THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

VOL,136 DINING&GIG BAR VINNIES(PART,1)

2017-04-25 14:54:58 | Live Set List

2017,4,23(SUN)

THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)PRESENTS

LIBERATION 41

ほぼ2年ぶりに帰ってきました、ヴィニーズ・バー。

忘年会で訪れた際にオーナーのクボタくんにマサが「春先にまた企画ライブで利用させてね!」と約束したとおり、遂にここで実現の運びとなりました。

会場は札幌ボウリング界では超老舗のオリンピア・ボウル内。

地下駐車場もすでに混雑していて(もちろん無料!)上からは「ゴロゴロ・・・・パッカーン!」という威勢のいいレーンとボウルの音が絶え間なく轟いています。

すっかり春めいてきた札幌はあと1週間ほどでサクラが開花するとのこと。

スタッドレスから夏タイヤに履き替えた愛車に乗って、続々と今回の出演バンド達が会場入り。

いつもの気心知れた奴等、懐かしき盟友達、初対面のミュージシャン達と主催者でもあるマサは固い握手や会釈を交し合いながらも、クボタくんと準備に余念がありません。

企画ライブなので、何から何まで貸切状態で、思う存分にタイムテーブルも贅沢に仕切らせてもらいました(笑)。

料金も格安の上に、更なる器材一新のニュー・ヴィニーズが新鮮に映ってました。

皆マナーの良い大人ばかりなので、時間にはきっかり。

余裕すら感じるほど。

早速揃ったバンド順にマサがリハの手配。事前に配っておいた全バンドリスト表に沿ってクボタくんが、逐一セッティングとバランス調整をスムーズに施してくれます。

要望に応じての音固めも手堅い!さすが。

あるバンドマンは「ヴィニーズって音が格段にいいね!」と絶賛。

15:30~17:00でS・T・A以外のバンドが、みっちりと納得ゆくまでリハーサルに時間を費やしていました。

と、ここいらで早くも観客が入場。

お馴染みの顔や、初来店の客、バンドの友人やご夫婦連れと、すでに客席のあちこちでは笑顔で飲食しながらおしゃべりに花を咲かせています。

あ!この店名「ヴィニーズ」について一言。オーナーのクボタくんはドラマーとしても売れっ子の実力派。

敬愛するドラマーが巨匠ヴィニー・カリウタだそうで、そこから拝借しての「ヴィニーズ」

だからこの日のBGMはスティングでした(ドラムがヴィニーなんですよ。でも前にここを利用した際に流れていたのは世界的にも話題のベビー・メタルでした。こちらも大好き!)

さあ、いよいよはじまりますよ、リブレーション。

今回もジャンル一切かぶることなくゴージャスなる布陣でお送りします。全7バンドというヴォリューム感。

しかもどいつもこいつもツワモノぞろいで大いに楽しめる事でしょう。何が飛び出すかは観てのお楽しみ!

鬼が出るか蛇が出るか・・・・!?最初から最後まで全くだれることなく常に山場の連続!!

17:30~18:00

1、OLD★JUNKY

このバンドとマサとの付き合いも長いです。前回彼等がS・T・A企画ライブに出演してくれたのが澄川モダンタイム。

結成8年を迎えても益々アグレッシブなる進撃が止まらない3人組(一時4人編成の時代もありました)。

ロックバンドにとっての最小ユニットでもある編成で徹底的にストレートなビートを展開します。

真夏でも革ジャン&革パン・ファッションを貫く徹底した姿勢を崩さないメンバー達だけど、今回は全員お揃いのバンド名が背中に書き込まれた黒シャツにバッチリときめたリーゼントでの登場(髭やサングラスもポイントね)。

ベース&ヴォーカルはテツ。ギター&ヴォーカルがマーボ。ドラム&コーラスがジュンという、いかしたロックンローラーたち。

マーボの愛器は艶消し黒のフェンダーUSAテレキャスター(メイプル指板)。ジョニー大倉のポジションだね。

テツのベースコレクションが半端ではありません。

基本はもちろん尊敬するキャロル時代の矢沢永吉使用ベースがコンセプト。

で、伝説の日比谷野外音楽堂キャロル解散ライブで使用していたのが、当時は発売されていなかったナチュラルボディのフェルナンデス通称・琵琶ベース(この形が音響理論的には良質なサウンドを得られると何かの本に書いてありました。メイプル指板)。

それを今回テツも持参(2本所持しています!)

