A Challenge To Fate

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『ファイアー・ミュージック~フリー・ジャズ革命の歴史』の監督が選ぶフリージャズTOP20

2015年08月19日 02時05分15秒 | 素晴らしき変態音楽


製作中のフリージャズ・ドキュメンタリー映画『ファイアー・ミュージック~フリー・ジャズ革命の歴史/FIRE MUSIC : a history of free jazz revolution』の監督トム・サーガルの選んだフリージャズ・アルバムTOP 20
The Free Jazz Collective 8/16 インタビューに掲載/アーティスト名のアルファベット順/何故か5が二つあり、全21点になっている

1 ) アルバート・アイラー『ベルズ』(1965)


アルバートの最もエモーショナルなブローを捕えた片面ライヴ・アルバム。アイラー得意のアンセム風テーマが炎熱のソロで中断され、広大な即興アンサンブルに突入する。電気エネルギーを放射するアルバム。

2 ) BAG(ブラック・アーティスツ・グループ)『イン・パリス、アリエ1973』 (1973)


セントルイスのアンサンブルの古典的リリース。中西部フリージャズの特徴がすべて詰まった濃厚な一枚。重厚高密度なブローと静かな希薄セクションが対比され、エキゾチックな様々なパーカッションの過剰な投薬があまねく染みわたる。効能はミステリアス。

3 ) ガトー・バルビエリ『イン・サーチ・オブ・ザ・ミステリー』(1967)


アルゼンチンから移植されたバルビエリはこの処女作でシーンに噴火した。強烈でひび割れたトーンを武器に、ガトーは情熱的なラテン気質をニューヨークのエネルギーに融合し、自らのシグネチャー・サウンドを生み出した。

4 ) アンソニー・ブラクストン『フォー・アルト』(1969)


無伴奏アルトサックスの大胆不敵な4つ断面。現代音楽に於けるサクソフォンの役割の概念への挑戦。赤裸々で超絶で強力。

5 ) ペーター・ブロッツマン『マシン・ガン』(1968)


全ヨーロッパの主要前衛演奏の頂点の初期録音。ドイツ、オランダ、ベルギー、イギリス各国から集まった面々が、信じられないほど剥き出しの攻撃性の創出に加担した。ハン・ベニンクが私に語ったところによると、レコーディングは真夜中に燃料庫のような場所で行われ、その状況がミュージシャン全員の炎を燃えあがらせたという。

5 ) ビル・ディクソン『インテンツ・アンド・パーパシズ』(1967)


「ジャズの10月革命」の首謀者のディクソンは、この影響力の強い作品で、ニュー・シングの第三の波を結合した。チェロ、フルート、イングリッシュ・ホルン、クラリネットを含む独創的な楽器編成。繊細から放逸までダイナミックな幅を持つ心を揺さぶる構造的楽曲。

6 )ドン・チェリー『ホエア・イズ・ブルックリン?』(1969)


本質的にはオーネット抜きのオーネット・コールマン・カルテット(しかしオーネットはライナーノーツを書いている)。ファラオ・サンダースが強力にブローし、彼のラフで全てを蹴散らすトーンは、ドン・チェリーと仲間たちのドン・キホーテ風の演奏への完璧な賛辞となっている。

7) ジョン・コルトレーン&ラシッド・アリ『インターステラー・スペース(惑星空間)』(1974)


最大主義の権化コルトレーンがあられもなく裸になり、共演する若きラシッドがあっちこっちへ撹乱する。間違いなく今まで録音された最高のデュエット・アルバム。

8 ) エリック・ドルフィー『アウト・トゥ・ランチ』(1964)


マルチ楽器奏者エリック・ドルフィーの5曲のオリジナルからなる決定的一枚。他にはないフリー・バップ・スタイルの最高峰。フレディ・ハバード、ボビー・八ッチャーソン、リチャード・デイヴィス、トニー・ウィリアムスからなるオール・スター・アンサンブル。

9 ) ミルフォード・グレイヴス・フィーチャリング・ドン・ピューレン『ノンモ』(1967)


ニューヨーク前衛シーンの最高の猛者による不朽のデュオ。音楽は最大密度だが、空間の空気感を保っている。ミルフォードはメロディックな独創性を発揮し、ピューレンはパーカッシヴなアタックを貫き通す。

10 ) ノア・ハワード『ブラック・アーク』(1972)


