気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Split Second (King & Maxwell #1 ) by David Baldacci

2018-09-29 17:11:06 | 読書感想

シークレットサービスの護衛チームのリーダーMichelle Maxwellは、護衛中の大統領候補John Brunoが予定外の病死した友人の葬儀への参列を主張し、さらに葬儀場で未亡人と二人にして欲しいという要望を渋々受け入れるが、彼女が目を放したその葬儀場で未亡人に扮した女によって彼を誘拐されてしまう。彼女はBrunoを護衛の監視外に置いてしまったことを厳しく叱責され、公的休暇を命じられる。誘拐の捜査はFBIが行うと上司から厳命されていたが、彼女は独自に事件の捜査を行う決心をする。彼女はBrunoは彼の友人の葬儀に参列しなかったら誘拐されなかったことに着目、友人はBrunoの遊説に併せて殺されたのではと推測し、Brunoの側近に内通者がいると考えていた。テレビのニュースで事件の経過を追っていた彼女は、合間に入り込んできたWrightsburgで起きた殺人事件のニュースに興味を惹かれる。事件について記者たちからインタビューされている男が、8年前、護衛の任務中に大統領候補を暗殺された元シークレットサービスのSean Kingであることに気づいて。Michelleは、自分と同じような過ちを犯したと思われる大統領候補暗殺事件に興味を持ち、また自宅待機に退屈していた彼女はこの事件についても捜査を始める。

当時の事件の捜査資料やビデオを調べた彼女は、ある出来事によってSeanが、一瞬、大統領候補の周囲から目を逸らせた事実を発見する。彼女はSeanもその現場にいたと思われる人々もその出来事を捜査官に話していないことに疑問を持ち、彼女の推理が正しいことを確認するため、今は廃墟となっている事件現場のホテルに向かう。現場を検証した彼女は自分の推理が正しいことを確信し、ホテルに残されていた従業員名簿から今も近くに住む従業員を調べ、従業員たちから当時の様子を聴きだそうとする。そして従業員だった女性の証言からSeanがある事実を隠し続けていることを突き止める。彼女は、自分の事件と同じように、暗殺は単独で行われたのではなく大統領側近に協力者がいたと考え、自分が突き止めた事実、推理を確認するためSeanに会いに行くことを決意する。

ヴァージニア州、CharlottesvilleとLynchburgの間にある小さな町Wrightsburgに住む、Sean Kingは、護衛をしていた大統領候補が暗殺された後責任を取ってシークレットサービスをやめ、弁護士の仕事をしている。しかし、つい最近、自分が雇っている調査員が彼の事務所で殺される事件が起き、しかも殺しに使われた銃は彼の所有するものと鑑識され、警察は一応彼のアリバイを認めているが、逮捕されるかどうかの微妙な立場に置かれていた。

そんな時、Michelleが8年前の暗殺事件について彼の行動に疑念を持ってやってくる。彼は彼女を一目見た瞬間、今、話題になっている大統領候補誘拐事件の責任者として彼と同じように後悔の重荷を負っているだろう彼女に親近感を抱く。彼は彼女が調べた事実を教えることを条件に彼女の疑念に正直に答えていく。そして二人が情報交換している最中、彼女が証言を得た女性が殺されたという知らせが入ってくる。Seanは女性はなぜ殺されたのか、8年前の事件と関係しているのか興味を持ち、直ちに女性の家に向かうことを主張し、8年前に自分の人生が終えた現場にMichelleと共にもどり、暗殺の背後に隠された真実を突き止める決心をする。

Seanと共に女性が殺害された現場に戻ったMichelleは、そこで思いがけずBrunoを誘拐した男を目撃する。彼女は現場にいた警官に彼を追跡するよう要求するが一瞬しか見ていない彼女の証言を警官は信ぜず、男は逃走してしまう。しかし、Seanはシークレットサービスは一度見た顔は決して忘れないよう訓練されているとして彼女の言葉を信じる。やがて、二人は8年前の事件と今回の大統領候補誘拐事件とは繋がりがあると確信していく。

二人はそれぞれの事件の関係者に事情を聞きに行くが、それを知った犯人はSeanとMichelleの命を狙って行動を起こす。

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大統領候補が絡んでいる事件をテーマにしているわりに明らかになる動機が、そんなものかとガッカリさせる。

やがて、二つの事件に繋がりが見えてくるのだが、その背後に潜む首謀者がなかなか特定できず、8年前の事件の関係者、現在の誘拐事件の関係者が片っ端から調べられていくので、2人が調べる人物がどちらに関係していたか出て来る関係者が多くて混乱してしまう。

