ひげめがね日記

基本的に自虐的な日記です。自虐ネタが好きな方はお喜びいただけると思います。

していることすべてに意味がある

2011-10-16 05:48:05 | 日記
注)今日の日記はまじめな内容の上、ひげめがね日記では稀有な(笑)感動的内容です。

 gooブログでは初めて書くが、ひげめがねは今年の3月下旬に、長野県医療チームの一員として石巻に行ってきた。その際のことは3月終わりから4月頭にかけてのmixi日記に書いたので、mixi会員の方はこちらからその後4回分くらいの日記をお読みいただければ。

 石巻で感じたことは自分自身の無力さであった。事務員としてできることも少なかったし、融通が利かなかったため、かえって周囲に迷惑をかけた。医療の事務屋の世界では比較的いろいろなことを経験してきた自負はあったが、本当に何もできなかったという思いを胸に長野に帰ってきたことが忘れられない。確かにその経験自体はつらいものであったが、同時に自分の未熟さを再認識した意味では、よい経験をしたとも思った。
 石巻で私がほとんど唯一まともにできたことは、自分たちが担当した避難所(青葉中学校)で診療を受けられた方のカルテ整理くらいであった。あとで探しやすいよう、完璧にあいうえお順に並べ替え、ファイリングしておいた。そこにどれだけの意味があるのかは正直わからなかったが、逆に当時の自分にはそれくらいのことしかできることが思いつかなかったのだ。

 それから時は半年以上たった。昨日、私は長野県診療情報管理懇話会に出席した。石巻赤十字病院の病歴管理係長ある成澤千代さんの講演を聴き、改めて当時の惨状と自分自身の心を痛みを思い出した。この会は、平たく言うとカルテ管理従事者の会なので、そのときの避難所のカルテはどうだったのかきいてみたかったが、話は当然「石巻赤十字病院本体に受診された方のカルテ情報」が中心であり、プレゼンの中では「避難所のカルテ」には1分くらいの時間しか割かれなかった。
「きれいにファイリリングされた避難所のカルテにも手をつけないといけないかと思っていたが、そのカルテは分析のため、国の機関にいったん引き取られた。大量にあったため、さびしい気持ちとほっとした気持ちが同居した」との話であった。
 まあ、とりあえず避難所のカルテも後利用に少しでも役に立ちそうで私もほっとした。

 そして、会議終了後の情報交換会。私は成澤さんとお話をした。

ひげ「実は私も3月末に医療団の一員として貴院にお伺いしたんですよ」
成澤さん「そうなんですか。お疲れ様でした。ひげさんは何の業務をされたんですか?」
ひげ「青葉中学校の避難所担当でした」
成澤さん「そうなんですか!プレゼンに出したあの写真(きれいなファイリングされた避難所のカルテ)は青葉中学校のだったんですよ。こんな風にまとめてある避難所もあるんだ!と感心して、紹介したんです。じゃあ、あれはひげさんのおかげなんですね!」

 その話を聴いて本当に感動した。その後も避難所の診療が続いたわけだから、私たちの後に青葉中学校担当だった医療チームも、同じようにファイリングを続けてくれていたのだ!!

 今まで、「すべてのことに意味がある」ということは概念としては理解していた。しかし、自分が知らないところでも、なしたことが意味を持って動いていることがある、ということを、人生ではじめて体感した。
 自分がこの世に生きていること、そして、この世でしていることにはすべて意味があるのだ。そのことをこれからもずっと肝に銘じていたい。そして、世の中のみんながそれを何らかの形で体感できれば、もっと世の中はよくなるし、自殺は減るだろうな、と思った。
 皆さんも私も、していることすべてに意味があるのですよ!


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