古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

萬屋錦之助の『子連れ狼』を見られる!

2012年02月11日 07時00分48秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
「小高い丘の城跡の、崩れかけた東屋で、その子は父を待っていた。この日の朝には帰るはずの父であった。それが、三つ目の朝となり、四つ目の夜が来て、五つ目の朝が雨だった。 ♪ シトシト ピッチャン シト ピッチャン ……」ナレーションにつづいて子どもの声で歌がながれ、ニヒルで凄惨なドラマが展開する。
 この『子連れ狼』が放映されていた昭和48年頃から5年ほど、ぼくは仕事が猛烈に忙しくて、真夜中までに家に帰れることはまずなかった。それに家にはテレビがなかった。だから世の中に『子連れ狼』の漫画があるとか、それがテレビの時代劇になってずいぶん評判になっているなんて知らなかった。
 ずっとあとになってから、サンテレビなんかで思いついたように夜中に放映される萬屋錦之助の『子連れ狼』を見て、「なんとおもしろい時代劇だろう」と感動した。その後またお昼のサンテレビでときどき『子連れ狼』を放映した。1999年頃にも昼の時間に放映があり、須磨区から西区神出まで畑仕事に行かねばならず、ビデオに録画しておいて夜に見た。
 ところが大五郎役の子どもが大人になり、犯罪を犯したとかで途中で『子連れ狼』の放映がなくなってしまった。サンテレビに「放映してほしい」と電話したり、レンタルはないか・ビデオテープはないか、とちょっとさがしてみたが、ない。アマゾンなどでDVDは売っているようが、かなり高価で、しかも一部分のようだ。今度見るからには全編を、こころゆくまでじっくり見たい。
 と思っていたら新聞に広告が出た。萬屋錦之助の『子連れ狼』DVDの全編が28500円。(日本直販)
 よし! 買おう! 『子連れ狼』は三年にわたって半年間ずつ放映され、全部で70話ちょっとあるようだ。注文の品が届いて、きのうは第一話、きょうは第二話を見た。(最初に放映された第二話は欠番になっているそうだ)おもしろい! 昔の粗い画面で色も冴えないが、話は圧倒的におもしろい。ぐいぐい引き込まれる。
 それに萬屋錦之助の雰囲気がいい。21世紀になってから北大路欣也で『子連れ狼』がテレビドラマになったが全然駄目だった。あれは「冥府魔道」という顔じゃない。(「冥府魔道」とはなんのことかよくわからないそうだが、おどろおどろしい漢字が並んでいかにも子連れ狼の世界にふさわしい雰囲気をもつ言葉だ)北大路では真面目なお奉行の顔しかできない。
 DVDを見るのは我慢して≪一日一話≫だけにしよう。
 それにしても『子連れ狼』のストーリーは骨太でおもしろくできてる。あの「モンテクリスト」のように最初から一挙に引っ張り込んでしまう力がある。そして1973年のテレビ放送から39年もたっているのに画面や物語の展開に古臭さを感じない。後半にはあの阿部頼母も出てくる。≪ ♪ ねんねん さいころ 毒屋の子 毒を飲んだら ねんねしな 寝たら起きずに あの世まで ≫と歌う阿部怪異。演じる金田龍之介。(金田龍之介はこの歌を自分でつくったそうです。歯も抜いたとか。まさに入魂の演技です)鳥肌が立つ。「柳生封回状」や「草」も登場する。あー、ワクワクする。
 見る時間を決めておこう。そうだなー。夕食の片づけをして一日の仕事を全部すませてから。
 
コメント (3)
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