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名古屋中心部に活断層縦断の可能性 

2012-11-06 20:37:58 | 日記
名古屋市の市街地を2本の活断層が縦断している可能性があることを、名古屋大大学院環境学研究科の杉戸信彦研究員(理学)らのグループが航空写真や地質資料などの分析で突き止めた。市内に活断層があるとの見方は以前からあったが、これを裏付ける結果。京都大で16日に始まる日本活断層学会で発表する。名古屋市は市内に活断層を想定しておらず、愛知県や市も対応を迫られそうだ。

 杉戸研究員らは2本を「堀川断層」「尼ケ坂断層」と命名した。堀川断層は名古屋市北部の矢田川の南から名古屋城の西側、名古屋駅の東側を通る。尼ケ坂断層は北区の名鉄瀬戸線尼ケ坂駅付近から、中区の鶴舞駅付近へ延びている。



 長さはいずれも10キロほどだが、さらに北側に延びている可能性もある。堀川断層はJR東海道線や新幹線、名鉄本線の線路と、尼ケ坂断層は名古屋高速1号楠線と、それぞれ一部が重なっている。

 活断層による地震は街の直下で発生するため、被害が大きくなりやすい。活断層が動いた阪神大震災は、マグニチュード(M)9・0の東日本大震災よりはるかにエネルギーの少ないM7・3だったが、6千人以上の犠牲者を出している。

 杉戸研究員は「活断層ならM7か、それ以上の地震を引き起こす恐れがある。土地を掘り起こして直接調査するべきだ」と指摘している。

 グループは航空写真で捉えた名古屋の地形を解析し、2本の活断層が走っていると推定。川の水による浸食や風化などでこのような地形はできないことから、活断層の可能性が高いと結論づけた。

 堀川断層には、高さ10メートルの「崖」がある。断層が動いた際には一度に2メートルほどしか隆起しない場合が多く、過去に何度も活動していると推察されている。また、この地域の地殻変動の経過から、この6千年間にも活動している可能性がある。

 名古屋市内に2本の活断層があるとする分析結果に、愛知県防災危機管理課の担当者は「活断層の活動周期や大きさによっては、何らかの対応をする必要が出てくるかもしれない。地震の専門家に相談したい」と話した。

 愛知県は南海トラフ巨大地震を想定して、被害予測の見直し作業を進めている。「活断層を分析した結果、地震を引き起こす危険性が高いと判断されれば、地域防災計画に反映することになる」としている。

 一方、名古屋市防災室の担当者は「名古屋高速の直下にもあり、衝撃的な場所だ」と驚きつつ「今までにない知見で、どのくらい動きやすいのか動きにくいのかも分からない。まず報告の中身を確認し、市の地震対策専門委員会の専門家の意見を聞きながら対応を検討したい」と述べた。


(中日新聞)

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