外来魚ひとりがたり

滋賀県立大学近江楽座学生団体
滋賀県大生き物研究会の活動あれこれ

思わぬ場所でオヤニラミ捕獲のリベンジが

2012-03-20 19:17:19 | 水生生物観察
こんばんは おかかです

本日は天気が良かったため突発的に一人で川へ行きました

風もほとんどなく良い感じでした



アブラハヤです

上流域から時には河口付近にまで生息しているすごい魚です



ドンコです

この魚も上流域から琵琶湖周辺まで幅広く見られます



ビワマスです

滋賀県では基本的に捕ってはいけない魚です もちろんすぐにリリースしました

普通の人が捕ることが可能なのは禁漁期間明けに河川に残ってる大型個体ぐらいだと思います

結構色々な場所に生息しているようで小さな支流にまでいたりします

正直あまり網に入らないで欲しい魚です



シマドジョウです

このサイズのシマドジョウは中々お目にかかれないのではないでしょうか

写真ではあまり分からないと思いますが15cm近くありました



ムギツクです

滋賀県では河川にのみ生息しており琵琶湖にはいません

熱帯魚みたいな見た目ですが立派な日本の魚です

見かけることが少ない魚です



ホトケドジョウです

もちろんナガレホトケドジョウではないです

普通は小さな水路などに生息していますが今回は河川で発見しました

この魚もあまり見かけません



前回見つけることが出来なかったオヤニラミです

意外と色々な場所に生息しているんですね

元々滋賀には生息していなかった魚で国内移入種です 滋賀では指定外来種扱いです

そのため飼育の際には届け出が必要です

環境省の絶滅危惧Ⅱ類なんですが・・・移入先で増殖されると



スジシマドジョウ大型種です

河川で捕獲しました 琵琶湖のものと比べると小さく模様も異なっています 

まだ寒いので数は少ないかと思ったのですが意外とわんさか捕まえられました



カマツカです

2~3cmの稚魚サイズも多く見られました ちゃんと繁殖しているんですね

他にはオイカワ、カワムツ、ヌマムツ、ヨシノボリなんかが見られました

短時間の割に色々な魚種を見ることができて良かったです

もっと色々な場所に行って色々な魚を見てみたいと思います

大学近くの食堂と間違えられやすい魚カネヒラ

2012-03-16 19:36:35 | 滋賀の魚
どうもお久しぶりです おかかです

今回はカネヒラを紹介します

滋賀県立大学の近くに兼広(かねひろ)という食堂があるのですが結構こんがらがります



写真の個体はあまり色が出ていませんが婚姻色が綺麗な魚でタナゴの仲間です

タナゴの仲間にしてはかなり大型で15cmになる個体なんかもいるそうな



日本のタナゴの中でカネヒラだけが環境省レッドリストに記載されていませんが滋賀県ではヤリタナゴ、アブラボテ同様絶滅危機増大種に指定されています

琵琶湖淀川水系以西の本州や九州北部に元々分布していましたが、最近では関東方面等にも定着しているようです


滋賀県では琵琶湖や河川、内湖、用水路等色々な場所で見られます

琵琶湖なら割とどこでもいるようで他のタナゴ類に比べてあまり外来魚の影響を受けていないように思われます

特に狙って釣らなくとも外道として釣れる事が結構あったりします

神上沼でも結構な個体数が捕獲されております

なんと大学内にも生息していたりします



産卵期は秋でタナゴ類の例に漏れずタテボシガイ等の二枚貝に卵をうみつけます

他のタナゴ類に比べるとかなり植物性の餌を食います

おかげで水槽の水草がボロボロになることもあります



タナゴ類の中でもあまり外来魚の影響を受けてなさそうな本種ですがバスの胃袋から発見されることも何度かありました

活動を継続し、在来生物にとって住みやすい環境を作っていきましょう

新春駆除釣り大会について

2012-03-12 16:08:26 | 活動記録
こんにちは、どうもお久しぶりです。T田です。


少し遅れましたが、3月10日に行われた、駆除釣り大会について報告させて頂きます。

駆除釣り大会は、滋賀県の彦根旧港で行われました。
私たち滋賀県大BASSER'Sから私、オカカ、テラの3人が大会運営補助役員として参加しました。

この日は、北からの風が強くとても寒かったです。
ですが、来場者数は300人あまりと大きな大会となりました。
参加者の中には、この駆除釣り大会に何度も来ているという方や親子連れもおられました。



