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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

軍師官兵衛 最終回「乱世ここに終わる」~殿、よく生き抜かれましたなぁ

2014年12月22日 | 大河ドラマ・時代劇
 三成(田中圭)が長政(松坂桃李)に言ったせりふ。

「わが思いは如水殿だけはわかってくれよう」

 これはどういう意味なんだろうと思っていたら、次のような言葉があった。
 三成が家康(寺尾聰)に言ったせりふだ。

「天下を争うことが出来たこと、本望でございました」

 つまり三成が長政に言いたかったことって
「俺は家康と天下を争ったが、お前は家康についていっただけの犬だろう?
 俺と同じように天下を争った如水だけが俺の思いをわかっている。
 天下を争った俺は如水と同列だが、お前はそれ以下だ」
 という自負。

 確かに、左手のエピソードにもあるとおり、長政は天下を奪おうとしなかった点で、器が小さいんですよね。
 長政は常に家康の子分だった。

 では、長政は最後の最後まで、父・如水(岡田准一)を越えられなかったのか?
 後日、如水は長政に語る。

「見事であった。
 お前は立派に黒田を守った。
 あれでよかったのだ。
 長政、あの時、お前はわしを越えた。
 うれしかったぞ。
 子に越えられるというというのは悪いことではない」

 <生き残る>という点では、長政の判断は正しかったんですね。

 あるいは、関ヶ原の時、如水は、安国寺恵瓊(山路和弘)と同じで、情勢判断を間違えた。
 如水の第三の道は挫折した。
 この点において、家康についた長政は官兵衛より優れていたのかもしれません。
 三成憎しの思いがあったにせよ、臣従する相手を間違えなかった。

 客観的に見れば、黒田家親子の行動パターンは似ている。
 如水は秀吉(竹中直人)について、黒田家を隆盛させた。
 長政は家康について、黒田家を52万石の大大名にした。

 判断を間違えば死が待っている戦国の世。
 途中で死んでいったのは、小寺政職、櫛橋左京進、別所長治、山中鹿介、荒木村重、信長、明智光秀、柴田勝家、石田三成、安国寺恵瓊……。
 こんな中、最後まで生き残って、家を隆盛させた黒田親子は「あっぱれ」と言っていいのではないでしょうか。
 おまけに彼らは、泰平の世の中をつくるために貢献した。

 長政の子が『万徳』というのも興味深い。
 『万徳』の<万>は如水の幼名・万吉の万。一方、<徳>は徳川の徳。
 つまり如水と徳川が合体した名前。

 締めくくりは、光(中谷美紀)の言葉。

「殿、よく生き抜かれましたなぁ」

 関ヶ原のことは大博打であったが、官兵衛の生涯は、平和を作り、生き残るために心血を注いだ人生であった、とまとめることが出来そうです。


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幸せな最期と来年 (TEPO)
2014-12-23 02:51:41
>関ヶ原のことは大博打であったが、官兵衛の生涯は、平和を作り、生き残るために心血を注いだ人生であった、とまとめることが出来そうです。

官兵衛の最期を看取った人選は、光、長政は別格として、忠臣三人衆と老侍女お福でした。
個人的な希望としては、「三人衆」との物語-おそらくそれは「痛快ドラマ」路線と重なる-がもっとあってよかったと思いますが、幸せな納得の行く最期だったと思います。

ここ数年、大河完走を続けていますが、来年はどうしようか考え中です。
NHKが現会長になる前から「安倍氏におもねる作品」という評判がありました。
「八重の桜」が結局山本覚馬伝になったように、次作は吉田松陰伝になりそうな気がしています。
前にも書きましたが、私は個人的には吉田松陰を評価していないのですが、キャストは豪華なようです。
ドラマとしての出来をしばらく見てから考えようと思います。
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一年間ありがとうございました (コウジ)
2014-12-23 09:37:19
TEPOさん

一年間ありがとうございました。

「官兵衛」は破綻のない作品かと思っていましたが、長政や家康との関係の描き込みは十分でなかった気がしました。
ラストでこうまとめたか、という感じ。
欲を言えばきりがないんですけど、父親越えをしたい長政とか、家康とのライバル関係などをもっと描いていたら、と思ってしまいます。

「花燃ゆ」に関しては、TEPOさん、あまり吉田松陰がお好きでなかったんですよね。
僕自身は、<過激な狂信者>という一面を持つ松陰と松下村塾の人間たちが主人公になった時、どう描かれるかは興味があります。
登場人物たちが「国がーー」「国がーー」と連呼するようだと僕も引くかもしれません。


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