昨日の28日、「9・28 国連・人権勧告の実現を!-すべての人に尊厳と人権を-」(主催=同実行委員会)と題する集会が、東京の芝公園で行われた。
昨年来、日本の劣悪な人権状況について、国連の人種差別撤廃委員会、拷問禁止委員会、社会権規約委員会、自由権規約委員会などの人権条約機関から相次いで勧告が出されている。
今年の7月には自由権規約委員会で日本審査があり、死刑制度、秘密保護法、ヘイトスピーチ、日本軍「慰安婦」問題などについて、多くの勧告が出され、さらに8月には人種差別撤廃委員会の審査で厳しい勧告が出された。ここでは、ヘイトスピーチ、ヘイトクライム規制、技能実習制度の改革、日本軍「慰安婦」問題のほかに、「高校無償化」からの朝鮮学校排除問題、補助金停止問題も言及された。にもかかわらず日本政府は、「勧告に従う義務がない」と無視を決め込んでいる。
このような状況下で、さまざまな人権問題に取り組む団体が一堂に会し、日本政府に対し国連勧告の速やかな実施を訴えた。
集会では、弁護士の海渡雄一さんと師岡康子さんが、自由権規約委員会勧告と人種差別撤廃委員会勧告の概要報告をそれぞれ行ったほか、東京経済大学の寺中誠さんが「日本政府は勧告遵守の義務がある」と題して発言。
日本軍「慰安婦」問題や「高校無償化」、原発問題、移住労働問題、婚外子差別問題、在沖米軍基地問題などの問題に取り組む、各賛同団体の代表による発言がなされ、「ともに抑圧に立ち向かおう!」と、共闘をアピールした。
集会後に参加者らは、芝公園から東京駅までデモ行進。休日で賑わう街中を、民族打楽器を打ち鳴らしながら、「日本政府は国連・人権勧告を順守せよ」「朝鮮学校だけ『無償化』制度から外すな」「沖縄に基地を押し付けるな!」「夫婦別姓を認めよ!」などのシュプレヒコールを叫んだ。
集会の賛同団体には、全国各地の人権団体、約60が名を連ねる。多様な人々の声を真摯に受け止め、勧告の実現に向き合う姿勢が日本政府には求められている。(淑)