平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

カルテッド~人生の〝下り坂〟にさしかかった男女4人は、どんなカルテッドを奏でるのか?

2017年01月18日 | その他ドラマ
「人生には三つの坂がある。
 上り坂と下り坂と、まさか」

 30代、人生の〝下り坂〟を感じ始めた男女4人の物語である。

 巻真紀(松たか子)はヴァイオリン
 別府司(松田龍平)もヴァイオリン
 世吹すずめ(満島ひかり)はチェロ
 家森諭高(高橋一生)はビオラ

 音楽を志して成功を夢見たが、くすぶっている。
 自分の限界もわかってきた。
 もはや、〝上り坂〟の人生は望めない。
 あとは緩やかな〝下り坂〟があるだけ。
 どこかで踏ん切りをつけて、音楽を<趣味>にしてしていれば別の人生もあったのだが、<夢>にしてしまったため、音楽以外の人生も上手くいっていない。

 彼らは、<余命9ヶ月のピアニスト>とウソをついて仕事を得ているピアニストのベンジャミン瀧田(イッセー尾形)に出会う。
 そして、孤独で惨めな瀧田の姿を将来の自分に重ね合わせる。
 瀧田は<音楽を夢にしてしまったキリギリス>のなれの果てなのだ。
 <音楽を趣味にしたアリ>になっていれば、奥さんも子供もいて、それなりに幸せな家庭を営んでいたかもしれない。
 ……………

 う~む。
 人生をしみじみと感じさせてくれるドラマだな~。
 これは、ある程度、年齢を重ねないと理解できない心境。
 若い時はイケイケで、坂をのぼることしか考えていないし、自分の限界も見えていない。

 緩やかな下り坂の4人。
 そんな彼らがどんなカルテッドを表現してくれるのか?

 ベンジャミン瀧田は言った。
「音楽はドーナッツのようなもの。
 何かが欠けている人間が奏でるもの」
 そう、4人も何かが欠けていて、心に空虚を抱えている。
 そんな彼らは今後どんな音楽を奏でてくれるのだろう?
 今回、彼らが演奏したのは、ショッピングモールでの「ドラゴンクエスト」とスメタナの「モルダウ」だったが、彼らにはもっと他の曲がある気がする。
 あるいは、同じ曲でも、彼らにしかできないもっと別な表現があっていい。

 舞台は静かな森林に囲まれた軽井沢の山荘。
 これが清浄で、どこか不思議な雰囲気を醸し出している。

 脚本は坂元裕二さん。
 坂元さんの作品は手強くて消化するのが大変なんですけど、がんばってみますか。


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4 コメント

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Unknown (megumi)
2017-01-18 22:58:50
コウジさん  こんばんは。

大河は、まだ見ていないんですよ。
高橋一生さんが出て来たら見ようかな・・・と迷い中です。

そんなわけで、この「カルテット」は、彼を見たくて見始めました。
期待通りの高橋さんなので見続けようと思っています。

確かに坂元脚本はクセが強いので、好き嫌いが分かれますよね。
私は「mother」と「最高の離婚」にはハマりました。
でも「woman」と「それでも生きていく」はダメでした。
独特の台詞回しの満島さんが苦手なのかもしれません。
今回もみぞみぞずるに背中がムズムズゾワゾワしました。(悪い意味です)

ストーリー的には、先が気になる今季唯一の民放ドラマだと思いました。
とにかく、1回目でリタイアしたものが多いです。
嘆かわしいくらい不作ですねぇ。

それと
笑われるかもしれませんが「雲霧仁左衛門3」も熱心に見ています。
年寄りは良質の時代劇が好きなんですよ。(笑)
被りのせいか (ho)
2017-01-19 01:26:44
嘘の戦争2話見てたら、番組がすでに始まり、ショッピングセンターで演奏してた。週末に再放送するらしいので予約した。曲者4人の四重奏、かなり期待しております。(10%割れから上げれるかなあ)
クセが病みつきになる (コウジ)
2017-01-19 09:30:25
megumiさん

いつもありがとうございます。

>坂元脚本はクセが強いので、好き嫌いが分かれますよね。
おっしゃるとおり。
でも、そのクセが病みつきになるんですよね。

「mother」については、以前、megumiさんとここでお話ししましたよね。
僕はあれ、苦手で挫折したんです。
逆に「それでも生きていく」はよかった。
何なんでしょうね、この違いは。

あと、僕は満島ひかりさんが大好き……!
靴下を脱いでチェロを演奏する姿を見て、おおっ、カッコいい! と思いました。

今季ドラマは確かに第1回リタイアが多いですよね。
「雲霧仁左衛門3」、今度見てみよう。
アニメ「鬼平」も録画したまま、まだ見ていないんですけど、あの世界をどう表現しいているのか興味があります。
ひとつひとつのシーン (コウジ)
2017-01-19 09:39:25
hoさん

いつもありがとうございます。

前半を見逃されたんですね。
独特の構成だったので、前半を見逃すと、ちょっと分かりづらいかも? になるかもしれませんね。

ただ、シーンのひとつひとつは一篇の詩のようで、全体のストーリーなど関係なく、魅了されますよね。
強風の中、ベンジャミン瀧田が赤い帽子を追いかけるシーンなんか、すごくよかった。
坂元裕二作品は、全体というより、ひとつひとつのシーンを楽しめばいいのかもしれません。

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