(原題:Angels and Demons)
-----この映画、あの『ダ・ヴィンチ・コード』
の続編ニャんだって。
「宣伝としては、そうしたいところなんだろうけど、
ダン・ブラウンが書いた原作はその順序が逆。
『ダ・ヴィンチ・コード』が大ヒットしたことだし、
それにあやかってということだろうね」
----でも、主人公は同じロバート・ラングドン教授ニャんでしょ?
「うん。演じているのも同じトム・ハンクス。
監督も引き続きロン・ハワードが担当している」
----へぇ~っ。そうニャんだ。
確か、『ダ・ヴィンチ・コード』の方は、
あまり気に入ってはいなかったよね。
今回はどうだった?
「いつも言っていることだけど、
こういうベストセラーの映画化作品について語るのはほんとうに難しい。
まず、原作ものということで、
ストーリーを語ることの意味はなくなってくる。
映画化した以上は、映画としての特性、魅力について見ていかなくてはいけない。
ぼくは、この原作を読んだとき、
映画に向いているけど、まず映画化は無理と思っていた。
ところが、なんとやってのけた。
これには素直に敬意を表したいな」
----どうして映画化は無理と思ったの?
「だって、舞台がローマとヴァチカン。
しかも物語のカギとなるのが実在する教会や遺跡。
内容が内容だけにヴァチカンが許可するわけはないし…。
しかもそれに加えて前作『ダ・ヴィンチ・コード』で
ヴァチカンの高官の怒りを買ったという経緯があるからね。
本作(映画)では、そのことを逆手にとって
ラングドンの口からヴァチカンとは“冷戦状態”という内容のことを喋らせるなどの“遊び”も」
----へぇ~っ。ニャかニャかやるニャあ。
ところで今回もミステリーなの?
『ダ・ヴィンチ・コード』は駆け足で、
謎解きをじっくり描いていなかったと言っていなかった?
「ミステリはミステリーだよ。
原作を読んだとき、
ぼくは、
裏で糸を引く犯人が誰なのか、
最後まで見抜けなかったもの。
でも、この映画を初めて観た人はどうなんだろう?
写し方や会話などで
すぐ分かってしまうんじゃないかな。
もっとも、これはぼくがすでに真相を知っているからかもしれないけど…。
ただ、その<ミステリー>は横に置いても、
タイムリミット・サスペンスの方は
かなりうまくいっていたんじゃないかな。
狭い街中を右へ左へ。
時間と勝負しつつ車を駆使して動きまわる。
さすがロン・ハワード。
こういう映画的表現は手慣れたもの。
それと脚色の方も今回の方。
思い切った省略で
『ダ・ヴィンチ・コード』に観られた
“全部語ろう”からくるドタバタ感はなくなった。
ただ、省略しすぎの感もがなきにしもあらずだけど…」
----そもそも、これはどういうお話ニャの?
「じゃあ、かいつまんで。
“イルミナティ”と呼ばれる、
すでにこの世には存在しないはずの秘密結社が
ローマ教皇亡き後に行われる、
新しい教皇の選挙=コンクラーベに乗じて復活。
次の教皇の最有力と目されている枢機卿4人を誘拐。
一時間おきに“EARTH” “AIR”“FIRE”“WATER”にちなんだ方法で処刑。
しかも胸には、なんとそれらの文字が“アンビグラム”になった焼印を押す。
一方で、彼らはスイスにあるセルンの素粒子研究所から
究極の大量破壊兵器となる反物質を盗み、
ヴァチカンを消滅させてしまおうと企てる。
これを阻止するべく呼ばれたのがラングドンと
セルンの科学者ヴィットリア(アイェレット・ゾラー)。
はたして彼らは時間までに4人の枢機卿が処刑される場所、
そして反物質が隠されている場所を探すことができるか……。
こういう話だね」
----ニャに?そのアンビグラムって?
