「運命の人」(三)山崎豊子 文藝春秋社 2009年(初出文藝春秋)
(一)(二)に続く第三巻。前回のストーリーを受けて弓成の公判が中心に描かれる。判決が出たり、弓成の元愛人や弓成自身の判決が出た後の身のふり方などなかなか読ませる。
しかし(一)と(二)の登場人物の名前をすっかり忘れてしまった。ストーリーは覚えているが、人物名が背後説明なくいきなり出てくるので誰だったか思い出そうとしても思い出せない。そういう意味ではやや読みにくかった(それは作者ではなく私のせい)一気に第一巻から第四巻まで読むのが私のようなアホにはいいのかも知れない。あるいは私のような記憶力の持ち主には読む間隔をあまり空けないほうがよいのかも。
この第三巻はあくまでも第四巻へのブリッジであり、これ単体で評価することはできない。最終巻を読んでからあらためて評価したいと思う。※追記: 第四巻のレビュー
というのは建て前で、実際は(一)(二)ほど堪能できなかった。期待が大きくなりすぎていたことと、ストーリーの先が読めてしまったことが原因だろうか。あるいは高速でこの本を読んでしまったことがいけなかったのだろうか。つまり作品が面白くないと表面的に感じているが、それは作品を読んだ心が「面白くないと感じさせている」に過ぎないのではなかろうか。ん?どういう意味だ?
つまり面白くないわけがないのにどうして面白くないのか自分でもよく分からなかったのだ。
では、また。
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うまくTBできれば私のその理由をお送りします。
面白い理由ではなく、面白くない理由が語られるというのも、大物作家ならではなのでしょうね。