Monkey's Raincoat (the) by Robert Crais

 

私の名前はElvis　Cole、３５歳。LAでちょっと無愛想で無口な相棒のJoe　Pikeと探偵事務所を開いている。事務所を開いて７年、この仕事が好きだし天分であると思っている。
ある日、Ellen　Langという女性が女友達に付き添われてやってきた。
４日前、夫のMort　Langが息子を連れて失踪したので　行方を探してほしいという依頼だった。

Ellenによると　Mortは最近、大手芸能プロダクションから独立して自分で芸能プロを始めたが　仕事はうまくいっていなかったようだ。仕事のストレスによる失踪か？
手がかりを求めて、私はMortの愛人と思われるKimberly Marshの家を訪ねるが、彼女も数日前から留守のようで、こっそり忍び込んだ私は、彼女のスーツケースが無いことに気づく。彼女はMortと行動を共にしているのか？
続いて　友達だとEllenが言っていたGarret Riceを訪ねるが　Mortとはビジネスのつき合いでしかない、一週間前のパーティで会ったのが最後だったと言われ、結局有効な手がかりは得られなかった。

事務所に帰った私はEllenから自分が留守の間にMortが自宅に寄ったと連絡を受け　彼女の住居に向かうが、そこには　明らかにMortではない誰かが住居に侵入し何かを探した痕跡があった。
そして、翌日、友達でもある刑事から　Mortが射殺されているのが発見されたという知らせを受ける。
知らせを受けて　Ellenの自宅に行った私は　Ellenが何者かに拉致されたことを知る。
息子の消息は不明、Ellenが拉致されて所在が不明の今、私は唯一の関係者と思われるKimberlyの住居を張り込むことにする。
そして　そこに自分以外に彼女の自宅を見張る二人組がいるのを発見する。

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　突然、夫が行方しれずになって呆然としている若き美貌の人妻、その人妻のために奔走する探偵。と、典型的な昔の探偵小説ようだが、この探偵のキャラクターが魅力的。
依頼人に彼に任せておけば大丈夫という安心感を与える、また、わけのわからない（？）ジョークを言って夫や息子が失踪して不安な状態にある依頼人の心にするりと入って癒しを与える
そしてタフ、マフィアのボスに剣を突きつけられて命をとると脅されても、行方知らずの息子たちの居場所を知らないかと　自分の知りたい情報を聞き出そうとする。
うまく書けないが　とにかく魅力的なキャラクター。

ストーリーもテンポよく次々と事態が進展し、　終わりまでスラスラと読める。
最後のクライマックスは圧巻、Coleの小説は　他にも数冊読んでいるが　クライマックスがこんなにもタフだったとは思わなかった。

Winter　downpour  even the monkey needs  a raincoat 　初しぐれ　猿も小蓑を　ほしげなり
タイトルのMonkey's Raincoatは芭蕉の句から引用している、日本通？僕より芭蕉に詳しい。

Kindle版　★★★★