英国音楽/VINYL JAPAN 27th anniversary GIGS
USA Top Psychedelic/Garage Band
THE ELECTRIC PRUNES
w/KINOCO HOTEL
1981年2月大学受験で訪れた京都で、試験帰りに十字屋でTHE SEEDSの『FUTURE』というLPを買った。帰りの新幹線では全くダメだった試験のことはすっかり忘れて、レコードジャケットに魅入って聴くのが楽しみでワクワクしていたことを覚えている。結局春が遠かった京都の土産が60年代ガレージバンドだったのは何故か。その1年程前に吉祥寺の中古レコード屋でパティ・スミスのギタリストが編集したパンクコンピとコメントされたレコードを見つけ試聴した。ビリビリした電子音に導かれ流れ出したマイナー調の歌に即座に感電し「コレだ!」と啓示を受けた。それ以来『NUGGETS』と題されたこの2枚組LPに収録された60年代ガレージバンドのレコードを探す旅路が始まった。THE SEEDSは中でも特に気に入ったバンドだったので、京都で見つけて大喜びした訳だ。
そんな巡礼の旅のきっかけになったのが筆者を一瞬で虜にした『NEGGETS』のオープニングナンバー「I Had Too Much To Dream Last Night(邦題:今夜は眠れない)」のエレクトリック・プルーンズだった。当時ワーナーパイオニアの「青春秘蔵盤」シリーズで再発された1st LP『The Electric Prunes(邦題:今夜は眠れない)』を聴いて、期待通りのファズ度高めの泣きのメロディーに心酔した。彼らは「活動中にメンバーが総入れ替えになった不幸なバンド」とニッチに紹介されることが多い。ロサンゼルスのローカルタウンのガレージバンドが、時流に乗って全米ヒットを連発。儲けを狙う大人の思惑で方向転換を図った為にオリジナル・メンバーはお払い箱になった。3rdアルバム以降は全く別のメンバーで制作されたにも拘らず知名度のある「エレクトリック・プルーンズ」を名乗ったというストーリーは、今世間を騒がせているゴーストライター問題に似ているかもしれない。
90年代のCD再発ブームで60年代ガレージ/サイケが再評価され、プルーンズと「今夜は眠れない」は代表格として人気を博した。1997年に未発表音源『STOCKHOLM '67』がリリースされ、バンド本来のワイルドかつ実験的なサウンドが明らかになりセンセーションを巻き起こす。その影響でオリジナル・メンバーのジェームス・ロウ(vo,hca)、ケン・ウィリアムス(g)、マーク・テュリン(b)を中心に30年間活動していなかったエレクトリック・プルーンズが再結成。アメリカ、ヨーロッパをツアーし、CD/DVDをリリース。2011年にマーク・テュリンが逝去するが、メンバーを代え活動を続け、今回が初来日となる。
あいにく20年に一度の豪雪に見舞われたが、それをものともせずFEVERに集まった熱心なファンは30人程度。動員は厳しいが、状況が状況なので逆にアガる。
●キノコホテル
前夜に参加したでんぱ組.incえいたそのカラオケパーティーは、目の前でえいたそが歌って踊ってドリンク・オーダーまでしてくれるというネ申イベントで、興奮の余り「今夜は眠れない」状態だったが、この日も最前列の至近距離でマリアンヌ支配人の御姿を舐めるように堪能するというネ申ライヴとなった。ワンマンや普通のイベントでは絶対叶わない夢なのでまさに雪に感謝感激雨霰である。「こんな日に会うのも何かの縁」と支配人が語る通りの運命の赤い糸ならぬ真っ赤なゼリーの導きに違いない。全く手抜きなしの真剣勝負、5月リリースのニューアルバムの新曲中心に魅惑的な演奏を40分繰り広げた。撮影が入っていたのでプロモーションビデオ用の素材撮りを兼ねていたのかもしれない。
●エレクトリック・プルーンズ
当日昼間ツイッターで話題になったのが、プルーンズが持参したエフェクターの写真。総数52個、重量20kgというギネス級。ハッタリにしてもこんなセッティングはクレイジー過ぎる。実際60年代のプルーンズ・サウンドの要はエフェクターによる多彩な音色だった。日本のGSでいえばモップスやビーバーズ、フェニックスの先輩にあたる。
ステージに登場したメンバーの絵に描いたような不良外人ぶりが嬉しい。60年代の熱気そのままとは言わないが、正真正銘本人によるプルーンズのオリジナル・ソングには喩えようの無い説得力がある。「今夜は眠れない」はオリジナルには無いスローな中間部が加えられているが、それが何の違和感も無いばかりか、この曲が現在も生命を持って生き続けていることを証明する。エフェクターの持ち主のスティーヴは何度もスイッチを踏み替えて様々な音色を披露する。引き摺るようなサステインのファズ・ギターが最高。この日は演奏しなかったが、52個のエフェクターを全て駆使する曲もあるとのこと。もう一人のギタリストの泣きのフレーズも素晴らしい。テクニックは40年前より遥かに向上しているが、それをひけらかすことなく、ガレージロックの基本を押さえているのがツボ。60年代のバンドの復活というより、90年代に出現したガレージリバイバルバンドと捉えるべき生々しさに溢れていた。
物販で購入した2006年のCD『FEEDBACK』に収録されている新曲が、紛うことなくプルーンズ印のガレージロックで心が躍る。歳を取ってもガレージ精神は消えることはない。
▼二日目(2月9日)高円寺HIGHでサポートバンドのシャロウズと
電気スモモ
食べたら感電
馬鹿(*)になる
*「スモモ」を意味するPruneには「マヌケ・バカ」の意味もある。
成瀬瑛美バースデーイベント「えいたそ☆カラオケパーティー」@都内某所 2014.2.7(fri)
各回35名限定
1部(17:30-)
1.キラキラチューン
2.Super Noisy Nova
3.空色デイズ
4.ヒ・ロ・イ・ン
5.IDOL
6.少年(1番のみ)
7.FutureDiver
2部(19:30-)
1.でんでんぱっしょん
2.Step
3.光のキャンベル
4.帰り道
5.セーラースターソング
6.ラブリーベイベー
7.わぴこ元気予報!
8.ゆずれない願い
9.Funny Bunny
10.ピコッピクッピカッて恋してよ
11.IDOL
12.ORANGE RIUM
3部(21:30-)
1.でんぱれーどJAPAN
2.Alright!ハートキャッチプリキュア!
3.スイミン
4.Give a Reason
5.God knows...
6.侵略ノススメ☆
7.乙女のポリシー
8.W.W.D
9.ライオン(漫画家 種村有菜先生とデュエット)
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