静のSeanと動のMichelle、二人のキャラクターは魅力的。Michelleが事件についてあれこれ動き回ることによって、Seanもそして犯人も振り回される。最後のクライマックス、Seanに危機が迫ったとき、Michelleが助けに現れる。⇒ふつう、男女コンビのとき 女性がピンチになって男が助けに現れるというパターンが多いけど この本では逆になっていておもしろい。


Paperback 481ページ ★★★ 2003年出版



The Winner by David Baldacci

2018-09-16 10:04:30 | 読書感想

Georgia州 のRikersville郡、スラム街に住む LuAnn Tylerは学生時代から将来は映画スターかモデルになると言われていた20歳の美女だが、生まれてから一度も町を出たことはなくレストランの女給でギリギリの生活をしている。そんな彼女の生活の心の支えとなっているのが、同棲中の男Duane Harveyとの間に生まれた八ヶ月の娘Lisa

数日前、彼女はJacksonと名乗る男から一日、百ドルの短期の仕事の誘いを受ける。金額に惹かれて彼女は就職の面接に行くが、そこで彼女は彼から思わぬ提案を受ける。彼は彼女にナンバー式宝くじを買うよう求める。そして その買った宝くじを一億ドルの当たりくじにしてみせると。あり得ないと半信半疑の彼女に男は宝くじ当選発表の生中継の番組を見せ、見事そのナンバーを当てて見せる。彼女は何らかの違法な手段を使っていると考えて断ろうとするが,宝くじは誰かに当たるのだから、たとえ彼女が宝くじを当てても誰も損はしないし、Lisaに彼女と同じような人生を送らせていいのかと言われて拒絶することを躊躇した彼女は2日間の返答の猶予を与えられる。

Duaneは、彼女が稼いだお金を酒代にして、働かない。そればかりか、他の女と寝たりする。 そんな男との生活に嫌気をさして、彼に別れを告げようとして家に帰った彼女は、Duaneがドラッグの取引のもつれで殺されている場面に遭遇。彼女もDuaneを殺したドラッグ組織の男に殺されそうになるが、反撃して逆に男に重症を負わせてしまう。自分もドラッグ取引に関係していると疑われ拘留され、愛娘が一人ぼっちになることを心配した彼女は、警察に電話せず、この町を去ることを決意する。そして半信半疑のまま宝くじを買い、Jacksonに連絡し、彼の指示どおりに行動する。 やがて、宝くじの発表日、彼女は見事一億ドルの当選者(The Winner)になる。

しかし、警察が彼女を殺人事件の容疑者として指名手配していることを知ったJacksonの指示で、彼女は偽名で国外へ逃亡し、二度とアメリカには帰ってこないという言質をとられる。 10年後、海外での逃亡生活に疲れたLuAnnは密かにアメリカに戻り、母親のふるさとVirginia州のCharlottesvilleに豪邸を買い、偽名で生活するようになる。

だが、娘との平穏な暮らしを楽しんでいた彼女に、彼女の本名がLuAnn Tylerだと見破った新聞記者が接触してくる。彼は宝くじ当選者の取材をしていて、彼女の当選には何か仕掛けがあったのではと疑っていた。また、LuAnnの土地の境界のフェンス工事を受注した、過去の経歴が謎の男Matt Riggsも 警察に拒否反応を示すLuAnnの過去に興味をもつ。そしてLuAnnが帰国していることを知ったJacksonは、自分が仕組んだ宝くじのことが公になることを懸念して 彼女と娘を殺すことを考える。

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ヒロインの貧しい生活から超リッチな生活への劇的変化、そして破滅への恐怖、600ページもある長編だけど、以下の点が気になり、ハラハラワクワク飽きることなく読み続けられる。

まず、公衆の面前で、しかもテレビ中継のあるなかで どうやって自分の希望するナンバーを出して一億ドルの当たりくじにすることが出来るのか?

彼女は正当防衛とは言え、人を傷つけたにも関わらず警察に出頭せず逃げ続けていたが 彼女は無罪放免になるのか?

彼女が得た一億ドルのお金は不正によって得たお金、今、彼女はそのお金でリッチな生活をしているが、Jacksonの犯罪が公になったとき、彼女は当選金を返却し、また無一文の生活にもどってしまうのか?

Jacksonについては いまどきこういう設定はないだろうというところもあるが ハラハラどきどきさせてくれたので良しとしよう

Paperback ★★★★ 628ページ  1998年出版