頭の中は魑魅魍魎

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万城目学のエッセイ『ザ・万歩計』にニヤリ

2008-04-19 | books

今考えてみると、いったいぜんたいあの話はどっから思いついたんだ?いや、そもそもなんの話だったんだ?と読む人を煙に巻き、これほど馬鹿ばかしい話もなかろうと感嘆せしめた「鴨川ホルモー」 ついにドラマにもなってしまった面白バカバカしい「鹿男あをによし」双方の作者が万城目学。どんな頭の構造をしているのか、たぶんよく分かるであろうエッセイが

「ザ・万歩計」産業編集センター 2008年

そもそもなんで「ザ・万歩計」なんだ?いやどういう意味なんだ?と思いつつ読んでみると、何度となくニヤリとさせられた。作家になった経緯や、古い音楽ネタ、ガキの頃の思い出などが色々と詰まっている。


 教室で放屁をする際は、
「屁ぇ出る、屁ぇ出る、北別府ゥ」
 というフレーズとともに、腸内のガスを外に排出するのが人間の礼儀だ、と友人より真面目に告げられた昼下がり。私は十四歳だった。(109ページより引用)


はっはっは。笑った。北別府ゥは、俺自身がガキの頃に使ってたのでなおさら。


 中学生とは、世の中で、最も血中阿呆濃度の高い生き物だと思う。


ほんとその通り。異議なし。血中阿呆濃度とは実に上手い表現だ。こんな風に何かを表現するときに、思わずニヤリとしてしまう言葉が出てくる。それがまたいいのだ。全人類の情報のデータベース化を思いつき、人類の遺産として音楽の一小節を選ぶというミッションに明け暮れるという実にバカばかしい妄想とその結果に笑わされ、「渡辺篤ごっこ」を読むと自分もやってみようかな?なんて思ったり。

しかしながら、「ザ・万歩計」というタイトルにまつわるエッセイがどこにもない。読み進めて行くと、あとがきにそれがあった。なーるほど。

最後に、


 その後、カンゲキ氏の「チャララリララ~」は『オリーブの首飾り』から完全に今井美樹の『PRIDE』に取って代わられた。いったい、カンゲキ氏の心の内側では何が起こり、いかなる政権交代が行われたのか、さっぱりわからない。疑問は日々、膨らむばかりである。だが、こんな超常現象に近い出来事を、私のような常識人がいくら考えたところで、答えは出やしない。(168ページ)



いやいや、万城目さん。あなた常識人ではないでしょ?あんな面白いことばかり考えてるんですから。












今日の教訓





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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは♪ (ミチ)
2008-09-03 20:19:06
いや~、読んでいらしたんですね~。
さすがはふるさん!

『ホルモー』に『鹿男』を考えつく人ですもの、脳内がヘンテコなことは間違いないですよね。
マキメさんの文章を読んでいると、そこはかとない育ちのよさが感じられて、そこも好感度が高い要因です。

表紙がエッシャーのパロディというのはすぐに分かったのですが、全部読んだ後に表紙を見てみるとエッセイの内容が網羅されていてさらに楽しめました。
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Unknown (ふる)
2008-09-04 12:15:13
★ミチさん、

育ちのよさですか。
言われてみれば、確かに感じられますね。
育ちの悪さを感じるエッセイ・・・
特に思いつきません(笑)
表紙は気がつきませんでした。
見てみれば、確かに万城目さんらしき人物が
内容を表現していますね。
面白いエッセイ探しはまだまだ続きます。
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