母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

鮎はメロンの香りがして

2019年08月14日 | 
鮎はメロンの香りがして
魚でないと訴えるか

川の魚 海の魚
魚は魚の匂いがするが
鮎は山の瀬の水の中で
植物のように生きるのか

川石に付く苔を食べ
冷たい雪解け水や清冽な湧水を飲み
天使のように暮らしているのか

メロンも知らず
苔そよぐ川の中で
鮎は泳いで番って一生を終える

手に取るとやはり鮎はメロンの香りがして
火に焼かれても恨みもいわず
清流に生きたままの姿で消えてゆく

鮎よメロンの香りよ
清流に生きる美しい
魚よ