母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

宿場の晩秋

2022年11月18日 | 
秋来れば空高く
水清らかに山深く
旅人の宿りの場
蜜垂れるやわらかき餅をはむ
在りし日の人の往き交うを思ひ
地酒汲み
山の獣の肉を焼き
風の音を近く耳にし
小寒い夜を寝明かす
辺りは漆黒にも空に星
人は皆眠りにつき人恋し 
旅の宿晩秋