A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ハーフコインの花園 第3回~90's UKロックの忘れられた宝石達

2013年03月08日 00時19分29秒 | ロッケンロール万歳!


昨日書いたように1990年代UKロック・シーンである程度の評価と人気を誇った割にはシューゲイザーやマッドチェスターといったムーヴメントに属さないため忘れられているアーティストが存在する。そんな忘却の宝石と言えるUKロックをBOOK-OFF250円コーナーで探してみた。

ジーザス・ジョーンズ
1989年ロンドンから登場したマイク・エドワーズ率いる5人組。テクノ、ハウス、ヒップホップ、ロックをミックスしたデジロックの元祖。91年リリースの2ndアルバム「ダウト」からのシングル「ライト・ヒア、ライト・ナウ」が全米2位の大ヒット、グラミー賞にノミネートされる。しかしシンプルなギターサウンドを旗印とするブリットポップの勃興で彼らのエレクトロビートは時代遅れとして黙殺されてしまった。マイク・エドワーズは布袋寅泰と親交がありお互いのライヴにゲスト出演したり楽曲を提供したりしている。1994年9月「W HEADLINE TOUR TOMOYASU HOTEI VS JESUS JONES」として布袋と共に武道館2daysを含む日本ツアーを果たした。



レヴェラーズ
1988年ブライトンで結成。ヴァイオリン、マンドリン、ディジリデュー等を含むトラッド色濃いフォーク・ロック・サウンドが家を持たず各地を流浪するトラヴェラーと呼ばれる人々の大きな支持を集めた。トラヴェラーは戦争や核、性や人種差別に反対する姿勢を持っており「ケルティック・クラッシュ」と呼ばれたレヴェラーズのパンク・スタイルがその象徴となったのである。レヴェラーズの活動は音楽に留まらず社会現象としてメディアに大きく取り上げられた。当然ながら当局の規制によりトラヴェラー文化が縮小するにつれ影響力を失った。しかし地道に活動を続け現在も良質な音楽を追究している。志を同じくする日本のソウル・フラワー・ユニオンと交流し1994年2マンを含む日本ツアー。「レヴェラーズ」は「水平主義者」の意味でソウル・フラワー・ユニオンの別働隊ソウル・フラワー・モノノケ・サミットの1997年作「レヴァラーズ・チンドン」に使われた(綴りはバンド名:Levellers、水平主義者:Levelersと異なっている)。



ワンダー・スタッフ
1986年バーミンガムで結成された4人組。同郷のポップ・ウィル・イート・イットセルフやネッズ・アトミック・ダストビンに通じるアグレッシヴなギター・サウンドとマイルス・ハントのシニカルな歌でヒットを放った。1991年の3rdアルバム「ネヴァー・ラヴド・エルヴィス」のヴァイオリンを加えた多彩なサウンドが高く評価され20000人キャパのスタジアム・ライヴを売り切りレディングやグラストンベリーのヘッドライナーを務める人気バンドになるが1994年「商業的成功がバンドとしての喜びを奪った」として突如解散表明。マイルス・ハントはヴェント414で活動するも上手く行かず2000年にワンダー・スタッフ再結成。以来ツアー中心に活動、2011年にはレヴェラーズの全英ツアーに同行。今年7thアルバム「Oh No It's... The Wonder Stuff」をリリース。彼らの最大の弱点は音楽的後継者を生まなかったことであろう。孤軍奮闘を絵に描いたような活動には頭が下がるがロック史的には評価の難しい存在である。



トラッシュ・キャン・シナトラズ
スコットランド出身の6人組。1990年のデビュー作「ケーキ」は瑞々しく繊細なサウンドでネオアコ/ギターポップの傑作と評価され人気を博すがブリットポップの流行とは一線を引いた彼らのサウンドはセールス面で苦戦を強いられ1996年3rdアルバム「ハッピー・ポケット」発表後には所属レーベルの閉鎖により契約が消失、バンド崩壊の危機に陥るがファンの熱い支持で持ちこたえ現在も活動を続ける。フジロックで2度来日。ネオアコ人気の高い日本ではザ・スミス、アズテック・カメラ、ペイル・ファウンテンズ、プレファブ・スプラウト、モノクローム・セットなどの系譜に繋がる存在と認知されているのが救い。



シャンプー
ロンドンのコギャル(死語)デュオで本国よりも日本での人気が高くBig In Japanの典型と言われる。マニック・ストリート・プリーチャーズの追っかけだったジャッキーとキャリーがセント・エティエンヌのボブ・スタンリーに見初められデビュー。「ディスコ・セックス・ピストルズ」と呼ばれたデジパンク・サウンドと不良少女ファッション、生意気でハチャメチャなキャラで話題になる。1994年「トラブル」が全英11位ヒット、テレビ番組でのパフォーマンスがセンセーションを巻き起こし時代の寵児に。メインストリームとオルタナティヴ両方面から支持を集めた。コギャル全盛の日本で風俗現象として大々的に取り上げられ、テレビ戦隊「パワーレンジャー」やアンジェリーナ・ジョリー主演映画のサントラで使われ大ヒットになる。本国ではすぐに飽きられ人気が急降下するが日本では持ちこたえ独自編集盤や写真集が発売された。2000年解散後のふたりの行方は定かではない。



一発屋アイドルのイメージが強いがパフィーのヒントとなったことは間違いないし2000年代はじめに世界的人気を博したロシアのお騒がせ女性デュオt.A.T.u.の先輩格でもある。2009年VAMPSが「トラブル」をカバーしてリバイバル・ヒットさせた。



UKロック
忘れちゃいけない
功労者

デジタルVSアコースティックと両極端なのが興味深い。
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