気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

The Missing American by Kwei Quartey

2021-11-13 09:54:50 | 読書感想

2021 PWA BEST First PI Novel , 2021 Nominee for MWA Best Novel 

数十年前、アメリカ人のGordon Tilsonは海外協力隊員としてガーナに派遣されるがその風土や生活ぶりが好きになる。任務が終了してアメリカに帰国する時、彼は現地で知り合ったガーナ人の女性と結婚する。13年前にその妻に先立たれた彼は、妻や夫に先立たれた人々向けの交流サイトをネットに立ち上げる。彼はそこで知り合った若いガーナ人の女性とネットを通して頻繁に交流、好意以上のものを女性に持ち始める。そんな時、その女性から妹が交通事故で大怪我をしたが手術費用を支払えないので手術ができないと知らされ、彼は数千ドルを彼女に送る。それを知った息子Derekがネット詐欺ではないかと忠告するが、彼はSNSのやりとりばかりでなくSkypeなどで直接顔を見ながら話しているので詐欺ではないと断言する。そして恋心が止められなくなった彼は、彼女に会いに行くことを決心しガーナに向かう。

数ヶ月後、ガーナにある探偵事務所をDerekが訪れ、失踪した父親の行方を探して欲しいと依頼する。彼は、ガーナにやって来た父親はネット詐欺にあったのに気づいたこと、父親は友人のジャーナリストの依頼によってしばらくガーナに滞在して詐欺グループを突き止めようとしていたこと、その間、息子の彼にはメールで近況を知らせていたが数ヶ月前から連絡が途絶えたことを話す。

上司によるセクハラを拒否したため、警察を首になリ探偵事務所に雇われたEmma Djanは初仕事として、この調査を担当する。彼女はDerek から、警察はアメリカ人の行方の捜査に積極的でなく非協力だと伝えられる。彼女は警察に頼ることはできないと考え、メールをやりとりしていたDerekからの情報をもとに単独でGordonが出会った人々を訪ねて彼の行方の手がかりを探そうとする。それは彼女もGordonと同じ運命をたどる危険性を秘めているのだが…

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ガーナという馴染みのない国の事件で地名や人名が読みづらく戸惑ってしまった。裕福な生活をするにはネット詐欺で欧米の白人から金を騙し取るしか方法がない貧困な国の若者の実態。そして、かって彼等の同胞を奴隷として使っていた白人への犯行に罪悪感を持っていない若者達。犯罪を行なっている若者達から目こぼしとして金銭を受け取っている警察官僚。詐欺グループに絶対的に信奉されているFetish Priestという牧師というよりは呪術師のような存在。正直、あまり行ってみたい国とは思えなかった。

Fetish Priest ⇒ガーナ、トーゴ、ベニン、その他の西アフリカの国々では、フェティッシュプリーストは霊と生活の間の仲介役を務める人物です。フェチ僧侶は通常、フェチ神社と呼ばれる囲まれた場所に住み、神々を崇拝します。フェチ神社は、その周りにある種の囲いや柵がある単純な泥小屋です。(ウィキペディアからの引用)

章ごとに目まぐるしくキャラクターが入れ替わるのでEmmaが主役という印象は薄く、またそのキャラクターの多さに読む側も混乱する。事件解明もEmmaが進めるというより各章ごとに現れるそれぞれのキャラクターの心情や行動によって明らかになっていく。警察を首になり、探偵として再出発したEmmaが活躍して事件を解明していくという展開を期待していた僕には物足りない展開だった。小説というよりはむしろテレビドラマのほうが向いているストーリーだと思う。

E-book(Kindle版)★★★ 422ページ 


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