「文字を180度回転させたり、
鏡に写したりしてできるデザインのこと。
実はこれは今回、初めて知ったんだけど、
ダン・ブラウンは1990年代にミュージシャンとして活躍していて、
『天使と悪魔(Angels&Demons)』というCDのジャケット・デザインを
アンビグラムが得意なグラフィック・アーチストに依頼。
そのアーチストの名が、なんとジョン・ラングドンというらしい」
----へぇ~っ。それ聞いただけで得した気分だ。
今日はもういいや。
「あらあら。もう少し付き合ってよ。
ところが、前作のダ・ヴィンチに隠された謎の解き明かしと同じく、
今回も、それらアンビグラムはちらっとしか見せてくれない。
他にもラングドンと一緒に行動するヴィットリアのキャラ説明が思いっきり省略。
彼女と父親の物語が全く出てこない。
前教皇の侍従カメルレンゴ(ユアン・マクレガー)にしてもそう。
いきなり自らヘリを飛ばすけど、
原作を読んでいない人にとってはこれは唐突だろうなあ。
実は、この二つは
宗教と科学という、このお話のテーマに深くかかわる部分。
だからと言って、先に原作を読んだがいいよとも言えないし。
こういう映画の説明は本当に難しいや。
あっ、最後に一言。
群衆シーンは圧巻。
クライマックスはこの映画とそっくりな展開を見せる『20世紀少年<第2章>最後の希望』も、
この程度、しっかりとモブシーンをやってくれると、
現代の万博の狂熱が出せてよかったんだけどなあ」
フォーンの一言「ニャんと、ダン・ブラウンはシリーズ第3作目も執筆中らしいのニャ」
※次も先に読むのか、これは迷うところだ度
お花屋さん ブーケ、アレンジメントetc…
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はアメリカ・オフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。
ジョシュア・ベルのヴィオリンもおススメ。
-----この映画、あの『ダ・ヴィンチ・コード』
の続編ニャんだって。
「宣伝としては、そうしたいところなんだろうけど、
ダン・ブラウンが書いた原作はその順序が逆。
『ダ・ヴィンチ・コード』が大ヒットしたことだし、
それにあやかってということだろうね」
----でも、主人公は同じロバート・ラングドン教授ニャんでしょ?
「うん。演じているのも同じトム・ハンクス。
監督も引き続きロン・ハワードが担当している」
----へぇ~っ。そうニャんだ。
確か、『ダ・ヴィンチ・コード』の方は、
あまり気に入ってはいなかったよね。
今回はどうだった?
「いつも言っていることだけど、
こういうベストセラーの映画化作品について語るのはほんとうに難しい。
まず、原作ものということで、
ストーリーを語ることの意味はなくなってくる。
映画化した以上は、映画としての特性、魅力について見ていかなくてはいけない。
ぼくは、この原作を読んだとき、
映画に向いているけど、まず映画化は無理と思っていた。
ところが、なんとやってのけた。
これには素直に敬意を表したいな」
----どうして映画化は無理と思ったの?
「だって、舞台がローマとヴァチカン。
しかも物語のカギとなるのが実在する教会や遺跡。
内容が内容だけにヴァチカンが許可するわけはないし…。
しかもそれに加えて前作『ダ・ヴィンチ・コード』で
ヴァチカンの高官の怒りを買ったという経緯があるからね。
本作(映画)では、そのことを逆手にとって
ラングドンの口からヴァチカンとは“冷戦状態”という内容のことを喋らせるなどの“遊び”も」
----へぇ~っ。ニャかニャかやるニャあ。
ところで今回もミステリーなの?
『ダ・ヴィンチ・コード』は駆け足で、
謎解きをじっくり描いていなかったと言っていなかった?
「ミステリはミステリーだよ。
原作を読んだとき、
ぼくは、
裏で糸を引く犯人が誰なのか、
最後まで見抜けなかったもの。
でも、この映画を初めて観た人はどうなんだろう?
写し方や会話などで
すぐ分かってしまうんじゃないかな。
もっとも、これはぼくがすでに真相を知っているからかもしれないけど…。
ただ、その<ミステリー>は横に置いても、
タイムリミット・サスペンスの方は
かなりうまくいっていたんじゃないかな。
狭い街中を右へ左へ。
時間と勝負しつつ車を駆使して動きまわる。
さすがロン・ハワード。
こういう映画的表現は手慣れたもの。
それと脚色の方も今回の方。
思い切った省略で
『ダ・ヴィンチ・コード』に観られた
“全部語ろう”からくるドタバタ感はなくなった。
ただ、省略しすぎの感もがなきにしもあらずだけど…」
----そもそも、これはどういうお話ニャの?
「じゃあ、かいつまんで。
“イルミナティ”と呼ばれる、
すでにこの世には存在しないはずの秘密結社が
ローマ教皇亡き後に行われる、
新しい教皇の選挙=コンクラーベに乗じて復活。
次の教皇の最有力と目されている枢機卿4人を誘拐。
一時間おきに“EARTH” “AIR”“FIRE”“WATER”にちなんだ方法で処刑。
しかも胸には、なんとそれらの文字が“アンビグラム”になった焼印を押す。
一方で、彼らはスイスにあるセルンの素粒子研究所から
究極の大量破壊兵器となる反物質を盗み、
ヴァチカンを消滅させてしまおうと企てる。
これを阻止するべく呼ばれたのがラングドンと
セルンの科学者ヴィットリア(アイェレット・ゾラー)。
はたして彼らは時間までに4人の枢機卿が処刑される場所、
そして反物質が隠されている場所を探すことができるか……。
こういう話だね」
----ニャに?そのアンビグラムって?
