DK大衆食の旅3

路麺好きがそんな感じで巡る大衆食の旅。

小峰@大宮

2015年11月07日 | 弁当・惣菜・デリカ
3年前、大宮の東口をガードに向かって歩いていてふと見つけたのがこちらの小峰。



その時は長男と一緒だったのだが、作って貰った持ち帰り天丼から溢れるあまりのうまそうな匂いに耐えられず、ガード下の線路の脇でふたりで分け合って食べたっけ(笑)

また天ぷらをくぐらせた丼つゆが格別だった。醤油とみりんのバランスが良い濃汁だ。
当時、あちこちの路麺店で天茶行脚を行っていた自分だが、その感動の味は忘れる事ができない。

そして同時に埼玉群馬のうどん文化に付随する、揚げ置き天ぷらという確立されたジャンルの存在と、そのレベルの高さに気付かされた瞬間でもあった。



その後、路麺の源流を探る旅に、持ち帰り天丼の旅も加え、調査を続けていくと、ひとつの核心の様なものにぶつかった。

つまりこうだ。

江戸前の天ぷらは、

・屋台の出身であり、その場で揚げたてを食べる。(但しかつてそば屋で供された天ぷらに関しては揚げ置きも多かった様ではある)
・素材はもちろん江戸前、東京湾で獲れる魚介類。
・醤油みりんを多めの出汁で割った浅い色合いの天つゆで食べる。

対して、埼玉群馬の天ぷらは、

・各家庭で作られる。昼の弁当として朝揚げた天ぷらを、同じく朝茹でたうどんと共に畑に持って行く事も多かった。つまり揚げ置きが基本。
・素材は畑で採れる野菜。精進揚げ。
・醤油とみりんが基調の、濃い色合いのうどん汁、または生醤油で食べる。

もうお気付きだろうか。この天ぷらの違いは、老舗のそばとオールド路麺の違いに非常に近い。

麺や汁だけでなく、天ぷらに関しても路麺のバランスは埼玉群馬のうどん文化のそれと酷似していたのだ。







さて。今回買い求めたちくわ天、きんびら天、なす天、そして小峰名物ウインピー。
オールド路麺と変わらぬ、衣の分量としっかり揚げられた感じ。



これらを翌朝、一由GB発売にちなんで。







トリプル失禁
あぶなしぎるうまさ



特にちくわ天を汁に浸して挟んだパンは、これまでにないうまさとして子供らに新たな感動を呼んでいた。さすが小峰(^^)




そしてもう一歩進んで考えてみると、揚げ置き天ぷらとは保存食だと。
当日~翌日を賞味期限とする超短期型保存食。そのコンセプトは干物や漬物、薫製と同じだと感じている。

揚げたてをサクサクと食うのとは違う、そういう天ぷらのジャンルがあるってコト。だから揚げ方も使用法も違う。

熱い汁に潜らせれば、冷たく固くなっていた天ぷらにぶわっと生命が吹き込まれる。
衣の油が適度にまわり、汁と渾然一体となった揚げ置き天ぷらのうまさとは、実は戻してその出汁もろ共楽しむ、(例えば棒鱈の煮付や高野豆腐など)乾物と同じストラクチャーであったのだ。

買った翌朝でも、汁に浸す事であらゆる主食とすばらしい相性をみせた小峰の天ぷら。そのうまさは見事にそれを証明していると思う。

















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