静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

乗船実習の裏話6

2018年01月05日 11時18分21秒 | 実習

漁師になるための学校、漁業学園。
こんにちは、園長の青木です。
ホームページはこちらです。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/

新成人のみなさん、おめでとうございます。
学園生も、10年前は中卒者ばかりで成人式とは無縁でした。
今では成人式を終えた生徒も珍しくないので、隔世の感がありますね。

さて乗船実習の方はカツオの一本釣りが始まります。

鳥付の群れを見つけ最初の一本釣りです。
でも釣れたのはシイラが多かったようですね。


群れを探すほかに、群れをおびき寄せる方法もあります。
カツオが流木などに付く習性を利用してブイを流します。
ブイにはGPSがあり、自分の場所を送信するので回収も容易です。
運が良ければ、このブイにカツオの群れがつきます。
今回はダメだったようですね。


別の鳥付の群れをみつけ、学園生も一本釣りを体験できました。

釣り終えた後の表情です。
疲れた顔あり、高揚の顔あり...
初めて本物のカツオを釣り上げて、みんなうれしかったと思います。


学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
1月は見学会を行わない予定です。
ご希望の日を園長にご相談ください。
今月末には願書の受付が始まります。見学はお早めに!

 園長のつぶやき
昨日行われた築地市場のマグロ初セリをテレビで見ました。
405キロの大間産で3645万円だそうです。
キロあたり9万円です。
2013年に222キロ、1億5540万円、キロあたり70万円から、だいぶ落ち着いてきたと言うことでしょうか?
でも、初セリで異常な価格がついているのは最近です。
10年前の2008年の初セリでは276キロで607万2千円。
キロあたり2万2千円でした。

魚の値段が高くなるのは、漁師にとっては良いことです。
漁にかかる経費はずっと上がり続けているのに、魚の値段は何十年も変わっていないからです。

でも、このマグロの初セリで多くの誤解を生んでいる気がします。

まず、初セリでも、こんな高値がつくのはごく一部と言うこと。
買い手側は、マグロの価値ではなく、テレビ放映される宣伝費として資金をつぎ込んでいます。
マスコミで取り上げなくなれば、昔に戻ります。

そして、マスコミの情報から
 マグロを一匹とれば何千万円も稼げる
 マグロは全部、大間のように沿岸で漁師が一人で捕っている
と思う人が出てきます。
実際に、学園に来る人で洗脳?されている人がいます。
正月直前に大型のマグロが捕れなければ高値はつきません。
そしてマグロのほとんどは遠洋のはえ縄漁が捕っています。

マスコミ報道は嘘を言っていません。
ただ、すべてを紹介している訳でもありません。

大間に限っても、経営の苦しい漁師はたくさんいます。
大間沖(津軽海峡)にクロマグロがくるシーズンは限られているので、常にマグロ漁をしていることもありません。

もし、ある若い人が大間でクロマグロを捕る漁師になろうとしても、それも簡単ではありません。
漁協の組合員になるのに何年も掛かるし、自分の漁船を買おうとすれば大金が必要です。

そもそも、漁師の醍醐味は高収入ではないと思います。
自然を相手にして、たくさんの魚を捕る。大漁だった。
これが本来の喜びで、漁師が幸せを実感する時です。

とは言え、漁師として大金を稼ぐことは大間でマグロを捕らなくても可能です。
大型漁船の漁労長(漁船のトップ)にでもなれば、陸上で働くのに比べて数倍の収入となります。
しかも実力次第で誰にでもチャンスはあります。

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