母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

青い空の下で

2023年10月29日 | 

青い空の下で風がそよぎ花が咲く

赤い色は命の色
黄色は裏切りの色
とヒトは言う
何も語らず花は咲き風に揺れる

秋の空は高く青く
野原は眠くなるように平和だ
清涼な空気の中で咲き乱れる花たち
生きる喜びの形と色に溢れる花たち

世界のどこかで
花の匂いも忘れ争う人々
哀しみを痛みを絶望を
この花たちはひそかに知っている

世界中に同じ青い空が広がっている


秋の月 詩人のこころ

2023年10月14日 | 季節

    白 月

      三木 露風

照る月の影みちて
雁がねのさをも見えずよ
吾が思う果ても知らずよ
ただ白し 秋の月夜は

  吹く風の音冴えて
  秋草の虫がすだくぞ
  何やらむ心も泣くぞ
  泣き明かせ 秋の月夜は