「文字を180度回転させたり、
鏡に写したりしてできるデザインのこと。
実はこれは今回、初めて知ったんだけど、
ダン・ブラウンは1990年代にミュージシャンとして活躍していて、
『天使と悪魔(Angels&Demons)』というCDのジャケット・デザインを
アンビグラムが得意なグラフィック・アーチストに依頼。
そのアーチストの名が、なんとジョン・ラングドンというらしい」
----へぇ~っ。それ聞いただけで得した気分だ。
今日はもういいや。
「あらあら。もう少し付き合ってよ。
ところが、前作のダ・ヴィンチに隠された謎の解き明かしと同じく、
今回も、それらアンビグラムはちらっとしか見せてくれない。
他にもラングドンと一緒に行動するヴィットリアのキャラ説明が思いっきり省略。
彼女と父親の物語が全く出てこない。
前教皇の侍従カメルレンゴ(ユアン・マクレガー)にしてもそう。
いきなり自らヘリを飛ばすけど、
原作を読んでいない人にとってはこれは唐突だろうなあ。
実は、この二つは
宗教と科学という、このお話のテーマに深くかかわる部分。
だからと言って、先に原作を読んだがいいよとも言えないし。
こういう映画の説明は本当に難しいや。
あっ、最後に一言。
群衆シーンは圧巻。
クライマックスはこの映画とそっくりな展開を見せる『20世紀少年<第2章>最後の希望』も、
この程度、しっかりとモブシーンをやってくれると、
現代の万博の狂熱が出せてよかったんだけどなあ」
フォーンの一言「ニャんと、ダン・ブラウンはシリーズ第3作目も執筆中らしいのニャ」
※次も先に読むのか、これは迷うところだ度
お花屋さん ブーケ、アレンジメントetc…
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(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はアメリカ・オフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。
ジョシュア・ベルのヴィオリンもおススメ。
映画の話題を結構真面目に理屈ぽく、長々と書いてます。
映画好きな人の「好いな…」というブログ、映画愛好者のまとまっているブログを、私の感覚で選択しています。
一度ブログを吟味していただき、「ケシカラン、早速消せ…」とお怒りでしたら下記にメールでご連絡ください。早速に
削除いたします…。そのときは申し訳ありません。
時々、お互いが刺激になるような情報交換いたしましょう…。是非とも読者になってコメントください。コメントいただいたならば、必ず返事を書きます。
コレは確かに、原作を読んでおくべきかどうか、悩みますよね。読んでないとカメルレンゴの行動は理解できない&犯人が解りやすい感じだったし、でも映画から興味を持つと、原作がより楽しめるだろうし。
原作を読み終わった頃に、映画化が決定したことを知りました。でも元々ダ・ヴィンチ・コードを観た後だったので、ラングドン=トム・ハンクスという設定で読んでました。カメルレンゴが誰になるかを楽しみにしてたら、まぁ妥当なキャスティングで。
キャスト選びについては、朝の日記に書きましたが、こういうのを考えるのもふくめ、とても楽しみにしていて、バッサリ切られた部分にもの足りなさは感じながらも、よく出来た作品に仕上がっていて良かったです。
コンクラーベをしっかり描き、科学についてはあまり語られてなかったように思いましたが、これも仕方がありませんね・・。
リンクの件、ありがとうございました。
削除なんて、
リンクもコメントもTBも大歓迎です。
これからもよろしくお願いいたします。
ダ・ヴィンチの時よりはマシだと思いましたが(汗)、やぱりこういう物語の映画化は難しいなぁ~と思いました。
ただただ慌ただしくって、肝心だと思っていたエピソードがバッサリ削除されていると薄っぺら感が否めません。
特に反物質についてとカメルレンゴについては、もう少し何とかして欲しかったです
ヴァチカン内部での撮影なんてまず無理ですものね。
そうゆう意味では本当えいさんがおっしゃるように
敬意に値すると思いましたし、
映像はさすがにお金がかかってる!
テンポもよくエンタメ作品としてはなかなか面白かったですね。
その辺りも不親切な映画でしたね。
コンクラーベは、ほんとうにじっくり観させていただいたって感じ。
実は、この映画の試写では携帯を預けなくてはならなかったのですが、
それが後で映画を観ると、
コンクラーベに同じシーンが出てきて、
あっ、これは意識しているなと(笑)。
カメルレンゴ、
だれがなるか、考えてもいませんでしたが、
ビッグネームすぎる気がしました。
妥当と言えば妥当なのかなあ。
そう、不満は
カメルレンゴと反物質につきますよね。
まあ、テレビシリーズでじっくりやるなら
できるのでしょうが、
映画は「ミステリー&サスペンス・アクション」エンターテイメントに
重きを置いたということでしょうか。
『ダ・ヴィンチ・コード』の反省ということで、
ぼくは、まあまあかなって感じでした。
この映画、まさに
miyuさんがおっしゃるところの
「小説は小説のよさ、映画は映画のよさ」を
監督の方で割り切って作った作品という気がしました。
そういう意味では、前作の失敗が功を奏しているのかもしれませんね。
そういえば、知人も言ってました。
「行ったり来たりしているのは分かるけど、
どこをどう動いているのか
映画として面白くない」と。
ぼくもヴァチカンは行ったことありませんが、
そこは頭の中で想像していました。