こんばんは ダイスケです
彦根も少しずつ暖かくなってきました。
春はすぐそこまで来ているようです
さてさて、今日は活動の記録ではないのですが、ふと思い立ったので外来生物を含むとある生き物に関する記事を書く事にしました。
今、個人的にシジミについてある調査をしておりまして、現地でガサガサ採ったり文献をあさったりしています。
シジミといえば、滋賀県では固有種であるセタシジミ、全国ではヤマトシジミが非常に有名であるかと思います。どちらもおいしいですよね。
ですが、私が調査しているのは食用としてはあまり流通していない「マシジミ」についてです。
マシジミ(Corbicula leana)は、その辺の水路で比較的普通に見られる在来種のシジミです。
水路をのぞいてみると結構見つかります。
セタシジミなどは河口部にいますね。
そのマシジミですが、実はひっそりと絶滅危惧種に指定されています。
そう、知らないあいだに個体数が減っているのです。
その原因を探ってみたところ、多くの文献に記されているのが「大規模な圃場整備による生息環境の改変」と「外来種タイワンシジミとの交雑」の2つです。
ここで、採集したシジミを見てみましょう。
んん?色が全然違う…
そう、この黄色っぽいシジミこそが、外来種のタイワンシジミ(だと思われるシジミ)です。
タイワンシジミとは一体なんだ?と思う人もいるかもしれません。
タイワンシジミは、その名のとおり台湾や中国、朝鮮半島に生息する外来のシジミです。
マシジミとの違いは、「殻が黄色っぽい」「付け根の内側が紫色」だとか。(残念ながら内側の写真は用意できず…)
ここで、気づいた人もいるかもしれませんが、さきほど私は「外来種のタイワンシジミ(だと思われるシジミ)」とぼやかして書きました。
なぜかというと、実はこの2種、はっきりと区別することができないんです。
図鑑を見ると、明らかに別種として記載されており、学名もそれぞれに当てられています。
しかし、いくつかの文献を見てみると、次のようなことが分かってきました。
・マシジミとタイワンシジミは、殻の色と遺伝的変異が一致していない。
・黄色いシジミ(タイワン?)でも、黒いシジミと同じ遺伝子を持つ個体がいる。
・小型のマシジミは、黄色い個体もいる。
もう訳がわかりません。
そう、この2種、科学的根拠に基づいた区別ができないんです。
にも関わらず、図鑑では2種に分類されているんですね。
あぁややこしい…
また、マシジミがタイワンシジミとの交雑により個体数を減らしている、との記載がたくさんあるのですが、これも考えてみればおかしいことです。
マシジミとタイワンシジミは雄性単為生殖(オスのクローン繁殖)なので、そもそも交雑しないわけです。
クローン繁殖なので、タイワンの精子をマシジミが吸い込んでしまうと確かにタイワンばかりが生まれます。
ただ、逆にも考えられます。つまり、マシジミの精子をタイワンが吸い込むとマシジミが生まれるはずです。
なので、どちらか一方のみがそれによっていなくなるということは考えにくいのですが…
その辺の水路に普通にいる生き物ですが、調べれば調べるほど謎は深まるばかり。
ややこしいのでここらへんにします。
それでは、次は活動報告でお会いしましょう。
彦根も少しずつ暖かくなってきました。
春はすぐそこまで来ているようです
さてさて、今日は活動の記録ではないのですが、ふと思い立ったので外来生物を含むとある生き物に関する記事を書く事にしました。
今、個人的にシジミについてある調査をしておりまして、現地でガサガサ採ったり文献をあさったりしています。
シジミといえば、滋賀県では固有種であるセタシジミ、全国ではヤマトシジミが非常に有名であるかと思います。どちらもおいしいですよね。
ですが、私が調査しているのは食用としてはあまり流通していない「マシジミ」についてです。
マシジミ(Corbicula leana)は、その辺の水路で比較的普通に見られる在来種のシジミです。
水路をのぞいてみると結構見つかります。
セタシジミなどは河口部にいますね。
そのマシジミですが、実はひっそりと絶滅危惧種に指定されています。
そう、知らないあいだに個体数が減っているのです。
その原因を探ってみたところ、多くの文献に記されているのが「大規模な圃場整備による生息環境の改変」と「外来種タイワンシジミとの交雑」の2つです。
ここで、採集したシジミを見てみましょう。
んん?色が全然違う…
そう、この黄色っぽいシジミこそが、外来種のタイワンシジミ(だと思われるシジミ)です。
タイワンシジミとは一体なんだ?と思う人もいるかもしれません。
タイワンシジミは、その名のとおり台湾や中国、朝鮮半島に生息する外来のシジミです。
マシジミとの違いは、「殻が黄色っぽい」「付け根の内側が紫色」だとか。(残念ながら内側の写真は用意できず…)
ここで、気づいた人もいるかもしれませんが、さきほど私は「外来種のタイワンシジミ(だと思われるシジミ)」とぼやかして書きました。
なぜかというと、実はこの2種、はっきりと区別することができないんです。
図鑑を見ると、明らかに別種として記載されており、学名もそれぞれに当てられています。
しかし、いくつかの文献を見てみると、次のようなことが分かってきました。
・マシジミとタイワンシジミは、殻の色と遺伝的変異が一致していない。
・黄色いシジミ(タイワン?)でも、黒いシジミと同じ遺伝子を持つ個体がいる。
・小型のマシジミは、黄色い個体もいる。
もう訳がわかりません。
そう、この2種、科学的根拠に基づいた区別ができないんです。
にも関わらず、図鑑では2種に分類されているんですね。
あぁややこしい…
また、マシジミがタイワンシジミとの交雑により個体数を減らしている、との記載がたくさんあるのですが、これも考えてみればおかしいことです。
マシジミとタイワンシジミは雄性単為生殖(オスのクローン繁殖)なので、そもそも交雑しないわけです。
クローン繁殖なので、タイワンの精子をマシジミが吸い込んでしまうと確かにタイワンばかりが生まれます。
ただ、逆にも考えられます。つまり、マシジミの精子をタイワンが吸い込むとマシジミが生まれるはずです。
なので、どちらか一方のみがそれによっていなくなるということは考えにくいのですが…
その辺の水路に普通にいる生き物ですが、調べれば調べるほど謎は深まるばかり。
ややこしいのでここらへんにします。
それでは、次は活動報告でお会いしましょう。