hiyamizu's blog

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有川浩『三匹のおっさん』を読む

2012年07月13日 | 読書2

有川浩著『三匹のおっさん』文春文庫、2012年3月、文藝春秋発行、を読んだ。

剣道の達人キヨこと、清田清一は、父から受け継いだ剣道道場には生徒がいなくなり、会社も定年退職。
柔道家で居酒屋「酔いどれ鯨」の元亭主シゲ、重雄の提案は、自分たちで自警団を作ろう、というもの。
もう一人の幼馴染み、機械をいじらせたら無敵の頭脳派、工場経営者ノリ、則夫を加えて、「三匹のおっさん」誕生。
キヨさんの孫の祐希やノリさんの娘の早苗の高校生コンビも手伝って、詐欺に痴漢に動物虐待…身近な悪を成敗。
6話からなる短編集

有川さんがあとがきに続く、文庫版あとがきで、児玉清さんがラジオで本書をともかく好きと褒めてくれて嬉しいと書いている。そして、特別付録でこのラジオの内容が付加されていて、さらに、このラジオ番組を引き継いだ中江有里(年間300冊読むという)が解説を書いている。

初出:「別冊文藝春秋」2008年3月号~2009年1月号、単行本2009年3月



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

有川さんがあとがきに書いているように、「時代劇を現代でやったらどうなるかな」との狙いは当りともかく読ませる物語になっている。気楽に読め、楽しめる。
ただ、あまりに無理してキャラ立たせすぎて、通俗的過ぎて、残り時間そんなにないのだから、いくらなんでももう少し骨のある本を読まないと思ってしまう。

人物は類型的、若者は、祐希と早苗以外はみんなだらしない。やっぱり、年寄はしっかりしてると言われても、「うーん、人によるんじゃない」としか言えないのが哀しい。

登場人物
清田清一(きよかず)剣道の達人。通称キヨ。ゲーセン「エレクトリック・ゾーン」顧問
清田芳江 清一の妻
清田健児 清一の長男、妻は貴子
清田祐希 清一の孫、健児の長男、高校生
立花重雄 柔道の達人、通称シゲ、「酔いどれ鯨」の前店主
立花登美子 重雄の妻
立花康生 重雄の長男、「酔いどれ鯨」の店主、妻は理恵子、娘は奈々
有村則夫 機械に強い無敵の頭脳派、通称ノリ、工場経営、妻を亡くし、娘と二人暮らし
有村早苗 則夫の娘、栄女子高に通う高校生
工藤晃  中学生1年生、カモの飼育係、清一の元道場の生徒
新垣美和 中学生1年生、カモの飼育係
富永潤子 早苗の同級生



有川浩(ありかわ ひろ)の略歴と既読本リスト


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