気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Innocent (the) by David Baldacci

2012-07-29 16:57:06 | 読書感想

 Will Robieは、単身、敵地に乗り込み、アメリカの国益を害するテロリストや犯罪者を暗殺することを任務とする特殊機関に属する。
しかし、今度の任務はいつもとは異なっていた。ターゲットが国内に居住する30代のアメリカ人の黒人女性、しかもカメラ付きのヘッドセットを装着して、彼の上司が 彼の行為を監督する中での暗殺。深夜、部屋に忍び込んだRobieは、銃を彼女に向けたとき、彼女の隣に与えられた情報にはない眠っている男の子がいるのを見て 上司の親子とも殺せと言う命令にも関わらず、引き金を引くのを躊躇する。
しかし、躊躇する彼の前で 窓を破ってきた銃弾で親子は殺される。

命令を無視したことで、自分の命もねらわれると察知した彼は その場を逃げ出し、あらかじめ用意していた脱出ルートのNY行きの長距離深夜バスに乗り込む。 追っ手が乗客の中にいないかチェックしていた彼は夜中の2時に出発するバスに 10代前半と思われる少女Julieが一人で乗っていることに違和感を感じる。
観察を続ける彼は最後に乗り込んできた男が、彼と同じプロの殺し屋であることに気づき緊張する、そして、男が少女の後ろに座り、少女を殺そうとするのを目撃し少女を助ける。
彼に礼も言わずに無言でバスを降りた彼女に続いてWillが降りたとたんバスは爆破されて二人をのぞいた全員が死ぬ。

少女は両親が殺された場面を目撃し、母親の逃げろと言う言葉に従い両親を殺した男たちから逃走中だった。これは、彼の命を狙ったものか、それとも少女の命を狙ったものか判断も付かないままに彼は少女を守ってやることを決意する。しかし、かれも命を狙われている身であり、少女も彼も、命が今まで以上に危険な状態におかれることになる。

やがて組織の上層部から彼に連絡が入り、暗殺指令は間違いであり、彼の上司が勝手に下した命令であり、殺された彼女は彼の組織の協力者であったこと、彼の上司は その後、行方をくらましていることなどを話し、彼はこの殺人の背後関係を調べるよう命令される。
彼は 殺された女性が属する政治組織DCISの職員であるという身分証を捜査の責任者、FBIのエージェントNicole Vanceに呈示して、彼女に協力する形で捜査を進めていく。Vanceはいきなり捜査に介入してきたWillに反発を感じるが、Willが現場で示す行動力と分析力の鋭さに 徐々に好意を持ち始める。

一方、Robieの援助の申し出を拒否し、両親を殺した犯人の手がかりを求めて単独で行動しているJulieの後を尾けたRobieは彼女が両親が住んでいた家に入っていくのを見る。続いて 少女の家に入った彼は 両親の死体はおろか部屋もきれいに清掃されて殺人現場の痕跡がきれいに消されていたのを見て、おおがかりな犯罪組織がこの殺人に関与しているのを感じる。 

Robieは呆然としているJulieに 彼女の命をねらっているのは 彼女が太刀打ちできるような相手ではなく プロの犯罪組織であり、自分に犯人捜しを任せてほしいと説得する。捜査のパートナ-として自分も犯人探しに協力することを条件に同意したJulieを Robieは彼の隠れ家の一つに連れて行く。

その後、Vanceとの捜査の打ち合わせに向かったRobieは 打ち合わせ中のレストランで何者かに銃撃される。応戦して敵を撃退した彼は 自分が尾行されていたと察知する。Julieも同じように襲われているのでは と危惧した彼は 電話に出ないJulieにいらだちと不安を感じながら隠れ家に向かってワシントンDCを突っ走る。

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面白かった
組織の上司の命令を無視して組織から追われるようになってどうなるかと思ったが まぁ すぐに一安心。

3人のコンビが良い。

Julieは14歳という子供でありながらも、、男に襲われた時もペッパースプレで反撃するなど、貧民街で育ったタフさをもっており、自分で両親を殺した犯人を見つける意欲があり、自分の捜査の一員にしろとせまり、Willをたじたじとさせる。

Vanceは Robieが殺された女性の組織の一員であることに疑問を持っているが 捜査のパートナーとしては信頼しておりRobieが一人で行動するときは 捜査の重要な参考人というRobieの言葉をを信じてJulieの保護を引き受ける。

 Robie は自分が暗殺者であるからふつうの生活はできないと思いながらも、最近、引っ越してきた若い女性に恋心を抱いたりして 人間的な弱さも垣間見せる。
またRpbieと言う男、なかなかの名探偵、殺された女性の別れた夫が これだけテレビなどで放送されているのに現れないのは彼が女性を殺したか それとも同じように殺されているかのどちらか、分かれた妻を殺すなら遠くから狙撃銃で殺すよりも面と向かって殺す、だから 彼も殺されている可能性が高いと結論づけるなど随所で推理を繰り広げる。
もっとも 彼は当事者だからVance以上に事実を知っている、それをVanceに話せないもどかしさがおもしろい。

プロットは複雑に入り組んでいて、それをRobieが読み解くたびに事態が2転、3転して読む方をワクワクさせ、一見関係のないと思われた二つの事件がJulieの一言で関連づけられ、最後の方はすごいことになっていく

kindle版 9,99ドル ★★★★★


4 コメント

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バルダッチ復活 (ひろくま)
2012-08-03 13:41:14
おもしろかった。私もZero Dayでがっかりしていたので、バルダッチのこの復活はうれしい限りです。はじめは、殺し屋と14才の少女という設定で、ついに不調のバルダッチがLeonをパクってしまったのか、とドキドキしました。もちろんそんなことはなく、バルダッチらしい入り組んだストーリー展開でたっぷりと楽しませてくれました。Robieが恋に落ちる相手、何か関係があるのだろうとは思っていましたが、あんなど真ん中の直球を投げ込まれるとは…。裏の裏をかかれた感じです。バルダッチを続けて読みたくなり、今Split Secondを読んでいます。キャメルクラブシリーズとWinnerは読んでしまったので、他におすすめの作品がありましたらお教えください。
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はじめまして (daydreamer)
2012-08-15 21:16:24
こんばんは ひろくまさん
コメントが遅れてすみません。「Split Second」のシリーズなら「First Family」がお勧めです。単体作品なら大統領の殺人を扱った「Absolute power」そして「Deliver Us From Evil」もお勧めです。
「Winner」は宝くじを当てるというプロットに惹かれて読み、僕も大好きになった作品です。
これからも よろしく。
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Kernick (tosacarp)
2012-08-18 08:28:26
早速Kernick読んでもらったようですね。この作品はまあまあだと思います。私はすこしずつ過去に遡って読んでます。今年中に全作よみたいですね。Baldacciも好きで最近22册めの One Summer読みました。さわやかな作品でした。Innocentも買ってあります。Zero Dayも楽しみにしてます。暑い中リーダース引きながら読んでます。キンドルは今の所休止です。






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Kemick (daydreamer)
2012-09-17 21:39:07
こんばんは tosacarpさん
いま 僕は Paybackを読んでます。
女性が活躍するストーリは好きなので けっこうワクワクしながら読んでます。
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