平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

軍師官兵衛 第27回「高松城水攻め」~日の本に王はふたりもいらん

2014年07月07日 | 大河ドラマ・時代劇
 秀吉(竹中直人)は見事な人たらし。
「一番良い所を殿にお取りいただく」
 毛利攻略の手柄を自分のものとせず、信長(江口洋介)に譲る。
 信長にしっぽを振る犬といえばそれまでだが、ともかく信長第一で考える。

 一方、光秀(春風亭小朝)は……。
 考え方の根本には、帝があるんですよね。
 帝が第一で、信長は帝に仕える家臣のひとり。
 だから信長に官職を勧める。
 だが、信長にとって、それは帝の家臣になることだから受け入れない。

 光秀の帝重視は、徳川家康(寺尾聰)の饗応でも。
 京風の味付け。
 帝がいる『京の文化』が一番素晴らしいと思っている。
 その洗練された文化を家康にも知ってもらいたいと考えている。
 だが、信長は違う。
「味が薄い!」
 信長は味付けを自分や三河武士の家康の好みに合わせろと言っている。
 あくまで自分中心だ。
 もし、この饗応を秀吉がやっていたらどうだったのだろう?
 きっと「濃い味付け」の料理を出したに違いない。
 能の演目も取り澄ましたものでなく、わかりやすい派手なものに。

 そしてクライマックスの伏せ字。
「わしはこの国を造りかえる。××××××」
「なりませぬ、それはなりませぬ」
 これはNHK、ウヨクの街宣や抗議が怖くて伏せ字にしたのかなと思いましたが、答えは、
「日の本に王はふたりもいらん」
 帝至上主義者の光秀にとっては信じられない言葉だっただろう。
 人は何かを信じて生きている。
 僕なども憲法9条のある『平和憲法』を大切に思って生きてきましたから、今回の安倍晋三の所業は許せない。
 光秀の気持ち、よくわかりますわ。

 あとは黒田家。
 高松城の水攻めでは金をふんだんに使って土のう集め。
 そこで官兵衛(岡田准一)、いはく
「金は使う時に使わなければ石くれと同じ」
 黒田家の家訓は生きていたんですね。
 この家訓は中国大返しの時も出てきそう。
 また、このシーンでは石田三成(田中圭)がいましたが、「のぼうの城」を思い出してしまいました。

 後藤又兵衛(塚本高史)も帰ってきた。
 このシーンでは、光(中谷美紀)がよかった。
「お前は二度も母を捨てるというのですか?」
 こう言われたら又兵衛も何も言えませんよね。
 その後の職隆(柴田恭兵)のせりふもいい。
「大事な孫が帰って来よった」

 さて次回は本能寺。
 織田信長の死を受け悲しむ秀吉に「好機が訪れました」と言うシーンについて、官兵衛を演じている岡田准一さんは、
「本当は真っすぐさやピュアさがあったけど、前半部分でそこはしっかり演じてきたつもりなので、それを残しながら、個人的にはもっと悪く演じていきたい」
 とインタビューで答えている。
 さて、どんな官兵衛が演じられるか。

 関連リンク「V6岡田、軍師官兵衛の悪役顔は大河主人公ギリギリ?」


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4 コメント

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ようやく官兵衛に「凄み」 (TEPO)
2014-07-07 23:22:34
>「本当は真っすぐさやピュアさがあったけど、前半部分でそこはしっかり演じてきたつもりなので、それを残しながら、個人的にはもっと悪く演じていきたい」

そうですか。
ただ表情が厳しくなっただけでなく、「もっと悪く」なることにより官兵衛に「凄み」が増すとなれば楽しみです。
待ってました!「黒だ!官兵衛!」

前に
(1) 秀吉は信長の忠臣
(2) 官兵衛は秀吉の忠臣
という二つの条件が「善人の限界」となっていると書きました。
信長の死を「好機」と見る視点は「善人の限界」からみて微妙なところですね。
秀吉も自分の死に際して同じように考えるのではないか、と官兵衛を警戒したと言われているようですし。
ただし、「真っすぐさやピュアさ」を残しながら、というところは「秀吉の天下」に理想の実現を求める大義のもとに、ということなのでしょう。
こうして見ると、官兵衛は宇喜多直家の遺言の路線を忠実に歩んでいるように思えます。

もう一点印象的だったのは、堤に水を流し込む場面や厳しい態度で恵瓊に応対する官兵衛を見る長政の表情をアップにしていたところです。
前回「猪武者」ぶりを咎められて反発していた長政が、
父親の「凄み」に圧倒されている感じがよく見て取れました。
秀吉を通して (コウジ)
2014-07-08 08:44:32
TEPOさん

いつもありがとうございます。

官兵衛が秀吉に天下を取るように勧めるのは、おっしゃるとおり、「秀吉の天下」に理想の実現を求めたからなんでしょうね。
・秀吉の人柄や考え方なら、天下を託すに足る。
・秀吉というリーダーを通して、自分に理想を実現できる。
官兵衛はこう考えたに違いありません。

しかし、人が権力を持つのは驕りと崩壊の始まりなのかもしれませんね。
信長しかり、秀吉しかり。
信長にしても最初はピュアな心で天下を目指していたと思うのですが、権力がだんだん彼を狂わせていった。
まわりに批判する者が誰もいないという状況はそれに拍車をかける。
清盛もそうでしたが、歴史は繰り替えすんでしょうね。

>長政が、父親の「凄み」に圧倒されている感じがよく見て取れました。

あのシーン、よかったですね。
官兵衛の壮大な発想力。
長政は剣や槍を交えることだけが、いくさでないことを学んだことでしょう。
あのシーンが前回描かれた長政の物語の結論だったんでしょうね。
Unknown (Unknown)
2014-07-23 23:00:30
「日の本に王はふたりもいらん」
は今までの流れだと信長が出ていくって事だと思いますけどねぇ

このドラマはそういう流れを作ってましたよね
光秀の勘違い? (コウジ)
2014-07-24 08:10:28
でも、その解釈だと、光秀のせりふ「なりませぬ」や謀叛の理由が説明できなくなくなってしまう。

光秀は信長の言葉を勘違いしたということでしょうか。

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