DK大衆食の旅3

路麺好きがそんな感じで巡る大衆食の旅。

平公屋@旭 飯岡

2018年08月31日 | その他


























7月の半ば、九十九里浜。旭市の海。
旅先でうまい刺身にめぐり合いたい時どうするか。

スマホで某ログみるの?

あーそれ一番つまんないやり方ね。

だって孤独のグルメに出てきた某店しかでてこないもん。
そして行列の最後尾に付いて1時間ですか。
これまたけっこーなぼったくり観光地価格でね。

楽しいですか?それ。
あなたの人生においてやりたかったコトですか?

宿の人、たまたま会話を交わした地元の人、ライフセーバーのお兄さん。

話を聞いてみようよ。

そしたらこんなステキな出会いがある。

それは猛暑だったこの夏、ふと思い出す度に、あー最高だったなあ。と乗り切れる力を持った出会いなのである。



分田上 リトルタイランド@浦安

2018年08月26日 | 大衆酒場・角打
浦安の細く薄暗き道の奥に



その店は在る。



熊本出身のご主人とタイ出身の奥さんで切り盛りする分田上。リトルタイランド。



改装されたんですね。以前よか入りやすくなりました(笑)



此の様に中華とタイと熊本が同居するカオス処として



一部では有名なのかも知れません。



もちろん自分たちもそれに則って幾つか。



スイートチリソースにマヨはうまいという発見があったり



熊本〜長崎辺りでは酢豚のコトをスーパイコォと呼ぶコトを知ったり



バンバンチはやはり棒棒鶏だったり(笑)



もちろん熊本名物のこちらも。
ソフト麺ではなかったけどね。



でも。

自分が気になってたのは冷しソーメン玉子付350というメニュー。

まだまだ蒸し暑い夜に用意されたソーメン。有り難う存じます。
でも。なんで玉子付なんだろか。他じゃ見たことない。面白い。
ご主人に訊いてみた。



自分が子供の頃は、玉子は高級品だったんだよねえ。一個20円もしたんですよ。
どんなに食べたくても運動会と正月しか食べられなかったの。
だから、今でも玉子の料理するとちょっと嬉しくなるんです。玉子、好きなんだよねえ。



いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。

それで玉子料理が多いのか。すてき。
そしてそれを訊いた上でいただく



玉子かけソーメン。

料理とは言語である。否、言語以上に心を通わせることのできるツールである。



時代や距離や境遇を超え、若かりし頃のご主人の夢に触れることすらできる。
それこそ大衆食の本懐なんじゃないかなと思う。



ちなみに、もしやタイ風?
レッドとかイエローとかグリーンとか?
ソーメンに絡めてみたりなんかしちゃったりしてー?

と頼んだカレーライス450がこの上なく日式カレーしてて



まるで自宅でカレーつけソーメン食べてる感に襲われたりしたトコも結構気に入ってます(笑)




すぱろー@千歳烏山

2018年08月23日 | ロメスパ・スパ



























甲州街道からちょいと千歳烏山の駅の方に入ったマンションの一室。そこにすぱろーはあった。

ロメスパとはまた違う日式のスパゲティハウスである。

こちらの魅力。
それは複数の具材をシンプルにまとめ上げるバランスのとれた味付けももちろんながら、
ご主人から発せられるオーラ、昭和の軽妙なドラマに出てくるレストランみたいな素敵な接客と距離感、その味わい深さであると感じた。

店構えはじめ、内装やら備品から滲み出る、控えめながら主張するギミックも小気味よい。
つまり唯一無二の存在である。

なんだろう。子供の頃大好きだった、グラハムカーの世界の料理ショーの中に迷い込んだような心持ちで、この日式パスタを頂いた気がする。

そう、ここには世界があるのだ。
ご主人の、こうしたい、こうありたい、という思い。
そんな思いが昇華された空間でもてなされるひとときは、この旅をする醍醐味に溢れていた。




