「オリエンタリズム」(上下)エドワード・W・サイード 平凡社ライブラリー1993年 原著は1978年
パレスティナ出身で後にカイロ、アメリカで教育を受けた著者が語る「西洋VSオリエント」
うーむ。この手の本は結構好物なはずなんだが、なぜかずっと読まなかった。
読んでみて理由が分かった。カツーンと来ないのだ。
西洋の東洋に対する見方への批判が分かり安く書いてあるわけではない(この手の本にしては文体や使用されてる言葉は非常に読みやすいので猛スピードで読み終えてしまったが)
何をどのように解釈しているかやや隔靴掻痒だと感じた。
膨大な文献を参考にしているので、かなりの分量の著作となったが、個人的には彼自身の言葉にはあまりカツーンと来なかった。むしろ彼が引用してくれる別の人間による著作の方がよっぽどカツーンと来た。
ある一つのことを述べるのにかなりの遠回りをするという手法を取っているように思えたが、その遠回りの中で色々考えさせてくれればいいのだが、必ずしもそうでもなかった。
単に俺には合わないだけかも知れない。単に俺がアホなだけかも知れない。
その代り、見た事もない文章の引用に非常に興味を惹かれた。フローベールとかバルフォアとか。バルフォアと言えば、フサイン・マクマホン協定と矛盾するバルフォア宣言のおかげで現在に至るイスラエルVSパレスティナ(アラブ諸国)の抗争を生んだ男。
しかし、バルフォアの議会での演説を詳しく引用している文章などここで初めて読んだ。思っていたほどすっとこどっこいでもなく、「能弁」とはこういうことかと考えさせられた。
読んで無駄では決してなかったが、しかしサイード自身の筆による文章でない所に読むべき箇所があったことがやや残念だった。
まあサイードの専門は英文学と比較文学論なので、文章が文学的だったのかも知れない。
※ しかし小説でも映画でもレビューを書くと、自分の文章こそが隔靴掻痒ではないかといつも考えさせられる。
今日の教訓
特にない
と
ないですね。テーマ自体は確かに興味あり
ますけど。
教訓は、サイードはいいど!
で決まりかと思いましたが、カツーンがなけ
ればそれも使えませんか。
読みにくいわけではないので、
あお空さんの頭脳をもってすれば理解できないはずもないかと。
今日の教訓の第一案は:
サイードが生きてたら
アイーンやらせたく
もないか
だったのですが、没にしました。
サイードの著作はずっと気になってたんですよ。靴はいたまま、足が痒くなると辛いよね。でも、今度何か読んでみます。裸足で読めば良いんですよね。(笑)
チョムスキーも読みたいんですが、何か読まれた事ありますか?
投稿失敗してしまいました。
サイードの著作は、私もずっと気になってたのですが、隔靴掻痒気味でしたか・・。でも、面白そうなので私も是非読んでみようと思います。裸足で読めば良いのよね。
後、チョムスキーも気になってるのですが、何か読まれた事ありますか?
サイードを絶賛する人たちはこの本が出たときから今でもたくさんいますから、
今ひとつだと感じる人間の方がマイノリティなんだろうと思いますよ。
そうそう。裸足で読めばいいんですよ(裸足ってうまいな・・・)
チョムスキーは読んだ事ないですね。
言語学とか言語学と哲学思想を絡めた本は
難解なものが多い印象(偏見)があったりして。
それ以前に積ん読本の山脈を片付けなければとか、
資本論は死ぬまでに読破できるのかとか
緊急でない課題が(笑)
ごみつさんのオススメ本があったらまたいつかお知らせ下さい。