「井伊を潰さず、鶴とも夫婦にならない方法」
おとわ(新井美羽)はひたすら考える。
父親や母親のように思考停止にはならない。
おとわは「答えはひとつ」ではなく、山の頂上に登るにはいくつものルートがあることを知っているのだ。
自分の父親が犯した罪に悩む鶴丸(小林颯)に対しても、
「それは鶴がやったことではなかろう。鶴の父親がやったことで、鶴を恨むことではなかろう」
と、しっかり区別して考えている。
聡明なおとわ。
和尚(小林薫)など、周囲の大人たちの言葉をスポンジのように吸収する理解力もある。
腹も据わっている。
今川の武将に問い詰められても目をそらさない。
亀之丞(藤本哉汰)を逃がすために囮になった件でも、
「竜宮小僧を捜しておったのです」
と言ってのける。
それと行動力。
こうと決めたら、迷うことなく突っ走る。
亀之丞に笛を届け、囮になり、自分の存在が障害になると考えれば家出をし、「井伊を潰さず、鶴とも夫婦にならない方法」として髪を切る(=男になる。出家する)。
これがヒロインなんですね。
いささかデキすぎな感じもするが、君主やリーダーになる資質を備えている。
おとわはどんな大人になるのだろう?
現在は直虎登場までのネタをいろいろ仕込んでいる感じ。
………………
作品としては、どこかファンタジーな雰囲気があるなぁ。
竜宮小僧や井伊谷の自然のせいだろうか?
和風ファンタジーのプリンセスが山の中を駆けまわっている感じ。
このあたりは従来の大河ドラマファンには違和感がありそう。
井伊直虎に関しては、資料がほとんどないらしい。
脚本の森下佳子さんもインタビューで、
「年表もすっかすか。どうすんねん! って思った」
と語っている。
つまり森下さんは、すっかすかな分、おとわやまわりの人々を自由に描けるのだ。
森下佳子さんの代表作と言えば、『仁-JIN-』や『天皇の料理番』。
主人公を歴史や歴史上の人物と絡めて描くのがお得意な脚本家さん。
この作品『おんな城主直虎』も、井伊直虎という資料的に真っ白な人物を戦国時代に放り込んだら、どんなドラマが生まれるかというモチーフで描かれているのだろう。
こうした大河ドラマには、『花燃ゆ』や『八重の桜』があるが、果たしてどうなるか?
おとわ(新井美羽)はひたすら考える。
父親や母親のように思考停止にはならない。
おとわは「答えはひとつ」ではなく、山の頂上に登るにはいくつものルートがあることを知っているのだ。
自分の父親が犯した罪に悩む鶴丸(小林颯)に対しても、
「それは鶴がやったことではなかろう。鶴の父親がやったことで、鶴を恨むことではなかろう」
と、しっかり区別して考えている。
聡明なおとわ。
和尚(小林薫)など、周囲の大人たちの言葉をスポンジのように吸収する理解力もある。
腹も据わっている。
今川の武将に問い詰められても目をそらさない。
亀之丞(藤本哉汰)を逃がすために囮になった件でも、
「竜宮小僧を捜しておったのです」
と言ってのける。
それと行動力。
こうと決めたら、迷うことなく突っ走る。
亀之丞に笛を届け、囮になり、自分の存在が障害になると考えれば家出をし、「井伊を潰さず、鶴とも夫婦にならない方法」として髪を切る
これがヒロインなんですね。
いささかデキすぎな感じもするが、君主やリーダーになる資質を備えている。
おとわはどんな大人になるのだろう?
現在は直虎登場までのネタをいろいろ仕込んでいる感じ。
………………
作品としては、どこかファンタジーな雰囲気があるなぁ。
竜宮小僧や井伊谷の自然のせいだろうか?
和風ファンタジーのプリンセスが山の中を駆けまわっている感じ。
このあたりは従来の大河ドラマファンには違和感がありそう。
井伊直虎に関しては、資料がほとんどないらしい。
脚本の森下佳子さんもインタビューで、
「年表もすっかすか。どうすんねん! って思った」
と語っている。
つまり森下さんは、すっかすかな分、おとわやまわりの人々を自由に描けるのだ。
森下佳子さんの代表作と言えば、『仁-JIN-』や『天皇の料理番』。
主人公を歴史や歴史上の人物と絡めて描くのがお得意な脚本家さん。
この作品『おんな城主直虎』も、井伊直虎という資料的に真っ白な人物を戦国時代に放り込んだら、どんなドラマが生まれるかというモチーフで描かれているのだろう。
こうした大河ドラマには、『花燃ゆ』や『八重の桜』があるが、果たしてどうなるか?