機種名はYB-75。

こだわりはそれだけにはとどまらず、ゴールドパーツにチェンジ。

バダス・ブリッジ、グローヴァーU・S・Aペグ、そして合計600円(!)コントロール・ノブ3個の白いストラトキャスター用プラスチック製に載せ換えという徹底ぶり。

これらは東京にある永ちゃん直営店の「ダイヤモンド・ムーン」に展示されている本家琵琶ベースを穴の空くほどに観察してきて、忠実に再現したのだそうです。わかるよ、その気持ち!素晴らしくて感動しちゃうね、うんうん。

恒例の司会者マサによるイベントに対する丁寧なる説明と来場者に対する感謝の気持ちとご挨拶、出演バンドの紹介。

そして威勢よくバンド名「オールド・ジャンキー」をコールしました!

「GOOD OLD R&R(キャット・マザー)」

このノリノリに突き抜ける軽快なるスタンダードは私、キャロルのカバーで知りました。

かぶりつきで見入っていた札幌ライブ界隈の名物ダンサー、アベさんも俄然たまらずツイストではじけまくり。

3人組とはとても思えないほどの迫力で駆け巡る熱き男気溢れるロックンロール!

立て続けに「TUTTI FRUTTI(リトル・リチャード)」

これもキャロルがお得意としていた往年のロックンロール絵巻。

下手な理屈なんか軽く凌駕するほどに、頑固一徹筋金入りの3コード応酬。

結成時からまったくぶれることなく貫いてきた、問答無用のエナジーに乾杯!

と、ここで息つく暇さえ与えずに激しいドラム・ソロに突入。

メドレーで「SLOW DOWN(ラリー・ウィリアムズ)」が飛び出した。

まるでキャロルのパフォーマンスを観ているかの様な錯覚に陥りそうなくらいの勢い。

3人によるコーラスワークも鉄壁の様相を呈しています。

アクションも気持ち良いくらいの徹底ぶりだ。ギターソロではフロントに歩み寄ってこれでもかあ!というほどの猛アピール。

リズムセクションも見事なバックアップ。

オープニングアクトだなんてもったいないよ~!(実は都合によりこの出番となりました)

目の冷めるようなロックンロールバンドの基本ともいえる原点回帰に皆、圧倒されている様子。

本物のライブアクトって、こういうのを指すんだよね。

長年の過酷なるステージングで培われた、血と汗と涙の結晶がこれ。

前半戦はこのように王道ともいえるカバー大会。

テツ「イエイ!オールド・ジャンキーです(とさりげなくバンド名入りのシャツ背中をチラリと見せてニヤリ。憎いねえ)皆さん、お手元の酒を持ってのってね。」

ここでマーボが「主催者のマサさんに感謝の拍手を!」「パチパチパチ!」照れくさいほどに恐縮しちゃいました、ありがとう(私も子供の頃はマーボと呼ばれてました。いとこは今でもマーボと呼びます)

「さあ、ここからはロックンロール・オリジナルやります!LOVE IS YOU!!」

誰にでも経験のある青春時代の甘くほろ苦い思い出がふっと心に染み入る傑作。とてもじゃあないけれども知らないで聞いていたら、これは誰かプロの隠れた名曲だと思っちゃいそうなほどの完成度を誇っています。いやはやなんとも大したものだ。

まさに熟練の技。

「もう一発オリジナル・ロックンロールいきます!SNAP OUT !!」

前曲から一転、リトル・リチャードの永遠なる代表作「のっぽのサリー」風激しいシャウト炸裂で幕を開ける正統派ナンバー。

大御所ならではの阿吽の呼吸でグイグイとひきこんできます。

「ヘイ!ヘイ!カモン!カモン!!」はじめて聞いた人たちでもすぐ歌えるキャッチーなサビが快感。

「オリジナルで申し訳ないけどいいでしょ、このオリジナル。イエイ、いくぞ!飲んでる?皆さん?」「イエー!」

「俺の友人が去年星になってしまった・・・・・俺等くらいの年になると、なぜか星になりたがる奴がいるんだよね・・・・そんな友人に捧げた曲・・・・・TIME AWAY・・・・・」

