(原題:Reign over me)
「今日は爆弾発言をしちゃう。
来年のオスカー、主演男優賞はアダム・サンドラーで決定」
----それは確かに大胆だ。
まだ8月というのに…。
「でも、この『再会の街』を観たら
だれでもそう思うと思うよ。
ついでに言えばドン・チードルが助演男優賞で、
脚本賞が監督のマイク・バインダー」
----よっぽど気に入ったんだ。
「うん。この映画はとにかく
前情報なしで観てほしいし、
そのためここでは簡単なプロットだけ。
歯科医のアラン・ジョンソン(ドン・チードル)は、
ある朝、大学時代のルームメイト、
チャーリー(アダム・サンドラー)を街で見かける。
ぼさぼさの頭、だぶだぶの服、
ペンキ缶を下げたその姿は、
とても成功した歯科医とは思えない。
車の窓越しに声をかけるアラン。しかし彼の声は届かない。
後日、アランは再びチャーリーと遭遇。
しかし彼はアランのことを知らないと言う。
実はチャーリーは5年前の9月11日、
愛する家族を一度に失い、
その哀しみから殻に閉じこもったままとなっていたのだった…」
----!!!そうか、それでチャーリーは精神を病んでしまったわけだ。
「そう。チャーリーの前では彼の妻や娘のことは禁句。
それに少しでも触れると
人が変わったように暴れてしまう。
家ではゲーム、外ではiPodで往年のロックばかりを聴いているチャーリー。
アランはなんとかしてその心を開こうとするが…」
----ニャるほど。
良心的ハリウッド映画の王道って感じだね。
「ひとりの友の心を救うという意味では
アラン・パーカーの『バーディ』を思い出したけどね。
愛する者をすべて失った喪失感、
その苦しみをここまで深く描いた映画をぼくは寡聞にして知らない」
----その深い苦しみをアダム・サンドラーが演じるんだね。
いつもの顔とは全然違う。
ちょっとボブ・ディランに似ているね。
「海外では『チャンス』のピーター・セラーズを引き合いに出している評もあって
それも最大の賛辞だとは思うけど、
ぼくは『フィッシャー・キング』のロビン・ウィリアムズを連想したね。
バディムービーってところも似ている。
もっと言えばニューヨークを低い視点から見つめていて、
『真夜中のカーボーイ』をはじめとする
数々のニューシネマの趣もある。
アランはアランで悩みを抱えていて、
チャーリーのために一生懸命になる姿を妻から
『彼の自由がうらやましいのでは…』と言われる始末。
時代の違いもあるんだろうけど、
ストレートな友情美談とはなっていない」
----周りの俳優もいいよね。
「うん。女精神科医にリヴ・タイラー。
途中から重要なキーを占める女性にサフロン・バロウズ。
そして注目してほしいのが裁判官を貫禄で演じているドナルド・サザーランド。
その見事な裁きぶりには
だれもが拍手したくなるのではないかな?
そうそう、個人的には『未知との遭遇』のメリンダ・ディロンが観られたのも嬉しかったね。」
----裁判もあるの?
「うん。物語は途中、
立ち直りを見せたかに見えたアランが
街角である危険行為に出たことから
彼を目の届くところに置き、長期入院させるか否かが争われるんだ。
この法廷シーンもこの映画のハイライトのひとつだけど、
ほんとうの感動はその後にやってくる」
----ふうん。でもこの監督は知らないニャあ。
「『ママが泣いた日』のマイク・バインダー。
ぼくも知らなかったけど、
俳優としても活躍。
この映画でもアランの会計士という
どちらかと言うと嫌われ役を見事に演じきっていたよ。
これから要注目だね」
----フォーンも早く観たいニャあ。
えっ、お正月映画にゃの?
「うん。それだけソニーも
じっくり売ろうとしているということだろうね」
※ついでの情報-----メル・ブルックスの映画が3本も登場!
『ブレージング・サドル』『ヤング・フランケンシュタイン』『サイレント・ムービー』
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「とてもアダム・サンドラーとは思えないニャ」![ぱっちり](http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/05/0000123905/18/img84ef429awp4tuo.jpeg)
※これは大のオススメだ度![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hakushu.gif)
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※予告編/オフィシャル
「今日は爆弾発言をしちゃう。
来年のオスカー、主演男優賞はアダム・サンドラーで決定」
----それは確かに大胆だ。
まだ8月というのに…。
「でも、この『再会の街』を観たら
だれでもそう思うと思うよ。
ついでに言えばドン・チードルが助演男優賞で、
脚本賞が監督のマイク・バインダー」
----よっぽど気に入ったんだ。
「うん。この映画はとにかく
前情報なしで観てほしいし、
そのためここでは簡単なプロットだけ。
歯科医のアラン・ジョンソン(ドン・チードル)は、
ある朝、大学時代のルームメイト、
チャーリー(アダム・サンドラー)を街で見かける。
ぼさぼさの頭、だぶだぶの服、
ペンキ缶を下げたその姿は、
とても成功した歯科医とは思えない。
車の窓越しに声をかけるアラン。しかし彼の声は届かない。
後日、アランは再びチャーリーと遭遇。
しかし彼はアランのことを知らないと言う。
実はチャーリーは5年前の9月11日、
愛する家族を一度に失い、
その哀しみから殻に閉じこもったままとなっていたのだった…」
----!!!そうか、それでチャーリーは精神を病んでしまったわけだ。
「そう。チャーリーの前では彼の妻や娘のことは禁句。
それに少しでも触れると
人が変わったように暴れてしまう。
家ではゲーム、外ではiPodで往年のロックばかりを聴いているチャーリー。
アランはなんとかしてその心を開こうとするが…」
----ニャるほど。
良心的ハリウッド映画の王道って感じだね。
「ひとりの友の心を救うという意味では
アラン・パーカーの『バーディ』を思い出したけどね。
愛する者をすべて失った喪失感、
その苦しみをここまで深く描いた映画をぼくは寡聞にして知らない」
----その深い苦しみをアダム・サンドラーが演じるんだね。
いつもの顔とは全然違う。
ちょっとボブ・ディランに似ているね。
「海外では『チャンス』のピーター・セラーズを引き合いに出している評もあって
それも最大の賛辞だとは思うけど、
ぼくは『フィッシャー・キング』のロビン・ウィリアムズを連想したね。
バディムービーってところも似ている。
もっと言えばニューヨークを低い視点から見つめていて、
『真夜中のカーボーイ』をはじめとする
数々のニューシネマの趣もある。
アランはアランで悩みを抱えていて、
チャーリーのために一生懸命になる姿を妻から
『彼の自由がうらやましいのでは…』と言われる始末。
時代の違いもあるんだろうけど、
ストレートな友情美談とはなっていない」
----周りの俳優もいいよね。
「うん。女精神科医にリヴ・タイラー。
途中から重要なキーを占める女性にサフロン・バロウズ。
そして注目してほしいのが裁判官を貫禄で演じているドナルド・サザーランド。
その見事な裁きぶりには
だれもが拍手したくなるのではないかな?