万葉軒 千葉工場@東千葉

2018年08月14日 | そばうどん




















かつては千葉方面をレペゼンした駅そば、万葉軒。
懐かしいなあ。と思う諸氏もおられると思う。

それが自分達の利権を振りかざすメイクマネーJRから追い出され一掃されてしまったコト。これは一般にはあまり知られていないのかもしれない。

そんな懐かしでマボロシな味。
それがなんと(平日の昼に限りだが)こちらで食べられるという。
それだけじゃあない。
千葉駅弁の雄、とんかつ弁当のとんかつをそばに乗せたりもできるのだ。ま、それは余興ですが(笑)

そばは冷凍麺になってたけど、出汁の効いたしょっぱめの汁。これこそ当時の万葉軒を彷彿させるものであった。いい。

地域性。個性。そういったものが次々と取り壊され、均され、なかった事の様にされる。

違う。大衆食は多様性でなければ。
そこに生える十人十色な人の生き様でなければ。

そして、それらを食べる事は、延いては「違い」を超える「理解」の第一歩となり得るのだ。

だから、もっとこの「千葉の味」の存在を知ってもらいたいと思う。
この汁の味は、時代に翻弄され、一度は掻き消されてしまった声なき声なのだから。




滝見酒@名主の滝公園

2018年08月08日 | その他
滝見酒したいな。滝をアテに酒を飲みたい。

ふとそんなコトを思いついたのは灼熱の夏が続く日曜の昼前のコト。東京の滝を調べてみる。

すると23区内にも滝はあるらしい。
やってきたのは北区王子。



平沢かまぼこ店の道をずいずい奥へと進んでいったトコに現れた名主の滝公園。



鬱蒼と生い茂る草木にちょっと驚く。整備された公園ではあるけども、遊歩道も狭くてジャングルな感じで。



ん、今なんか踏んだ?と足元をみる。
すると2m近いアオダイショウが慌てて逃げてく姿。

川口浩かよw



さて男滝が現れた。



どこからやってきたのか、
そしてどこへ行くのか。

本来なら、飛沫となり岩肌を伝い滝壺へと落ち、何事もなかったかのようにその先へと進んで行く水の流れに想いを馳せるトコロでですが、ココは人口滝ゆえ深く考えてはいけません(笑)

徐ろに取り出したる缶の水割り。
つまみは滝。とマイナスイオン。



うん。まあまあいい(笑)

モドキだけれど、思い立って1時間でできる滝見酒。
なかなかナイスな大衆の旅だったと思う。





長野屋@新宿

2018年08月05日 | カレースタンド・カレー
世界中で一番消費されている野菜、それは玉ねぎだという。
それだけに身近な存在で、改めて考えてみたりするコトってほぼない。



例えば。カレーには玉ねぎが使われている。
そのコトに何ら疑問を持ったり、感動を覚えたりしたコトってなかったのだが。



新宿南口の大衆食堂、長野屋のカレーライス。



その甘み。その風味。
スパイスや香味野菜と一体となりながら、玉ねぎの持てる力を改めて感じさせられる。

いわば、玉ねぎ再発見。といったところか。



長く煮込まれ、姿形はなくともまろやかな下支えとなるそれ。

粗く刻まれ透き通るようなふつふつとした食感で口腔をくすぐる新たなそれ。

継ぎ足されるコトで生まれた、新旧玉ねぎの饗宴に思わず夢中にさせられるのだ。



と思えば4つにひとつ、それはふわと口溶ける豚脂の欠片だったりして。何この配球いいいい。

そんな外連味なき中に、小悪魔的な愉しさをちょっぴり忍ばせたカレー。
コドモからオトナまでみんなが好きになるのよ。という女将さんの言葉は伊達じゃあないのだ。



カレー専門店にも、エスニック店にもない。
それははげしく人の行き交う駅前の、100年続く大衆食堂の名カレーなのである。