平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「薬屋のひとりごと」~後宮と妓楼を舞台にしたミステリー。わたしが言えるのはここまです。もうわたしには関係ない。

2024年04月11日 | コミック・アニメ・特撮
 アニメ『薬屋のひとりごと』をイッキ見した。
 実に魅力的な主人公だ。
 後宮と妓楼──この特異なふたつの世界で物語が成立してしまう所がすごい。

 猫猫(マオマオ・悠木碧)はひとりごとを言う。
 つまり彼女の頭の中にはさまざまな言葉がうずまいている。
 でも、猫猫は多くを語らない。
「わたしが言えるのはここまでです」
「わかった所で面倒なだけだ。もうわたしには関係ない」
 と突き放す。
 実に醒めている。クールだ。

 感情もあらわにしない。
 あらわにするのは毒味する時、めずらしい薬草が手に入った時、お酒を飲む時。
 このギャップが猫猫を魅力的に見せている。

 そんな猫猫だが、壬氏(ジンシ・大塚剛央)や玉葉(ギョクヨウ・種﨑敦美)など、
 後宮や妓楼の人々から信頼され好かれている。人気者だと言ってもいい。
 その理由は薬屋としての腕が確かであったり、抜群の推理力・洞察力を持っているからだが、
 一番の理由は、他者に対する理解力・共感力が高いからだろう。

 シャーロック・ホームズは猫猫と同じように抜群の推理力、洞察力を持っているが、
 他者から変人として扱われ、あまり好かれていない。

 では猫猫とホームズの違いは何なのか?
 ネタバレになるので詳しく書かないが、猫猫の複雑な生い立ちにある。
 特に母親のこと。
 猫猫は母親を通して、生命の揺らめきや人が生きることの哀しさを理解している。
 だから猫猫のベースには他者に対する共感力ややさしさがある。
 ホームズのように他者を挑むべき謎を提供してくれる犯罪者・好敵手として見ることがない。

 アニメの世界にまたひとり魅力的なキャラクターが登場した。


※関連動画
 TVアニメ『薬屋のひとりごと』プロジェクトPV(YouTube)


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