五回目の癌と出会った。しかし、「闘っている!」という感覚はない。
病気をねじ伏せようと思っていないし、やっつけられるという意識もない。癌は同居人だ。
今までも、さほど「闘病」の意識はなかった。決して強がりではない。
現在相対している客人とも、敵として闘ったりせず、同居人として仲良く過ごしたい。
(このあたり、大いに気取っているのですよ)
昨夜は快眠というわけにはいかなかった。
もちろん、病気のせいではなく、まァ、謂わば身から出た悪いクセみたいなもの。
年寄りの冷や水かな?
「えーい、くそっ」と思って公園へ。雪柳の新芽を撮ろうと思ったのだ。
ところが、思わぬところで「いぬふぐり」と出会った。
「オオイヌノフグリ」とは名ばかりのちいさな野草だが、そこで足が止まってしまった。
ほんとにいじらしい花。こんな小さなくせに、茎も花弁も花芯もあるのだから不思議。
30分ほどそこにいて、家路へ。
いつの間にか、いろいろなモノが吹き飛んだ。また頑張れそうだ。
人はこんなことをしながら、老いていくんだね。
でも、傍の人を道連れにしてはいけないぞ。
柔らかに生くるに如かずいぬふぐり ひよどり 一平