会場の様子です。
受付では、参加者は釣り竿と釣り餌を受け取り、釣る場所の説明を受けます。




駆除釣り大会の様子です。風の強い中、子供たちは、うきをじっと見つめていました。



駆除釣り大会の結果です。

ブルーギルが12kg、ブラックバスが3kgでトータル15kgの駆除量になりました。
ブルーギルは、意外と大きなものが多いと思いました。

ブラックバスでは30cm前後の大きなバスを釣った人もいて驚きました。

こうした啓発活動は多くの方に外来魚問題を知ってもらうことができ、問題解決のためには大変重要なものとなります。
今後の駆除釣り大会にも、積極的に参加したいと思います。





余談ですが、私が巡回しているその対岸で投網を打っている方がおられました。
この人がやたらとバスを取っているのを目撃しました。
あれは目を見張る物でしたね。

まぁ、ただの余談です・・・ではまた



スポーニング、はじまりました!? @神上沼

2012-03-11 16:12:52 | 活動記録
こんにちは、技術担当者です。なんやかんや、3連投してます;

本日、2012年3月11日、私は非公式任務ということで神上沼に特攻してきました☆


3月は正規の活動が3月25日のみでスポーニング(オオクチバスの産卵行動)の時期を詳しく調べるにはちょっと問題があります
また、昨年度4月に捕獲されたホンモロコの存在も、3月のいつ頃から神上沼に入ってくるのか調べる必要もあったので、3月の中旬の今日、非公式で行ってきたのです

 今日は午前中は天気も良かったので、10時頃から1時まで行ってきました

今日は天気が良かったせいか、普段は彦根旧港で釣りをしているというバサーが5~6人ほど来ていました。
バサーによると、『この時期に神上沼では、釣れたらデカい』そうです。そうかなぁ?

とりあえず、一通り神上沼を1周、投網を打ちながら回ります。なかなか捕れません。
ギルのちっこいのや、ナマズ、ホンモロコは捕れました☆

ナマズ


ホンモロコ

そして、最後に神上沼でのオオクチバスの産卵適地であろう1等地に行きました。
バサーが釣った後でしたが、投網を打ちます。

あれ?投網が引っ張られるよ?

つがいでしょうか?2匹のバスが同時に捕れました

その後も産卵適地をメインに投網を打っていくと、バスがつがいで捕れてきました。
1ペアのみ、大きなバス(50㎝は下らないサイズ)に投網を破られて逃げられてしまいましたが;

この測定板は30㎝の尺です。バスは最大44㎝でした。

合計、5尾のオオクチバスを捕獲できました。
この時期としては上等だと思います。

本日は、ホンモロコ5尾、オイカワ3尾、ナマズ2尾、ブルーギル2尾、オオクチバス5尾
という結果でした。

さてさて、、、
解剖タ~イム

今日は研究室がしまっていたので、自宅で解剖です

2匹同時に捕れていたので、てっきり産卵を意識したペアかと思っていましたが…

2匹ともオスということもありました。
この寒いのに男同士で何しているのか…

真ん中に見える白い線が生殖腺でこれはオスなので精巣です。

他の1ペアは片方は成熟したオスですが、相方は未成熟のオス。
オイオイ、あんたらもオス同士で寒い中浅いところに来ていたのかぃ...

