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「20万ガロン」と「80万ガロン」の問題について、衆議院テロ・イラク特別委員会で寺岡正善参考人質疑(秘密会)の議事録がネット上に公開された。えっ、秘密会の議事録が公開されるの? と疑問を持つ向きもあるかもしれない。国会法では、52条で議場から傍聴人を締め出して「秘密会」とすることが出来る。だが、この「秘密会」でも議事録は作成されて、原則公開される。議事録については、同法63条に規定されていて「特に秘密を要するものとして議決」することで非公表とすることも出来る。ただし、11月7日の秘密会は、「私人として暮らしている現在、報道等により多大な影響が出ることを配慮」してのものであって、「寺岡参考人のプライバシーにかかるような質問が出て場合には、その部分を委員長が議事録から削除することもありえると理事会で確認していたが、結果として質問と答弁は、「当時の公務」にかかる問題に終始したので、議事録は公開されたというわけだ。

ちなみに条文を紹介しておく。

国会法[第52条] 2 委員会は、その決議により秘密会とすることができる。

国会法[第63条] 秘密会の記録中、特に秘密を要するものとその院において議決した部分は、これを公表しないことができる。

次に、私の10分間の議事録をお届けしたい。


○保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 当委員会に、月曜日、寺岡参考人、上申書を送られてきましたね。この中に、「提出した供述書以外に申し上げることはございません」、こういうふうに書かれていますね。

 防衛省の中で聞き取り調査をして、そこで事の経緯についてはすべてお話しになったということだと思いますが、そのお話しになった内容の中で、この委員会で明らかにできない秘密はございますか。

○寺岡参考人 まず、防衛省がどういった報告書を書いたかということについて、私……(保坂(展)委員「お話しになった内容」と呼ぶ)私が話した内容ですか。私の話した内容で……(保坂(展)委員「秘密があるか」と呼ぶ)秘密。秘密事項ということですか。(保坂(展)委員「はい」と呼ぶ)秘密事項は、問われてみないとわからないということですが、基本的にはございません。

○保坂(展)委員 今の山口さんのやりとりの中で、統幕議長の記者会見、二十万ガロンという数字が出たときに、記者がざわざわして、どうなんだという質問が飛んで、中断をした、そして、今後どうしようか、どう対応すべきかということでいわば協議をした、その結果、防衛課長であった寺岡課長がやり直せということに至ったというお話をされましたが、そのときに協議をされた、相談をされた方はどういう方ですか。思い出す限り言ってください。

○寺岡参考人 一堂に会して話をしたわけではありません。その際に関連する相談あるいは話し合いをした方は、当時の運用局長、それから、失礼しました、防衛局長、それから官房長も入っていたと思います。それから次官、それから長官もいらっしゃったと思います。ただ、それぞれの方と同じ内容の話ではなかったように思います。

○保坂(展)委員 そして、最終的に、寺岡課長がやれということはだれの指示によるものですか。

○寺岡参考人 そこははっきりと覚えておりません。多分、いや、はっきり覚えておりません。申しわけございません。そういうふうな情勢になっていった、そういうことであります。

○保坂(展)委員 防衛局長ではありませんか。

○寺岡参考人 申しわけございません。記憶が確かではございません。

○保坂(展)委員 もう一つ。そうして記者会見をやり直したものの、質問などを受けて、本当にこれは二十万ガロンなのかなということで、調査を寺岡さん自身がしたのかもしれないと先ほど言われましたね。調査をするとしたら、だれに調査をさせるんですか。どういうルートですか。部下のどの方に、どういうふうな方法で調査をするんですか。

○寺岡参考人 調査を命ずるとすれば、多分私の直属の、重要な問題ですから、直属の部下である班長とかあるいは先任だとか、あるいは艦船の担当者ぐらいになると思います。

○保坂(展)委員 この二十万ガロンが間違いだったということがわかった以降も、官房長官あるいは大臣、そして我が党の今川正美議員も、これは十六日ですか、安全保障委員会で、その二十万ガロンはもしかすると航空機用の使用も可能だったんじゃないかという趣旨の質問をしています。それに対しての応答の資料も、二十万ガロンでいけと。鎮静化したとはいうものの、質問は続いていたわけですね。