私は「和風ナウシカ」を感じました。
仰るとおり、我らが「井伊谷のナウシカ」はすでにその知恵と度胸とを駆使して大人たち相手に互角以上の闘いを展開しています。
しかし、逆に言えば
>いささかデキすぎな感じもするが
>このあたりは従来の大河ドラマファンには違和感がありそう。
わずか10歳前後の童女と「互角以下」ということは、大人たち、それも戦国の大人たちにしては情けなさ過ぎるかもしれません。
亀之丞への献身という形で、すでに「反今川」の旗幟鮮明に闘っているおとわに対して、たとえば「殿」というよりは中間管理職然とした父直盛などは随分と見劣りがしてしまいます。しかしながら、
>現在は直虎登場までのネタをいろいろ仕込んでいる感じ。
先週も書いたとおり、この先彼女を待ち構えている苦難を跳ね返すためにはこのくらいパワフルなヒロイン像が必要だという計算ではないかと思います。
私にとっては、とにかく「森下さん」だということが期待の材料です。
『八重の桜』、少なくとも『花燃ゆ』のようなことにはならないと信じています。
いつもありがとうございます。
「和風ナウシカ」、なるほど、的確な表現ですね。
>戦国の大人たちにしては情けなさ過ぎるかもしれません。
おっしゃるとおり、ここはバランスの取り方が難しいですよね。
おとわを立てすぎると、大人たちの魅力が半減してしまう。
『真田丸』で言う昌幸のような存在が必要。
今作では、小林薫さんが演じる和尚がその役割なのでしょうが、達観しすぎているので視聴者は感情移入しにくい。
大人になったとわは、小さくまとまらずに凜々しくパワフルでいてほしいですよね。
それでこそ、現在の少女時代の描写が活きてくる。
『八重の桜』の八重は、<戦国のジャンヌ・ダルク>と謳ったわりには、今ひとつおとなしかったですからね。
さて、どのような直虎が登場するのか?
そう思われますか。
実は現時点で私が一番感情移入している人物は南渓和尚です。
まあ、私の趣味が特殊なのか、私自身の歳のせいなのかもしれませんが。
やや史実ネタバレをお許しいただけば、父直盛も直親(亀之丞)も、今登場している主だった家臣たちも皆死んでしまいますが、生涯にわたって直虎を支えてくれるのは他ならぬ南渓です。
一般には、直親を演じる若くて二枚目の三浦春馬さんがヒーロー(ヒロインのパートナー)だと考えられていますが、直虎の真のパートナーはこの人だと言っても良いように思います。
こうした南渓からはナウシカの師である剣士ユパ・ミラルダが連想されます。
ユパは常にシリアスでしたが、南渓は飄々としているところがまた私にとっては魅力的に感じられます。
>大人になったとわは、小さくまとまらずに凜々しくパワフルでいてほしいですよね。
>それでこそ、現在の少女時代の描写が活きてくる。
公式HPの柴咲コウさんへのインタビューによれば
>序盤は新井美羽ちゃん演じるおとわの、かわいらしさと朗らかさが魅力的に映るのではないでしょうか。私も同じ人物を演じるので、おとわとしてのあり方をリハーサルなどで見せてもらい、お芝居に生かそうと思っています。
とのことです。
期待したいと思います。
僕も南渓和尚、好きです。
僕はいろいろな哲学、宗教を渡り歩いて来ましたが、何だかんだで、仏教が一番しっくり来るんですよね。
そして、和尚は仏教を体現している人。
俗世を離れ、ああいう境地になりたいですよね。
直親(亀之丞)たちは死ぬんですか……!
TEPOさんが、〝待ち構えている苦難〟をしきりにおっしゃるので、どういうことかと思っておりましたが、そういうことなんですね。
柴崎コウさんの姿勢は素晴らしいですね。
確かに期待が持てます。