頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『ザ・ポエット』マイクル・コナリー

2014-09-12 | books
デンヴァーの新聞記者、ジャック・マカヴォイの兄、刑事のショーンが死んだ。警察は自殺と断定。未解決事件を苦にしてだとう言う。しかし何かがおかしい。遺書は「空間の外。時間の外。」 彼がそんな遺書を書くだろうか。警察官の自殺を調べていくと、未解決殺人事件の捜査責任者が自殺しているという同様の件が全米であったことが分かった。連続殺人犯「ザ・ポエット」を追うマカヴォイはFBIと協力して…

サイコスリラーは過去に結構読んだ。傑作も多かったし駄作もあった。ブーム以降めったに読まなくなった。1996年に発表された本作は、古いし、「サイコスリラー」という現代的なネタとしては楽しめないだろうと思っていた。4作まで読んだ同一作者によるハリー・ボッシュシリーズが面白かったので、ノン・シリーズのこれは「ハードボイルド」として楽しめるだろうと期待してた。

しかししかし、これは私の好みど真ん中ストライク。手にはめたミットにドスンと吸い込まれた。

ハードボイルドじゃなくて、サイコスリラー。事件の真相への無理と無駄のない迫り方。FBIの美人捜査官レイチェルや彼女の元夫で嫌な捜査官ゴードン、連続殺人犯ザ・ポエットなどキャラクターもすごくいい。

上下巻計800頁。なのにあっという間に読み終えてしまった。

ザ・ポエット〈上〉 (扶桑社ミステリー)ザ・ポエット〈下〉 (扶桑社ミステリー)

今日の一曲

ザ・ポエット。フィンランドのメタル・バンド、NightwishでThe Poet And The Pendulum



では、また。

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