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衆議院議員の資産公開のニュースで、そもそも資産公開の対象が「現金」「普通預金」などを含まないということが話題になっていた。億単位の現金や、多額の残高がある普通預金口座をいくつも持っていたりしても「預金ゼロ」と報告されるのは、制度の不備だと言われる。私は、現金も普通預金も資産公開の対象にすべきだと思う。しかし、それでも抜け道があり、旧タイプの政治家の資産を正確に把握するのは、なかなか難しい。

 小沢一郎幹事長の捜査は終わったが、政治倫理審査会や予算委員会の参考人招致、証人喚問という要求が野党側から出ている。かつての自民党政権では、金銭スキャンダルや疑惑の対象となる政治家が世間の耳目を集めると、「政治倫理審査会」に逃げ込む場合が多かった。私も何度か「密室の審査会」で質問に立ったが、メディアや国民が考えているような「疑惑解明」の機能はこの審査会に与えられていない。

 政治倫理審査会は、まずメディアを排除し、国会の議員の傍聴すら制限して「密室」で行なわれる。これが、予算委員会の参考人招致や証人喚問との違いだ。そして、驚いたことに議事録も公開されない。質問に立った政治倫理審査会委員の私ですら、自分が質問した質疑のやりとりを議事録で見ることが出来ない。正確に言うと、審査会長の判断で数週間後の「閲覧」までは可能とされているが、議事録が外に出ない仕組みは巧妙だ。

「あんなものは何の役にも立たないよ」と、民主党の大物議員が解説してくれた。「いかに疑惑追及から堂々と逃げるかを工夫して俺たちがあの審査会をつくったんだから間違いないよ」とのこと。「政倫審は、疑惑を持たれた議員が自らの潔白を晴らすためにつくられた場だ。疑惑を追及され傷を負うことのないように出来ている」と語る。

 だからまず、メディアを排除することが大事だ。公開の審査となると、テレビ画面で一瞬の表情が「真実の一端」を雄弁に語る場合がある。かつて、「証人喚問」が静止映像で流されていた時期が長かった。私が国会議員として行なった証人喚問は、予算委員会に証人が入り、着席するところまでの映像をTVが追い、それでは始まるというところで衛視が手を大きく振ってカメラを横向きにさせて撮影禁止にして進行した。音声だけでは持たないので、質問する議員の映像は前日に誰もいない予算委員会の質問席から質問をしている光景をあらかじめ撮影して貼り付けていた。

 政治倫理審査会がつくられた時には、疑惑追及の参考人招致や証人喚問で予算審議などが止まってしまうことを避け、「疑惑解明」は別のところで落ち着いて行なおうという議論があった。当時の与野党の話し合いで制度の骨格がつくられていったが、「政治家自らが名誉のために疑惑を自ら晴らす場」という「疑惑解明」とはほど遠い制度設計となってしまった。

 今日、政治倫理審査会の開催が話題になっているが、国会改革の1テーマとして政治倫理審査会を「疑惑解消の駆け込み寺」から、「真相解明と反省の場」に制度改革する必要がある。議員の傍聴を許し、議事録を公開することは最低限の実施要件にすべきではないかと私は思う。今、すぐの議論が間に合わなくても「国会の自浄能力」が高まらなければ、規模の大小を問わず国会議員の金銭問題や疑惑がすべて「刑事捜査」の対象となる事態となる。
これは、決していいことではない。政治倫理審査会が設置されたのも、そんな問題意識からだったが、あまりにもぬるま湯で荒い目のザルのように「通過儀礼」となってしまっているので、偽証罪はなくても「真相解明」と「濡れ衣を晴らす」ことの両方の機能をそなえて、そのやりとりを可視化することが必要ではないか。

 



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