高校の授業が終わると、週に何回か向かうマンションの一室。そこでコスプレして、コスプレをした女を抱く。その女、あんずは結婚しているけれど。僕には好きな子がいる。その子が僕のことを好きなのが分かったので、あんずとは別れようと思った。しかし…以上が冒頭の短編<ミクマリ> 次に別の話が始まるかと思っていたら次の<世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸>は、結婚したが子供ができない。夫の母親から日々与えられるプレッシャー。コミケで見つけた男の子にコスプレさせてみたかった。交換したアドレス。そして私の住むマンションでするセックス。しかしそれが夫にバレて… これは冒頭の一編を登場人物のあんずの立場から描いたもの。<2035年のオーガズム>は女子高生、<セイタカアワダチソウの空>は友人の男子高校生、<花粉・受粉>は母親の立場から描く。実は連作短編集だった。
「もっと舌をとがらせて」おれは舌をUの字に丸め、できるだけ細くして、かたくなったクリトリスをはじくようになめた。というような表現が出て来るので、最初のミクマリは電車内で読むのはちと辛かった。
その後を独立した短編だと思って読んでいたら、おや?これは最初のエピソードを別の視点から描いたのかー。その形式に唸り、つづく衝撃的な展開に驚き、そして次はどうなるのだろうとわくわくする。
ビックリするだけじゃなくて、すっごくええはなしやー。
作者のインタビューには、ミクマリだけ書いて「女による女のためのR-18文学賞」に応募したら大賞を取ってしまった。つづきは考えてなかったので、後で付け足したということだ。後から加えたにもかかわらずこれだけのクオリティの短編が後から書けるとはスゴイ。
映画になっているそうだけれど観てない。原作が良かったので、観たいような、観たくないような。
一つ書き忘れていた。小説の最後の方に出て来る、自然に子供を産みたいと思う女性に対して、自然に産むのなら本来なら生まれないような子が淘汰されることも受け入れないといけないのでないかという言葉が出てきて、ドキっとした。自然、自然と言い張る人の不自然さ、かな。
では、また。
「もっと舌をとがらせて」おれは舌をUの字に丸め、できるだけ細くして、かたくなったクリトリスをはじくようになめた。というような表現が出て来るので、最初のミクマリは電車内で読むのはちと辛かった。
その後を独立した短編だと思って読んでいたら、おや?これは最初のエピソードを別の視点から描いたのかー。その形式に唸り、つづく衝撃的な展開に驚き、そして次はどうなるのだろうとわくわくする。
ビックリするだけじゃなくて、すっごくええはなしやー。
作者のインタビューには、ミクマリだけ書いて「女による女のためのR-18文学賞」に応募したら大賞を取ってしまった。つづきは考えてなかったので、後で付け足したということだ。後から加えたにもかかわらずこれだけのクオリティの短編が後から書けるとはスゴイ。
映画になっているそうだけれど観てない。原作が良かったので、観たいような、観たくないような。
一つ書き忘れていた。小説の最後の方に出て来る、自然に子供を産みたいと思う女性に対して、自然に産むのなら本来なら生まれないような子が淘汰されることも受け入れないといけないのでないかという言葉が出てきて、ドキっとした。自然、自然と言い張る人の不自然さ、かな。
では、また。
ふるさんの「すっごくええはなしやー」に背中を押されて、一昨日購入。一気読みしました。
夫の母親マチコさんの「私はただ孫が欲しいだけなのよ~なんでそれが私にはかなわないの」という絶叫。
助産院から病院に運ばれた若林さんの「母親失格だね。帝王切開で産むなんて」という消え入りそうな声。
こうねんきしょうがいで体調が悪くなっても、ごはんだけは作り続ける松永さんのママ「母としての最期のプライド」・・・
女性を取り巻いている、降りることを許されない息苦しさが、伝わってきました。
そして、作品に流れている作者の「生の肯定観」も。
「生の肯定感」とはまさにこの作品にフィットした表現ですね。
おっしゃる通り、「女による女のためのR-18文学賞」受賞という肩書は手に取るのをためらってしまいます。
男性にも「降りることが許されない」苦しさはあるはずですが、小説でその苦しさを読ませるとなると、ハードボイルドというジャンルにそれはあるわけですが、女性の「降りることが許されない」感のような普遍性とは違う、作り物感が否めないような気がしなくもないです。
ハードボイルドは嫌いではないのですが。生まれつき女は女であって、男は男になる。という違いなのでしょうか。