そうそう、個人的には『未知との遭遇』のメリンダ・ディロンが観られたのも嬉しかったね。」
----裁判もあるの?
「うん。物語は途中、
立ち直りを見せたかに見えたアランが
街角である危険行為に出たことから
彼を目の届くところに置き、長期入院させるか否かが争われるんだ。
この法廷シーンもこの映画のハイライトのひとつだけど、
ほんとうの感動はその後にやってくる」
----ふうん。でもこの監督は知らないニャあ。
「『ママが泣いた日』のマイク・バインダー。
ぼくも知らなかったけど、
俳優としても活躍。
この映画でもアランの会計士という
どちらかと言うと嫌われ役を見事に演じきっていたよ。
これから要注目だね」
----フォーンも早く観たいニャあ。
えっ、お正月映画にゃの?
「うん。それだけソニーも
じっくり売ろうとしているということだろうね」
※ついでの情報-----メル・ブルックスの映画が3本も登場!
『ブレージング・サドル』『ヤング・フランケンシュタイン』『サイレント・ムービー』
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「とてもアダム・サンドラーとは思えないニャ」
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※予告編/オフィシャル
もうこれは涙なくして見られませんね。
裁判官のセリフも、その直後のチャーリーにも泣かされましたし、
ラスト前、チャーリーの家を訪れた義父母がキッチンのリフォームに対していったなにげないセリフが
チャーリーの苦悩をすべて表現していたようで最高に泣けました。
こないだ『4分間のピアニスト』を絶賛しましたけど、今作はその上を行くかもしれません。
april_foopさんとは、ほとんど好みが一致するので
とても嬉しいです。
この映画は、ぼくも今年の洋画の5本の指に入ります。
まさかアダム・サンドラーでここまで泣かされるとは
思ってもいませんでした。
april_foopさんは、まだレビューはアップされていないようですね。
アップされたらご連絡お願いします。
読むのが待ち遠しいです。
いつもえいさんの、造詣豊かなレビュー楽しませてもらってます。
アダム・サンドラー、別人かと思うほどの入り込みっぷりですね。コメディできる人はやっぱりシリアスも上手だなと思います。
おはようございます♪
アダムのシリアス演技が好きです
監督が舞台挨拶で言ってたんですが、
二人とも(とくにドンチードル)役について
何度も電話して来て、ここはこうでいいのか?これはどう理解する?と本当にじっくり役を研究してどんな役もやりこなす役者だと。
キャスティング最高でしたよね
あ、監督自身もコメディアン出身だけあって面白い人でした
アダム・サンドラー、よかったですよね。
ちょっとボブ・ディランを思い出しました。
最近、この映画のことよく考えて
どこかで観た記憶が…
と思ったら『バーディ』。
ベトナム戦争の体験が元で
自分の世界に閉じこもった男を救おうとする男。
これも泣ける友情の物語でした。
(声までディランぽかったですが)
人と人とのつながりを丁寧に描いた物語や
心情にフィットした音楽を含めて、
心に残る作品になりました。
コメントありがとうございます。
そういえば、声までディランに似ていたような…。
ぼくはこの映画は、2007年の5本の指に残る作品となりました。
アダム・サンドラーの焦点が合わない視線が何とも言えなかったです。オスカーとってくれると嬉しいですね。
悲しいお話なのですが、これはきっと他人事ではない、誰にでも訪れる可能性のある喪失なのだと思いました。
アダム・サンドラーって、あまり好きなタイプの俳優ではなかったのですが、
この作品に関しては脱帽です。
映画は9.11を背景としていますが、
大切な人を失った喪失感という普遍性のあるものになっていましたね。
TBは何度かさせていただいていますが、コメントは初めましてです。
ホントにいい映画でしたね!
こんなにも重いテーマで、メッセージ性があるのに、まったく押し付けがましくない。
アダム・サンドラーがボブ・ディランに似てるというのは私も思いました。
チラシのNYを歩くアランとチャーリーは、アルバム「THE FREEWHEELIN」のディランと当時の彼女の構図に似てるなと思ってました。