静かに燃え滾る炎のごとく、ストーリー性をたぶんに含んだ泣かせる一曲。一見コワモテのメンバー達だけど、実際の中身は情にもろくて気さくで優しいナイスガイ達。

ここいらへんではグッときちゃいました。

人生観を感じさせる歌詞は、そんじょそこいらの若いモンには決して真似のできない渋みさ。

「じゃあ俺たちをこんな風にした張本人、矢沢永吉のソロ初期ヒット曲、黒く塗りつぶせ(3枚目のスタジオオリジナルアルバム・ドアを開けろに収録。タイトルからもわかるとおりローリング・ストーンズの黒く塗れにインスパイアされた情熱ソング)に対するリスペクトナンバーで・・・・・白く塗りなおせ!!」

永ちゃんフレイヴァー満載で絡みも豊富に暴れまくり。

テツが弾き出すベースラインが、永ちゃんフレーズをお手本にした粋な組み立てで思わずニヤリ。

微細なる指クセまで忠実に再現。でもしっかりとオールド・ジャンキー節を形成しているのだからしたたかなものだ。

この日は札幌だけでもあちこちでライブが開催されているのに、この大入り状態にはビックリ。

正直いって入場者数には不安もあったのだけれども、そんなことただの取り越し苦労でした。

しかもトップのオールド・ジャンキーからしてトリのような盛り上がり。

「1番最初に完成したオリジナルいきます!オールド・ジャンキーのテーマ。いくぜ!1・2・3・4!!」

コンパクトに纏め上げられた魂の息吹が伝わってきますね。

三位一体となったスクランブルも快調。この日の出演バンドでは最小人数なんだけど、そんなことをも忘れさせられるほどのコンビネーション。

後ろでじっと観ていたバンドマンも感動のあまり「なにからなにまでもが、とても勉強になるなあ・・・・」と瞬きするのも惜しむほどに見とれていました。

これは計算ずくではなく、内面からほとばしる情熱が全てに勝っているのでしょう。

「WAO!!最後はキャロルの曲やります!ファンキー・モンキー・ベイビー!」

とどめはやっぱりこれに尽きますなあ。

あのあまりにも有名でギター小僧ならば誰でもがコピーしたであろう、ウッチャン極めつけ真骨頂イントロが飛び出した!

もうステージ前方がグチャグチャの芋洗いゾーンと化しています。

「サンキュウ!!」マサが改めてコールします「もう一度盛大なる拍手を!オールド・ジャンキー!!」

後片付けするテツの琵琶ベース解説などもマサが交えて和やかなうちに終了。

トップという重責を余裕タップリにこなしてくれました。

2、18:10~18:40

40高中

トップバッターの痛快なるロックンロールからムード一点、アダルティーなフュージョンサウンドを奏でてくれるバンドがセカンドアクトとして現れましたよ。

日本が誇るギター界のヒーロー高中正義を再現。もちろんオールインストウルメンタル。

全4曲でしたが、もっともっとやって欲しかったよお!

このバンド名をみてピンときた方は相当な通です。

高中ソロアルバム第3弾「AN INSATIABLE HIGH」のジャケットデザインは、ジョギング姿の高中が写っているのですが、その足元に描かれているのが今では廃止となってしまった交通表示「40高中」!

