日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

本当に腹立たしい

2010-11-25 09:29:39 | (K)のブログ
 今日のブログは、大阪朝高ラグビー部の「全国大会出場」など、明るいことを書こうと思っていたのに、そういうわけにもいかないようだ。こういうときに、ブログの順番が回ってくるのは非常につらいが、しかたがない。

 連日マスコミは、朝鮮西海の延坪島での砲撃事件について伝えているが、相変わらず偏見と悪意に満ち、無知な報道を繰り返している。「原因」を「北の体制固め」だとか「米国を振り向かせるため」とか、まったくピントの外れたことをよく書けるものだと思う。

 この問題については、「朝鮮問題深掘りすると?」というブログの下記の文章を読んでもらいたい。

西海で砲撃戦、韓国兵に死者 住民も負傷
http://ameblo.jp/khbong/entry-10716329818.html

延坪島事態 どう見るか、どうなるか①
http://ameblo.jp/khbong/entry-10717397950.html


 現在出張中で、心配になり昨日の午後7時前に家に電話すると、当然帰っていなければならない息子が出ない。何度も電話するがやはり出ない。後で聞くと、事故で電車が止まり夜の8時にやっと帰ってきたそうである。朝鮮学校に子どもを送る保護者の方々は、登下校に何かがあるのではないかと、当分の間、心が落ち着かないであろう。

 砲撃事件と関係して、菅直人首相は24日、高木義明文部科学相に、朝鮮学校への授業料無償化制度の適用に関しプロセスを停止するよう指示を出した。

 最悪の判断・行動であり、本当に腹立たしい。
 無償化を朝鮮学校に適用するかどうか、日本政府は「政治問題とは関係なく判断する」と何度も言ってきたのではないか。
 やはり、朝鮮学校だけを排除してきたのは、「政治的な理由」からだったということを明らかにしたわけだ。その「政治的な理由」も、何か論理的なものがあるわけでなく、「北朝鮮が嫌い」「北朝鮮が憎い」「北朝鮮は敵だ」というきわめて幼稚なものである。

 アメリカがイラクに軍隊を派遣し、何万という人間を今も殺し続けているのに、それに日本政府も全面的に協力しているのに、イスラエルがパレスチナの人々に砲撃し多くの人々を殺しているのに、それを日本政府は見て見ぬふりをししてイスラエルを支持しているのに、「北の砲撃はけしからん」と、日本に住んでいる朝鮮人の民族学校を弾圧する。これがどれだけ破廉恥なことなのか、日本の政治家の多くはわかっていないようである。

 今度の事件で、無償化適用の手続き停止することができるのなら、朝鮮学校の全国大会出場停止も、大学受験資格剥奪も、学校そのものの存在を否定することも、何でもできてしまうことになる。手続き停止はさらなる大きな弾圧の第1歩を踏み出すことを、日本政府は宣言したのと同じだ。

 朝鮮学校に通う子どもたちへの暴行や暴言が事あるごとに繰り返されてきた。今回の日本政府の態度・行動は、朝鮮人に対する日本社会の排外意識に油を注ぐ行為でしかない。
 何かのきっかけがあり最悪のことが重なれば、87年前の関東大震災の時のようなことが繰り返されるかもしれないと、私は非常に恐怖心を抱いている。


 年末年始に大阪の花園ラグビー場で開かれる第90回全国高校ラグビーフットボール大会で、大阪朝高ラグビー部が見事にAシードに指定された。ちなみに他のAシード校は、東福岡(福岡第1)、桐蔭学園(神奈川第2)、流通経大柏(千葉)。
 大阪朝高の選手たちは、本大会で大きな活躍を見せてくれるだろう。それを日本の政治家たちはどのような目で見るのだろうか。(k)