 でも、二十万ガロンでいいというふうに、寺岡さんだけの責任範囲でこれをコントロールしていたんですか。今、いわば、この問題は重要だということで、防衛庁の幹部が全部集まって、これは重大だという事態があったんじゃないですか。そこのところは、本当にあなただけの責任で、幹部はみんな知らなかったという説明ですが、本当ですか。

○寺岡参考人 八十万が、二十万の、誤りであったという事実について、防衛省のだれが、防衛省内局のだれが承知していて、海幕のだれが承知しているかという全体については、私はわかりません。

○保坂(展)委員 また戻しますが、それでは、それだけ防衛庁の幹部が集まって、寺岡さんの記者会見が終わった後、さて、どうしようかという相談、協議はなかったんですか。この二十万ガロンが、八十万ガロンに、実は誤記されていた、間違っていたということをめぐって、防衛庁内の、寺岡さんも加わって、この問題はどういうふうに処理をしていこうかという相談や協議の場は本当になかったんですか。これは大事な点なので、正直に答えてください。

○寺岡参考人 ちょっと私も頭の整理のために申し上げますが、五月八日の記者会見のときは、八十万という数字はどこにもなくて、二十万がすべて、真実だったわけです。少なくとも……(保坂(展)委員「その後、わかったんでしょう」と呼ぶ)ええ。それで、そのわかった後ですね。わかった後については、私はどなたにも報告をしておりません。これは偽らざる真実であります。

 ただ、ほかの燃料の実績を収集している海幕の課がカウンターパートの課等に報告することは当然あったんだろうと。まあ、あったかなかったかわかりませんが、そういったルートはあった。その後、内局でその数字が、もしも知り得たとしたらですね、どう取り扱われたかについては、私は承知しておりません。

○保坂(展)委員 ところが、防衛省の報告書は、直接燃料に携わる海幕運用課や海幕需品課の責任には言及していないで、寺岡課長の責任には言及しているんですね。これは不自然じゃないですか。

○寺岡参考人 中間報告の前に、一番最初に何か報告があったということも聞いておりますけれども、少なくともその報告、私は見たことありませんが、それを、内容について若干情報を得た際に、私が一番、供述調書というか答申書ですかね、それを書いた内容とほとんど一緒の内容であって、ほかの部分はほとんど抜けているというか、何も調査されていないような、そういった印象を受けました。

○保坂(展)委員 きょうはもう時間がありませんけれども、これだけ重要な事態だということはもう十分わかって出てこられていると思うんですが、このことが、実は八十万ガロンだと、手書きの文字の話も先ほどありましたけれども、それが寺岡課長一個人の独断でこのことをずうっと封印をしていた、あとの幹部は全く知らない、つまり、個人がこれだけ重大な事実を、寺岡課長限りで全部責任を負う、こういうことでいいんですか。本当は防衛庁組織全体の問題じゃないんですか。ここのところ、今、どう率直に感じていますか。自分が全部、このことについては全責任を負って、自分だけの問題なんですか。

○寺岡参考人 少なくとも私が知り得る範囲というか私の所掌においては、ありていに申し上げれば海幕防衛課の意見としては、そこは私の判断でストップさせたと。私が知り得る部分はそこだけです。

○保坂(展)委員 もう一度。それは御自分の責任ですけれども、全体としての責任は、寺岡さん自身がこの問題をわかりながら言わなかったというところに根本原因があったという報告書なんですよ。それでいいんですか、当事者として。それで終わります。

○寺岡参考人 防衛省から出された報告書については、いわゆる私は作成担当でも何でもございませんので、そこはわかりません。どういった内容が書かれているかについても、私は十分承知しておりません。したがって、どう答えていいかわかりません。

(以上、10分間の質疑・衆議院会議録より]

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