決してロックっぽく「フォーティータカナカ」と読むのではなく「ヨンジュウコウチュウ」と読みます。この辺のウイットとユーモアに富んだお洒落なセンスがナイスですね。

6人編成の内訳はツインギター、ツインキーボードにベース&ドラム。

この日の出演バンドは掛け持ちが多いのですが、ここにも数人いましたよ。

人気者ミキちゃんは「乙!!帝國ゆるゆる団」から(ローランドFA-06)。

STA代表のセッキーもドラマーとして君臨(会場設営のタマドラムセット)。

ベーシストのヒロくんは、白いヤマハの5弦ベース(ローズ指板)。使用アンプは会場のハートキー・ヘッドにSWRスピーカー。

もう一人のキーボードはアキ嬢(コルグ・クロス88)

まったくタイプの異なるギタリスト2人は、ブレイクスルーの石やん(ムーンのコア材ボディストラト。エボニー指板)、そして札幌が誇るテクニシャンのアミさん!(タカナカにならいヤマハSG-1000BLKを使用。ローズ指板)ギターアンプは3台がつねに設置されていましてヤマハ、メサブギーなどなどとよりどりみどり。

最前列では、ほろ酔い加減のデグやんや、アベさん達が絶えず声援を送り続けています。

セッキーによるスティック・カウントから「PLUMED BIRD」

第一音から一挙総立ち。凄い!

トリッキーに爽やかに伸びやかなる楽曲が、リズミカルにほとばしり出てきました。

皆両手を高々と掲げて手拍子。

ギターソロからキーボードソロへの連係プレイもメロディアスで、琴線を震わせてくれます。

アミさんは複雑極まりない速弾きも顔色ひとつ変えず、クールに爪弾きだします。

それでもまだ物足りないのか全員一丸となってのユニゾン。その音の配列がドンドンと入り組んでいって目にも止まらぬインタープレイに発展。変拍子から「HEY!」の掛け声。

凄まじき光景に鳥肌ゾクゾクで目が点になっちゃいました。

超絶技巧なるテクニカル集団の極みにおもわず息を呑む。

一瞬たりとも目が離せない。初っ端から遠慮なくぶっぱなしてくれますね(笑)。

そしてステージ左右に座っている麗しきキーボード・レディ達。

両手に華のライブを観ていてオールド・ジャンキーとマサは羨む・・・ああ・・・。

アミさんはチューニング完了後に、MCも兼任

「ありがとうございます!昨年結成して今年初のライブです(マジかいなあ!!??)。次の曲はちょっと落ち着いた感じの曲です・・・・・サダージ!」

この曲オリジナル・アルバムではナラダ・マイケル・ウォルデン、シーラE、TMスティーブンスらがバックをサポートしていた哀愁のラテン系ロック。

スティール・ドラムのパートはキーボードが担当。

まことに心滲み入る憎い曲の配列。

ギターのフレーズがほろ苦く迫ってきて泣かせるのです。でもセッキーはここでもニコヤカにスティックを捌いております。

ツインギターによるアクロバティックなる妙技に拍手喝采。

見応え、聞き応え満点のテンション高きギターバトル。

「ギター・ソロの最中に鼻水が垂れてきました・・・・失礼しました(笑)あ!ここでメンバー紹介をしますね」

一人一人どれだけ凄腕なのかをアピールするべく、愛情たっぷりにアミさんが名前を読み上げます。ミキさんもシンセサイザーで拍手音をさりげなく織り交ぜて・・・・。

「LE PREMIER MARS」

高中黄金期において決して外すことのできないライブの定番曲。

イキイキと叩きまくるセッキーを横目に、縦横無尽軽々とクールに弾きまくるアミさん。

細部にわたる微妙なるニュアンスまでをも、見事なまでにギターエフェクターによって高中のサウンドを忠実に。

ただ一言「美味しいトコ独占体制」

そして痒いところに手が届くほどに、エクスタシーの頂点まで登りつめてくれます。

早いものであっという間にラストソング。

「READY TO FLY」

超有名なる高中ブレイクのキッカケにもなった1曲。ワクワクするほど一足お先に真夏モードへ突入気分だあ。

ギラギラ太陽が全開です!熱い!暑い!!