残りの相方に逃げられたバスは、メスで卵を持っていました

メスは分かりやすく、黄色い卵があります。

相方はオスだったのかは不明ですが、経験的にペアの場合、メスの方が大型のことが多いので、なんともいえません。

とりあえず、2匹同時に捕れたバスは男同士だったことが分かりました

胃の内容物も調べました

浅瀬に来ているだけに、食べてました。
越冬中はバスは胃が萎縮して、餌をほとんど受付ませんが、
今回捕獲したバスのうち、4尾は胃の萎縮は解けて、捕食モードになってました。


調査では採捕されなかったフナが胃内容として出てきました


抱卵していたホンモロコです。卵が見えています

ホンモロコは絶滅危惧種となっており、そんな魚が産卵しようとやってきたところをバスに食べられているとは、なんとも悲しい実態です。

産卵期のホンモロコを守るべく、この時期の外来魚駆除は重要です!!
手が空いたらまた行ってみようかな

生殖腺も発達してきていますし、そろそろスポーニングも始まりそうです★



なごや生物多様性センター主催 『どう向き合う?外来生物』シンポジウム行ってきました☆

2012-03-10 21:12:52 | 雑談
こんにちは、技術担当者です。

本日私は、2012年3月10日名古屋市科学館にて、なごや生物多様性センター主催の『どう向き合う?外来生物』というシンポジウムに参加してきました


バサーズでもこの情報を回しておけばよかったのですが、応募〆切があり参加できなかったメンバーもいました;
次回からはこうした情報をもっと共有できるようにしたいと思います

自分としてはこうしたシンポジウムは久しぶりでした

シンポジウムでは、まず基調講演として国立環境研究所の五箇公一氏による、
『なぜ外来生物は増え続けるのか?~愛知ターゲットと外来生物防除~』という演題の講演がありました。
この講演の中では、外来クワガタムシによる日本のクワガタムシの遺伝的汚染問題や、一時期話題となったカエルツボカビ病の実情、そして外来生物問題の背景にある人間活動とグローバリゼーションなどについての話がされました。

外来クワガタムシの話では、日本には対馬列島や奄美諸島、また本土において亜種という形で日本のクワガタムシ(今回はヒラタクワガタについて)は多様な遺伝的特徴をもって生息しています。
この多様な遺伝的特徴は520万年もの年月をかけて成り立ったものといいます

しかし、最近夏にはスーパーなどでもムシキングの影響などで外来の大きなクワガタムシが売られています。こうした外来クワガタが飼育放棄されたり、逃亡するなどして自然界に放たれ、日本のクワガタと交雑しているという問題があります。

この背景には、クワガタムシを商品化するという経済構造、またグローバリゼーションがあります
一朝一夕で解決はできない複雑化した問題ですが、私たち個人でできることは、
クワガタに経済価値が付くのは、我々消費者が購入するからです。
購入するのは消費者の意思ですが、こうした問題もはらんでいることを知っておくべきでしょう
こうした生き物を飼育する際には、最後まで責任を持って飼育しましょうね


その後、名古屋市で取り組まれている外来生物防除事例報告として、なごや生物多様性センターの野呂達哉氏による『都市部における外来生物防除の取り組み』というテーマの講演がありました。
都市部で定着しているアライグマの問題について話されていました。
アライグマは、アニメの“アライグマ『ラスカル』”で一世を風靡し、ブームが起きました。しかし、アライグマは実はアニメのように人になつくことは難しく、大人になるにつれて凶暴になります

その結果、野外に捨てられ、日本各地で定着しています
そして、アライグマは狂犬病の媒介をする生物でもあるのです。
海外ではアライグマによる狂犬病による死亡事例もあります
狂犬病による致死率はほぼ100%ですので、身近にその病気を媒介する生き物がいると思うと怖いですね

やはり、生き物を飼育する際には責任が問われるということです



最後に、『なごやの生物多様性保全にむけて~市民は何ができるか~』という演題でパネルディスカッションがありました。
パネラーは
大畑孝二さん(日本野鳥の会チーフレンジャー)
佐久間大輔さん(大阪市立自然史博物館主任学芸員)
滝川正子さん(なごや生物多様性保全活動協議会会長)
谷口義則さん(名城大学准教授)

コメンテーターは
五箇公一さん

コーディネーターは
矢部隆さん(なごや生物多様性センター長・愛知学泉大学教授)

でした。
様々な視点でのコメントが行き交い、とても有意義な時間となりました

久々のシンポジウムでしたが、多くの人の話を聞いて自分の方向性を見つめ直し、
これからの活動へのやる気も出てきました。
今後は、バサーズメンバーでどんどんこうしたシンポジウムなどに出掛けて行きたいですね