ハワードの明白な作曲技能と、常にタイトでリズミックに交歓するサックス・ソロの咽び泣きを際立たせるスリリングな作品。

11 ) フランク・ロウ『ブラック・ビーイング』(1973)


究極、歴史的、容赦なし。ロウとジョセフ・ジャーマンが直観的な強度で燃え上がり、逆上したラシッド・アリがポリリズムの嵐を突き崩す。

12 ) エヴァン・パーカー、デレク・ベイリー、ハン・ベニンク『トポグラフィー・オブ・ザ・ラングス』(1970)


英国アヴァンギャルドを先導する二人の光と、オランダの名パーカッション奏者が一堂に会しただけで歴史に残る出来事と言える。エヴァンとデレクがアグレッシヴに描く点描画は、ハンの痙攣する乱打と完璧にシンクロする。荒ぶったサウンドの熱狂的な爆発は、ドラマティックなストップ/スタートで切断され、その瞬間の静けさがもっともラウドに鳴り響く。

13 ) ファラオ・サンダース『ターヒッド』(1967)


たくさんのベル、バラフォン、その他のエキゾチックな種々のパーカッションに満ちたミステリアスな傑作。ファラオのトレードマークのエスニック・サウンドと奔放な多重調性のブレンドの最良の例。

14 )アーチー・シェップ『ライヴ・アット・ドナウエッシンゲン』(1967)


シェップが最高に燃え上がった瞬間を捉えたライヴ録音。当時亡くなったばかりのジョン・コルトレーンに捧げる「ワン・フォー・ジョン」という長いトラックで構成されている。ロズウェル・ラッドとグラッチェン・モンカーの二管のトロンボーンが、演奏にデキシーランドの葬送行進の狂騒を与えている。

15) ソニー・(ヒューイ・)シモンズ『バーニング・スピリッツ』(1971)


セシル・マクビーとリチャード・デイヴィスによるこれまで録音された中で最も素晴らしいツイン・ベースを含むドライヴするセクステットにより、ソニーの鋭く叙情的なスタイルが最大限に拡大されている。

16) サン・ラ『アストロ・ブラック』(1973)


土星生まれと称する神秘的な導師サン・ラが、慟哭するホーン、別世界のシンセサイザー、突進するパーカッション、精神変革音楽の銀河間空間シチューにミックスする。

17)ホレス・タプスコット『ザ・ジャイアント・イズ・アウェイクンド』(1969)


タプスコットは、犯罪的に過小評価されるロサンゼルスのアヴァンギャルド集団、ニューヨークへ移り有名になる前、エリック・ドルフィーとオーネット・コールマンが属していた、の重要人物。このアルバムはタプスコットの無骨な作曲形式と映画的なアレンジの粋を極めた好例である。また、アーサー・ブライスの初めてのレコーディング作品でもある。

18 )セシル・テイラー『ユニット・ストラクチャーズ』(1966)


セシルが最もパーカッシヴに爆発し、ダブルのサックス、ダブルのベース、そしてドラムからなるラージ・アンサンブルに駆り立てられて、セシル史上が最もパーカッシヴに爆発した作品。どの曲も複雑なテーマを有しており、小規模な組曲を成している。

19 )ジョン・チカイ『アフロディシアカ』(1969)


コンゴ系デンマーク人のチカイが、ニューヨークでの有名な倹約生活からヨーロッパへ戻って録音した重量級の作品。巨大なタイトル曲を創造するのに26人のミュージシャンが雇われ、ティンパニ、オルガン、バラフォン、オフィクレイド、グロッケンシュピールを含む幅広い楽器を奏でた。一種のオーケストラと破天荒な即興セクションを融合する偉大な芸術性の深淵。

20 ) フランク・ライト・トリオ『フランク・ライト・トリオ』(1966)


善良なる導師ライトが、常に抜きん出て独創的なヘンリー・グライムスをベースに迎えて、トレードマークのソウルフルな凶暴性を前面に打ち出した。

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【朗報】サーストン・ムーア等がフリー・ジャズのドキュメンタリー映画を製作中。支援者募集も。

フリージャズ
映画で観たら
シビレそう

Billy Bang Quintet - Live at the Knitting Factory
Performed at the Knitting Factory in New York City on October 1, 2000.


Billy Bang - Violin
Ahmed Abdullah - Trumpet
Frank Lowe - Tenor Saxophone
William Parker - Bass
Abbey Rader - Drums
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