けたたましきカウベル・サウンドが爆発。

あえて「ブルー・ラグーン」ではなく、この曲をセレクトするところなんてコダワリどころのツボを刺激してくれます。

ここでも澄み切ったサスティーン効果を伴って、アミさんはマイクスタンドをサイドに寄せてフロントギリギリにまでせり出してソロを連射。

おお!セッキー十八番のドラムソロまで地鳴りをあげた。

アミさん、AXIAではベースをバッキンバッキンにチョッパーでマシンガンのごとく弾き倒していたのに、ギターでも安定感のあるスムーズな指運びを見せつけてくれました。

ここまで完璧にこなせる二刀流ミュージシャンって、札幌広しといえどもそうなかなかいないでしょう。「ありがとうございました!!」

最初に「4曲では物足りない・・・」なんてほざいてしまいましたが撤回します。

曲数ではないね。

中身は十分に濃厚でエキサイティングでした。最大級の賛辞が絶え間なく送られていました。

3、18:50~19:20

the闇鍋band

3番手に控えしは、怪しげなバンド名・・・・・といってもメンバーはSTAと何度もタイバンを組んでいる常連様。

彼等が普段活動してるバンドでは実現が難しそうな楽曲を、ここで各自リクエストを募って望んだというひじょうに民主的でユニークなチーム。

だから中身のほうは何でもアリのオールマイティーがコンセプト。いわばごった煮ですな。

そこでこのバンド名がついたというわけ。

薄暗いステージ上から一体何が出てくるのか!?それはライブの観てのお楽しみ。

つまりは愉快に気ままにお祭り騒ぎで和気藹々でいこうよ~!っていうアンバイ。

この日が初ライブだという7人組みの内訳はというと・・・・・伊達男ことテッっちゃんはフェンダーUSAギター/アメリカン・デラックス・ストラトキャスター50周年アニヴァーサリーのタバコ・サンヴァースト(指板はメイプル。ストラップも黒の布フェンダー)。

紅一点のキーボード、ルーちゃんはローランドVR-09。

いつも陽気なジンにゃんは、もちろんヴォーカル。そしてテッっちゃんから借り受けたセルダー(!?)というサンヴァースト・ストラトキャスター・ギター(ローズ指板)。

茶髪にロンゲのアオキちゃんは、コンパクト・ボディーの白グレコ・ベース(ローズ指板)。

いつも寝不足の(笑)キーボーディスト、キムキムはクロノスー61。

松山千春を崇拝してやまないキムさんは、アコースティック・ギターの大家Kヤイリ80。そしてドラマーはカズにゃん。

そのカズにゃんの希望曲がオープニングの「ランナウェイ(ボン・ジョヴィ)」

そうです!日本から人気に火が点いたアメリカンバンド、ボンジョヴィのデビュー曲。

いきなり小刻みなキーボードからスタート。すかさずバックによる連続爆音炸裂。それにのってテッっちゃん快心のピッキング・スクラッチが「ギュイーン!」。

ど頭からやっぱり見せつけてくれたジンにゃん!ジョン・ボンジョヴィになりきり、長い金髪ウィッグを装着して威風堂々たる熱唱。

この男、只者ではない。

たくさん色々なバンドで歌っている彼の姿を目撃しているんだけど、そのたびにカメレオンのごとく器用に変身してこなすのです。

どんなジャンルもお手のもの。毎回驚かされてばかり。

聞くところによるとバンドで歌うようになったのは、テッちゃんと知り合ってからのここ数年(マサ企画ホットタイムSTAリブレーションが本格的ライブの初体験)。

信じられないくらいに場慣れした身のこなしや歌いっぷり、そしておしゃべりと今後の彼には未知数の可能性が秘められていると思われます。次には何をやらかしてくれるのかなあ!?

盟友テッちゃんも縦横無尽にハーモニクス、アーミングを駆使しつつ神々しきソロをフレットボード上に描きまくります。何をやっても絵になるテッちゃんにジンにゃんが金髪カツラを移植!。これで掴みはオーケー??

