A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

マニ・ノイマイヤー×灰野敬二×七尾旅人@東高円寺UFO CLUB 2014.3.9(sun)

2014年03月11日 00時15分15秒 | 灰野敬二さんのこと


【マニ・ノイマイヤー JAPAN TOUR 2014】
LIVE;
MANI NEUMEIER(GURU GURU)+灰野敬二
MANI NEUMEIER(GURU GURU)+七尾旅人




毎年渡り鳥のように来日する海外大御所アーティストがいる。ダモ鈴木(CAN)、ペーター・ブロッツマン、最近は諸事情で途絶えているがハン・ベニンクなど西欧の前衛音楽の闘士が多い。特に日本との絆が深いのがマニ・ノイマイヤーだろう。1970年から現在までフリーロックバンドGURU GURUを率いてクラウトロックのオリジネイターとして活動。またGURU GURU結成以前はフリージャズの世界に身を置き、アレクサンダー・フォン・シュリッヘンバッハのグローブ・ユニティ・オーケストラやイレーネ・シュヴァイツァー・トリオなどで活動。GURU GURUのベーシスト、ウリ・トリプテやCANのヤッキ・リーベツァイトなど、クラウトロックにはフリージャズ出身者が多い。90年代以降日本の音楽シーンとの交流が深まる。音源を残しているだけでもギャーテーズ、内橋和也、吉田達也など。特にアシッド・マザーズ・テンプルとは深く共鳴し合い、合体ユニットのアシッド・マザーズ・グルグルやイベント「グルグル祭り」など、悪ノリが過ぎるほどのコラボ。奥さんが日本人ということもあるだろうが、精神的にも大の日本通である。

<マニさん見聞録>
●マニ・ノイマイヤー、Zeni Geva他@東高円寺UFO CLUB 10.2.3(wed)⇒コチラ
●マニ・ノイマイヤー+後藤まりこ+亀川千代+勝井裕二etc.@東高円寺 UFO CLUB 2012.3.22 (thu)⇒コチラ

調べた限りでは、マニと灰野敬二は初共演。もちろん七尾旅人とも初めてなので、三者一堂に会するのは史上初という大変貴重な邂逅となった。UFO CLUBは最前列のみ椅子が並んでいる。客の出足が遅かったが、開演時間にはぎっしり満員になった。イマドキ女性が多いのは旅人人気か?

●マニ・ノイマイヤー×七尾旅人


21世紀型吟遊詩人・七尾旅人は自主企画「百人組手」でジャンルを超えたアーティストと即興演奏を繰り返してきた。2010年7月灰野との共演を観たが、メロディーに固執しないヴォイスパフォーマンスで屈強な灰野ワールドに立ち向かうのが印象的だった。2011年3月11日の大震災以降、ひとりの表現者として積極的に世の中に対峙する姿勢は評価したい。今回のマニとの初共演では、色々な経験を経て大きく成長した姿を観ることが出来た。ファズをかけたアコギの音をループさせ、エフェクターで声のピッチを変化させ、電子音楽的浮遊感を持った演奏を展開。マニの活動でいえば、クラスターのディーター・メビウスとのデュオに通じるものがある。三味線をサンプリングした和風セッションもいい。マニの顔を見つめたまま椅子の上に立ち上がっての熱演に大きなリスペクトが溢れていた。25分の演奏。




●マニ・ノイマイヤー×灰野敬二×七尾旅人


続いて灰野を加えたトリオ。ステージ右半分は灰野の機材で埋まっている。灰野のエアシンセとマニのドラムと旅人のヴォイスが相まって、芳醇な創造空間が出現する。対決ではなく、かといって馴れ合いでもなく、クールに感性を研ぎ澄ませた演奏は30分弱と短くはあったが、初対面の三者の意識の交感を肌で感じる宇宙的な時間を創出した。特に三人の唄声が重なった瞬間(とき)の神々しさは筆舌に尽くし難い官能の世界だった。




●マニ・ノイマイヤー×灰野敬二


最後に年長者二人がじっくりと語り・論じ・諍い・抗い・睦み・慈しみ合う。灰野は二菅の縦笛~フルート~パーカッション~発信器に繋いだミニスピーカー~円形の創作弦楽器~ギターと持ち替える。歌詞を1フレーズ英語であとは日本語で歌う。灰野の挑発的なプレイに対し、マニは細かくシンバルを刻んだり、激しく連打したり、ポケットシンセを操ったりと柔軟な演奏。ベテラン同士全力を発揮してのクロスプレイは60分近く続き、最後は灰野のアイリッシュハープがしめやかに実り多い両者の出会いを祝福した。鳴りやまぬ歓声に応えて、全力疾走のアンコール。二つの強靭な精神の融合が今後さらに発展することを期待したい。



ジャーマンと
シャーマンと
トルバドール

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