新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

親指を舐める

2018年10月28日 02時30分54秒 | 写真と俳句

 子供の頃から、私は短気だった。

 身体に幾つかの傷があるが、我慢が出来なかったことによって負った傷だ。 

 母親にはその都度諭されたが、短気はおいそれと直るものではなかった。

 母親の言葉に、「腹が立ったら、親指の爪を舐め、その爪が乾くまでものを言うな」というのがあった。母親の知恵だったのか、誰かの知恵だったのか、私は知らない。ことがある度に言い聞かされていた。

 爪が乾くまでには、気持ちが落ち着くということらしかった。

 その後、幾度も腹を立てたが、親指の爪を舐めたことはなかった。常に、指を舐める余裕はなかったのだ。

 間もなく米寿という今、短気とは言えども、怒り方が少し和らいできたと思っている。もちろん、爪は舐めていない。

 一方、詫び言がサマになってきたとも思っているのだが、果たしてどうだろうか。

   詫び言は大仰がよし芋嵐   ひよどり 一平

  (わびごとはおうぎょうがよしいもあらし)

コメント (2)
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