グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

教員対象「ジオパーク研修会」

2017年03月02日 | 火山・ジオパーク
2月26日(日)大島町噴火30周年事業の一環の、教員対象「ジオパーク研修会」が行われ、私はNさんと共にジオガイドとして参加しました。

この日は高校の先生は都合がつかず、小、中学校の先生方20名以上が昼過ぎに、公共駐車場に集合しました。

大島町教育委員会が主催なので、町役場のマイクロバスで移動します。

最初は数10万年前の古い火山を見に“野田浜”へ。


研修会のコーディネーターであるY先生が、地質図を広げて説明しています。


続いて現在活動中の“大島火山”の溶岩が海と接する風景の中を歩きました。


あるラインから溶岩が左右にチューブを巻いて流れたと思われる不思議な風景を前に「これはどうしてできたのか?」の謎解きに挑戦中☺️

正解はわかりませんが、みんなで考えるのは楽しいです。

流れている時の風景を想像するとワクワクします☺️


続いて「碁石浜」と呼ばれるゴロ石の浜へ。

古い火山が波に削られてできた崖を降りました。

大島には溶岩の海岸も砂浜も、丸い石が積み重なる海岸もあります。

ここは、白っぽい石が多いのは何故なのでしょう?
「古いから表面が白くなったのではないか?」という意見に納得しつつも…

たまにツートンカラーもあって、ギモンが再燃します(笑)

そしてこの、海でゴロゴロ転がされて丸くなった石は、昔の暮らしの中で「力比べ」に使われていたとも言われています。

最後の見学先の岡田港に着いてすぐに、その「石」に会いに行きました。

写真右下にあるのが、岡田港出身の力持ちの力士「伝吉」が「頭上高く持ち上げた」と伝えられる石です。

岡田出身のK先生が、伝吉さんのことを、詳しくわかりやすく語ってくれました!
知識だけではない「伝吉さんへの思い」が伝わって、とても面白かったです☺️

1703年の津波被害の後に建てられた龍王神社。
ここの鳥居が小さいのが以前から疑問でしたが、これに対しては…

「岡田の集落は沢を伝って流れた溶岩上にあり土地が少ない。この神社は、小さなスペースを上手に使うため、全体を小さくバランスを整えて、遠くから見ると大きく見えるように工夫されたのではないか?」という専門家の意見を教えてもらいました(みなさん納得していました)

道路脇のお地蔵さんでは、元町出身の先生と岡田出身の先生が、それぞれの地域の「地蔵前での厄落とし」の方法を披露。

「大人の地元自慢」がとても面白く、ぜひもっと本格的に聞きたいと思いました(本気)

岡田港の「暮らしのなかのジオ物語」を辿りながら、最後は八幡神社へ。
ここで、地域に伝わる踊りの師匠でもあるジオガイドのKさんが登場!

実は「お時間があったらぜひ話を聞かせてください」とお願いしてありました。

Kさんにいざなわれ、全員お社の奥へ…


Kさんはそこで「沢を伝って海まで流れた溶岩の上に、集落が作られていった」ということを、自分の経験と文献から(まだ科学的な証明がされていないことは、それを示しながら)語ってくれました。


ちなみに個人のおうちの庭先にあった「力自慢に使った石」は、最近、地域の人たちの手で神社の一角に運ばれたそうです。

地域の人がこうやって、地元の歴史を残すために協力できるって素敵です。

最後に、地元の人しか知らないような裏道を抜け…


トンネルを抜けて…


海へ出ました!

残念ながら満潮で溶岩が隠れていましたが、ここは潮が引くと磯遊びができる場所です。

岡田港を作った溶岩が、海にやや突き出た場所。
昔、伊豆大島に流された「源為朝」は「ここから大島に上陸した」と伝えられています。

ジオと繋がる私たちの暮らしや歴史、そしてダイナミックな火山の風景と、たくさんの謎が楽しかったです。
(いつものごとく、ガイドが楽しんでおります^^;)

参加された若い先生からも「楽しかったね」「楽しかった。知らないことばかりだった」という声が聞かれました☺️

伊豆大島のジオ物語、ぜひ子供達に伝えてください〜☺️

(かな)

コメント
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