MCジンにゃん「皆さんこんばんは!いつもの顔ぶれです。なんとかできたね・・・・俺マジで英語が苦手なんだよ~(笑)

ところでバンド名でもある闇鍋ってやったことある人いる??ネエ!そのように各自でこれやりたい、私はあれやりたい・・・と演奏曲を持ち寄ってやってるから闇鍋のように、なにが飛び出すかわからないよ。お次は・・・・エスケイプ(ムーン・チャイルド)!」

この曲ではジンにゃんがギターを手にして、美味しいところでしっかりとスポットライトを浴びる。

ダブル・キムキムにも絶えず熱視線が注がれます。

一見散漫になりがちな選曲(当然と言えば当然)だけど、不思議と微塵もそんなこと感じさせないのは彼等の底抜けに明るいキャラクーターがそれに勝っているからなのでしょうね。

テッちゃんが要所要所でソロを弾く時は前面に猛プッシュ。

そのメンバー間における無言なる駆け引きも長年培われた賜物。微笑ましきソウルメイトだね。

「懐かしいですねえ。これを選んだのは誰だ!??当たり!そうです、キムキム!・・・アレ?キムキム起きてたか?(笑)いつも疲れてるからね。寝ていてもおかしくないね(爆笑)」

「アオキさん、前に来て!」

アオキさんは延々と会場に背を向けて左端の隅っこで黙々とベース・プレイ。

根っからのベーシスト気質なのですよ。

「昔の札幌公演エリック・クラプトンみたいだあ、アオキさん!ところで次の曲はそのアオキさんのリクエストです。

・・・・シャムロック(UVER WORLD)!」

驚いたことに、ここではジンにゃんからキムさんへリードヴォーカルのバトンタッチ。

ええ!??キムさんのイメージはしっとりとしたフォークソングなんだけど、新生面をここで発見。

こういうサプライズが闇鍋バンドの売りなんだ。

たしかにこういうキムさんは、ここでしか目撃できないしね。

しかもそれだけにとどまらず、キムさんは貴重なラップまでをも披露。

通称「キムラップ」なんてできすぎ。うまいこというなあ。それにつけても、首謀者のアオキさんは依然として前に出てこない・・・・シャイなアオキさんは黙して語らず、男は黙って背中で語る・・・じゃあなかったベースで語るんだね。

4曲目はピアノマンらしくキムキムが「マイライフ(ビリー・ジョエル)」を選択。

初期ビリーの大ヒット曲。原曲どおりのポップなコーラスワークも聞きどころ。

ミニ知識:オリジナルでのコーラスは元シカゴのピーター・セテラ&ドニー・ディカスが担当。名プロデューサー故フィル・ラモーンが架け橋となって実現した夢のタッグ。

デグやんは友人達の雄姿を記録するべく、会場のあちこちでシャッター・チャンスを狙う。

ディスコを希望していたアベさんも、唯一知っていたこの曲に大はしゃぎで、ネオンスティックをキラキラピカピカ振っています。

「アベさんのためにセレクトしました。ありがとうございます。鍵盤奏者キムキムならではのリクエストでしたね。」「でもキムキム弾いてなかったぞ~!」(大爆笑)

「じゃあ次の闇鍋ソングにいってみたいと思います。テツにゃんリクエストで・・・・我狼WOLF~FINAL,THE LAST GOLD(奥井雅美)」

バラエティに富んだライブだね。まるでオモチャ箱をひっくり返したような、目まぐるしき進行はクセになりそう。

3声コーラス&ヴォーカルは圧巻。

もちろんテッちゃんは嬉々としてフロントに躍り出て、ギター・ハイポジションを駆使して恍惚のインタープレイ。

バックのプレイも安定感抜群で好サポートが光る。

「この曲、知っている人・・・・あまり知らない?そうだと思ったんだ・・・・深夜にやっていた仮面ライダーみたいな特撮モノの曲さ。パチンコ台の曲にもなっているよ・・・・あ!?さすがスバルちゃん、知ってるね!かっこいいしょ。

早いもので次でラストなんですよ」「聞いてないよ」「言ってないよ!」(笑)

「皆の知っている曲をやろうかということで・・・タイミング(ブラック・ビスケッツ)!」

リクエストしたルミちゃんがキーボードから離れてヴォーカルだ。

「可愛い!」の声援が絶え間なく飛び交うのです。

両サイドに男性シンガーを携えて振り付けも巧みにこなしまくり。

3人が並んで気持ちよく歌っているところへ、いよいよ我慢できなくなったデグやんも勢いあまって乱入!(マサは真剣にデグやんは闇鍋メンバーと信じ込んでいました)

