日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

「グローバル化の中の民族教育」展

2014-06-27 09:00:00 | (相)のブログ
 
 
 昨日、新宿の高麗博物館で開催中の企画展「ともに生きる―グローバル化の中の民族教育」を見に行った。
 同博物館では5年前の2009年にも「民族教育の今を考える―朝鮮学校を中心に」という企画展を行っており、今回の展示はそれに続く第2弾。
 企画展の趣旨は、
 現在、日本に在住する外国人が200万人を超え、グローバル化が進んでいます。互いにその多様性を認め合い、受け入れることは豊かな社会づくりの第一歩ではないでしょうか。
多民族共生社会の実現には、誰もが自分のアイデンティティをはぐくむ民族教育を受ける権利を持っていること、それを社会全体で担うことが大切だと思います。
今回、朝鮮学校をはじめとする外国人学校で学ぶ子どもたちを取り巻く歴史を振り返り、未来の社会の担い手として、対等な共生ができるような多民族・多文化教育のあり方をともに考えましょう。

 というものだ。

 展示はパネルと資料・書籍という2つに分かれている。パネルの内容は、1945年から現在までの朝鮮学校の歩みにはじまり、「高校無償化」からの除外や補助金支給停止、京都朝鮮学校襲撃事件に代表されるヘイトスピーチなど現在の問題、そして交流や支援、連帯の取り組みなど。ほかにも、諸外国における外国人学校の位置づけ、日本にある外国人学校の比較、日本学校における多文化共生教育の取り組みなど、朝鮮学校だけにとどまらず、このテーマにおけるさまざまなイシューがわかりやすく整理されていた。パネル以外にも、朝鮮学校を扱った書籍や昔の貴重な資料も展示されていて非常に充実した内容だと感じた。
 6月4日から始まった同企画展は8月31日まで開催される。
 展示以外にも、東京朝鮮第9初級学校の保護者らをゲストに招いてのシンポジウムと交流会(7月19日)やドキュメンタリー映画「茨城朝鮮学校」上映会(8月9日)など関連イベントが予定されている。
 詳しくは高麗博物館のウェブサイトまで。http://www.40net.jp/~kourai/

 01年12月に開館した高麗博物館は新宿・職安通りの雑居ビル内にある。決して目立つ施設ではないが、年間を通してさまざまな興味深い展示を行っている。次回の企画展のテーマは朝鮮女性史(開催期間は9月3日~11月30日)。
 同館専務理事の田崎敏孝さんは、「朝鮮学校や民族教育についてよく知らない人々にこそ多く足を運んでもらいたい」と話していた。
 興味のある方々はぜひ訪れてほしい。(相)

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