き残っている。

 ボウリング大会と聞いて、すぐに思い出したのは森総理が「えひめ丸沈没事件」を知りながらゴルフを続けたというあの話だった。テレビや新聞を見て、私たちにボウリング大会を非難し、あきれてみせる資格があるのか――胸に手をあてて考えてみたい。

 こんな時に、こんな行事を続けていいのか――と思ったら、それは正常なアラーム(警告)だ。しっかり言葉にして、周囲に告げよう。それがJR西日本のような「いじめ会社」で処分対象になるのであれば、労働組合が抵抗するべきだ。組合が戦えない職場にするのが、「国鉄民営化」の目的だった。

 事故で人命を失うより、鉄道ストライキの方がずっといい。労働者がモノを言えなくなる職場にこれ以上、生命をゆだねるわけにはいかない。


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