絶え間なくリズムに乗るキムさんは、でっかいトナカイの被り物で豹変。

ジンにゃんはオリジナルで2度登場するサックス・ソロ・パートをカズーで代用。お手軽なアイディアも大成功。

中心人物のテッちゃんがシメに手を振り回して狂喜乱舞、狂熱のライブは仲良き空気感がホノボノと伝わってくる至福の空間でありました。

4、19:30~20:00

パンタロンズ

早いもので、このバンドがちょうど中間地点に位置します。

5人組で、クィーンのカバーを聞かせてくれます。

私が知っているだけでも札幌にはクラップス・ホールのコイズミ君率いる「くぃーん」、G-HIPノビさん&ウノッキー率いる「ウノックィーン」というクィーン・バンドが存在しますが、これで3バンド目。皆、よくもまあ、よりにもよってこんなにクセのあるやっかいでいかしたカバーバンドを結成するものですね(笑)。

それだけクィーンは、やりがいある憧れのスーパー・バンドなのです。

で、このパンタロンズは、王道のスタンダード・クィーン路線を狙わず、ちょい斜に構えたコンセプト。

ヒット曲やビジュル重視よりも、とことん隠れた名曲なんかにも貪欲に触手を伸ばしています。

編成は・・・・ギター&コーラスにテッド、ヴォーカルはイクマくん、ベース&コーラスに19歳の女子大生(!)カザミちゃん、ドラム&コーラスがカノウくん、キーボードがヒロくん(コルグ・トリニティー)。

カザミちゃん以外、90年代の札幌へヴィーメタルシーンで長髪振り乱して爆音の渦を巻き起こしていたロッカーばかりでマサの盟友達です。

テッドはガンボイル(ESPのモニターでした)、イクマくんは今年結成30年を迎えたシルバーバックでも現在アクティブに活動中、カノウくんはイースターを率いていたし、ヒロくんはアメリカ帰りという、どれもこれも一筋縄ではいかない凄腕ばかり。

7年前にもB-BAYでのSTA企画としてHI-VOLでテッド&カノウくんはAC/DCを演奏してくれたこともありましたね。あの時に、カノウくんのドラムペダルがパワーに耐え切れず遂に真っ二つに割れちゃうというびっくり事件がありました。

そしてこのパンタロンズが結成された20年前のオリジナル・ベーシストはマサでした。

そのころはMSG、ディープ・パープル、レインボウ、Y&T、シン・リジー、ゲイリー・ムーアなんかを取り上げていましたが・・・・。ヒロくんとマサはSTA以前にはEL&Pトリオなどもやっていました。カノウくんとマサはMSGやドッケンを演奏したりもしていました。

さてさて、この日の出演バンド中、パンタロンズは唯一SEを使用。

照明暗転の中、不気味な重低音がこれから勃発するクィーン・ショーに対する期待をいやが上にも煽ってきます。

「タイ・ユア・マザー・ダウン」

エピフォンのレスポールで、豪快なるギターリフを大股開きで演奏するテッド。ワインレッドのボディカラーはブライアン・メイを意識してのもの?と質問したところ偶然らしいです。テッドといえば彼のヒーローともいえるランディ・ローズと同じ、白いギブソン・レスポールの印象が強いだけに意外でしたね。

カザミちゃんは若さ漲る初々しきフィンガー・ピッキングでボトムをリード(フェンダー・ジャパンのジャズベース。ボディカラーはメタリック・レッド。ローズ指板)。

ライブ映えする1曲目に、観客達はすでに食いついていますよ。

いまだに衰え知らずのカノウくんは、トミー・リーばりにスティックを華麗にクルクル回して視覚効果もバッチリ。

テッドのワウペダル奏法なんかも昔取った杵柄だけに、感情表現もアンサンブルへのバランス感覚などにも気品すら匂いたってきます。イクマくんってスラッシュメタル・シンガーとしてのド迫力ライブしか観ていなかったけど、実は最も影響を受けたのがクィーンだったというんだから、まさに最適な人選ですね。

