母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

黒猫びより

2019年11月30日 | 
秋の温もり黒猫びより

胸がときめく猫びより

いきなり走り回るのはなんのため

飽きずに探検するはなんのため

小さな王様は自らパトロール

何を見ても眼が広がり

何を言っても寄ってきて

ヒトの足に纏いつき爪立てる

歯がかゆいと歯を立てる

黒い嵐が襲い来て秋はとっても忙しい

痛くても王様には逆らえない

王様のトイレは家のなか

王様の食卓は居間の中央

王様は偉そうにひげをひくひくお食事する

足りないと召使いのごはんまでも欲しいという

木枯らしの夜は布団に乗り

ちいさな牢名主のように威張っている

北風がそのうち菊もサザンカも散らして冬になり

黒猫はまんまるに肥え脚も伸び

春に外にでかけてゆくのでしょう

暖かい午後の日差しに黒猫は 

天使の顔でねむります

晩秋 陽の耀き黒猫日和