食とは作り手の思いをいただくものでもある。
川のほとりの公園の隣。自宅を開け放ちうどんそば、定食を食べさせてくれるお店。せっちゃんというらしい。
地の利に抗う事なく作られた、サービスの惣菜3点の健やかさ。
この地の主食でもあるうどんそばの瑞々しさ。
賑やかに働くおばちゃん達の元気。
それらが一体となって自分の身体に沁み入る。
何も隠し立てすることなく、外連味なき心でもてなすせっちゃん。
次々とやってくる客に厨房の中から挨拶をする。
入りきれない客にはこっちどうぞーと自宅の居間へ通す。それでも入りきらない客には、私のベッドで待っててーと笑いが起こる。
大衆食のご馳走とはこういうものだ。
食べ終えた自分に、お腹いっぱいになったかい?と大衆食名言のひとつが声がかる。
いっぱいだよ、ありがとねー。
お腹と同時に心もいっぱいになったこの夏のいい思い出である。