ついついデスヴォイスの領域に足を踏み入れそうになるところを、巧みにコントロール・セイブして、フレディー・マーキュリー役を担っています。

 エレガントな風味漂う玄人受けする幕開け。感涙に咽び泣く隙をついて間髪入れずにメドレーで「デス・オン・ツー・レッグス」

ほらねえ、こんな空前絶後なる曲を2曲目にもってくるしなあ。

拍手する手もここでは固まってしまって、ビックリ仰天釘付けで瞬きもできないほど。

ヒロくんの遥か彼方の異次元からやってきたようなピアノイントロから、ギターが思いもよらない角度からズバズバと切り込んでくる。

本当に次ではどんな展開がやってくるのか予想不可能な変態ソング。

カザミちゃんには「可愛い~」の声が飛んでいました。

このバンドの中にいたら尚更の事、彼女が引き立ちますね。

こだわりにこだわりぬいた選曲は時にドラマテックでもあり、プログレッシブ。

メドレー形式はまだ続行中で、「キラー・クィーン」

よほどの自信と勇気がなければ、こんな曲はとりあげないでしょう。でも彼等はあっけらかんとした風情で細部にわたってコピーしていました。

繊細に刻まれるピアノにのって歌うイクマくんの声量と声域は計り知れないものがあります。あそこまで歌いこなせたら自己陶酔しちゃうことでしょうね。バックのコーラス隊も微妙な絡みまでこだわりぬいて丁寧なハーモニー。

ここではじめてMC

「どうもありがとうございます!パンタロンズです。皆さん、飲んでますか?最後まで楽しんでいってください。(テッドはギターのチューニング・タイム)

去年は小樽での屋外ライブに出演、それ以来ですから今日は今年初でバンド・トータル2度目です。これからもちょくちょくやっていきたいと思いますのでよろしくお願いします・・・・・プレイ・ザ・ゲーム!」

あまりにも幻想的で美しすぎる一際異彩を放つ鳥肌ものの序盤。クィーンってどんなに過激な音作りを施しても、絶対に野蛮に聞こえないのです。

どんなにワイルドに演じても知性がそこいら中に見え隠れする唯一無二のバンド。

「サムバディ・トウ・ラブ」

怒涛のピアノ・イントロ攻撃は絶好調。

イントロには本家がよくライブでアレンジ導入していたピアノ弾き語りアドリブ・バラード・バージョンから、本編のロックバージョンへ雪崩れ込むという趣向を凝らした演奏に思わずニヤリ。リードボーカルとコーラスがシンクロするミュージカル調のやりとりも秀逸。

特にカノウくんはロジャー・テイラーのハイトーン・ヴォイスを頑張っていましたよ。

ドラミングだけでもめちゃ張り切って、手数多い乱れ打ちの応酬なのになかなかにタフですね。

最後には、とうとうこれをやっちゃいました、珠玉の超大作「ボヘミアン・ラプソディ」(このカバーを観るのは「くぃーん」以来2度目)

たんたんとアーティステックな佇まいでヒロシくんがピアノを弾きはじめると、ほろ酔いかげんの観客達が口笛を吹き鳴らし一喜一憂。

ここでのニュアンスも、愛情をタップリに注いでいるから全く嫌味がない。

ポーカーフェイスのテッドに「ギター・トーンやフレーズの運び方が、個性的なるブライアン・メイそのものだ!」とマサが後で伝えると「本当!?」とまんざらでもない御様子でした。

くぃーん、そして本家同様に中間部分のオペラ・パートは隠し玉ipodの音源流しが功を奏します。

もう至福のヒトトキに心底酔いしれてくださいな。

徐々にヒートアップしてゆく曲の後半戦。

クィーン節ドップリのハードロックパートからは、どでかいドラム音、重厚なるコーラス隊、フレディーにせまるエキゾチックなるハイトーン、

そして再び静寂が訪れて幕となります・・・・。

おっとと・・・・クロージングは再度ipodで厳かなる「ゴッド・セイブ・ザ・クィーン」ね!!

 

~長文、駄文にも関わらずよくぞここまで読んでくれて感謝します。このライブ・レポートはパート2へと続きます・・・・~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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